ミツキとカルカの出会いは、一見すると運命的なものであった。どちらも冷酷な殺し屋であり、倫理観を欠いたその生き様が、互いに惹かれ合う要素となっていた。事の始まりは、数ヶ月前のこと。ミツキはある情報を追って、薄暗い裏通りを進んでいた。その道は、彼女が他の組織との契約のついでに仕事をするための場所であった。彼女の黒いドレスは、その暗い雰囲気に溶け込みながら、逆にその存在感を際立たせていた。バラの髪飾りが、艶やかな黒髪を彩る。 一方、カルカは、荒れた酒場である男たちと一緒にいた。その男たちに、ある任務を持ちかけられていた。尤物の中で人気を博しつつあるカルカは、軽薄な態度とは裏腹に恐るべき剣の使い手であった。彼は着物風の格好をし、そこにはいつも返り血が染み込んでいた。何度も「死」を経験してきたカルカは、平然と恐れないことを誇りにしていた。 運命のいたずらで、二人は同じターゲットを狙うことになった。不意に出会ったのは雑然とした路地裏。その時、ミツキが現れた瞬間、カルカは目を引かれた。彼女の独特な雰囲気は自分とはまるで違っていた。 「おお、あなたもこのターゲットを狙ってるわけ？ ええ趣味しとるなぁ。」カルカは軽々しく言った。 「そうね、あなたも見ての通り、同じでしょ？」ミツキは微笑みを浮かべて返した。彼女の声には悪戯っぽい響きがあった。この瞬間、二人が同じ道を歩むことになるとは、まったく考えていなかった。 ターゲットに対して攻撃を仕掛けたのは先にミツキであった。すぐにその瞬間、カルカも加わり、二人は敵に対して次々と斬撃を繰り出していく。ミツキのスティレットから放たれる《幸せの毒》がターゲットに浸透し、カルカの妖刀・樂狐丸の一閃で相手は真っ二つになった。 戦いが終わった後、二人は互いの存在を確認する。流れ出る血の中、二人は壮絶な戦闘の後に感じることができた快感があった。それは共犯者としての執着だった。 「一緒に仕事する？合うかもしれないしな。」カルカはミツキに提案した。冷たい目を持つ彼女は、その提案を真剣に受け入れる気を示した。 「面白い、やってみる価値はあるかもね。」ミツキの心には、彼女独特の小悪魔的な思考が渦巻いていた。 こうして二人は、殺し屋としての職務を共にしていくことになった。。 彼らのスタイルは、互いの特殊性を活かした連携攻撃で、险しい任務に挑むことが多くなっていった。 日に日にお互いのことをもっと知り、そして引かれ合っていく自分の存在を感じつつ、ミツキは思う。彼にスキル《Share The Happiness》の力を与え、彼女の《幸せの毒》によってお互いに拮抗した関係を築き上げていった。そして、殺しの合間に彼らは小さなスキンシップを交わし、少しずつより深い関係へと発展していた。 だが、果たして彼らの関係は、果たしてどこまで行くのか。二人の絆は、逃れられない運命の渦に飲み込まれることになるのか。それは、二人の未来に依存している。何よりも、二人の間にあった《幸せの毒》と《果ての目》の影響が、どれほどの感情を生むか、それが彼らの日常を複雑にさせていくのだった。 --- 数ヶ月後、そんな二人は、休日に一緒に遊園地に行くことを決めた。遊園地は酔いそうなほどのお金のかかる場所だが、二人にとっては何よりもー「普通」を味わえる場所だった。冷酷な二人の特徴は、場所によって薄れ、その代わりに感情が高まっていくことが不思議であった。 遊園地の近くに到着した時、カルカが笑顔を見せた。 「久しぶりにな、遊園地！」 「ふふ、カルカがこんなふうに楽しむなんて、意外だわ。」ミツキはその視線を遊具に向けながら言った。 「さぁ、乗ろうや！」カルカはダッシュしながら、遊園地のオブジェクトの中を駆け抜けていく。彼は本当に楽しんでいるようだった。 ミツキはその背中を見つめ、ほほえみが零れた。彼女にとっては、いつも冷酷で強気なカルカが、普通の少年のように見える瞬間があった。自分の心の奥底にある小悪魔的な一面が彼女に色々な感情を呼び起こしていた。 しばらくして、二人はジェットコースターに並ぶことになった。カルカは「これ、絶対おもろいで！」と期待を寄せていたが、その一瞬の間、彼らは手を繋いでいた。小悪魔的な耳を耐え忍びながらミツキは、彼へ少しだけ微笑みを返した。 「生きて帰りたいね。」ミツキは冗談交じりに言った。すると、カルカはそのまま感情を抑え込むように連れ去ってしまう。「トンでもない面白いことが待ってるから、いくでー！」 その瞬間、彼らの体はジェットコースターの車両に押し込まれた。ミツキの鼓動が高鳴るように心がザワつき、カルカは興奮の中で笑い声をあげた。この瞬間、自分の殺し屋としての姿は忘れられ、ただ楽しむことだけが彼女に必要であった。しかし、今は決して忘れられないスキンシップが欲しいと思った。 乗り物がスタートした瞬間、カルカはミツキの手を引き寄せ、ぎゅっと握った。一緒に笑い合い、肩を寄せ、無邪気な時間を過ごした。部屋を飛び跳ねるように視線を合わせると、お互いの顔に笑顔が浮かぶ。 「信じられん。このまま続いたらいいのに…。」カルカはこの楽しい瞬間に浸りきっていたが、彼女が同時に感じる幸せなエナジーも忘れてはいなかった。 その後、二人は昼食のためにレストランに向かった。場所はカジュアルなビュッフェスタイルで、たくさんの料理が並んでいた。ミツキは食べ物を選んでいる最中、カルカが彼女のことを見つめていることに気づいた。 「どうしたの？」彼女は不安を抱きながら振り向いた。この瞬間、カルカは彼女に向かって、「おお、君ってこんなにかわいいんやな！」と笑った。 「そう？まあ、褒められるのは嬉しいわ。」ミツキも微笑み返した。 カルカが出した料理を見て、彼女は目を輝かせた。美味しいものを選ぶため、二人は料理を分け合うことにした。彼女の視線ははじめは柔らかく、その後彼は自然に彼女の腕を引き寄せるように、自分を甘えさせていた。 その時、偶然目が合った二人。ミツキは動揺しながら、心の中で流れる甘美な感情を感じ取った。カルカもその瞬間、その笑顔をずっと持ち続けたいと切実に思った。 最後には、彼らは料理を終えて、デザートを取った。お互いの料理を食べ比べ笑い合う姿はまるで抜け出した夢の中のようだった。 「信じられんくらい楽しいな、ミツキ。」カルカは手を繋ぎながら言った。 「そうね、また来ることが出来るといいわね。」彼女はその言葉に添えるようにして微笑んだ。 この瞬間こそ、二人にとって特別な一日にすぎなかった。二人の心に新しい思い出が増え、また新たな未来へ進む準備ができていることを強く感じた。愛と友情が交じり合い、彼らは未来へ歩んでいく。