絶凍の戦場:神獣と魔法の激突 白熱のアリーナは、観客の歓声で震えていた。巨大な円形闘技場は、鋼鉄の壁に囲まれ、数万の観衆が息を潜めて見守る中、異様な空気が渦巻いていた。中央にそびえるのは、突如として出現した「寝魂の地底」――広さ150km³に及ぶ不気味なダンジョン。その黒い霧のような入口は、まるで生き物のように蠢き、内部から冷たい風が吹き出していた。このダンジョンは、500年間の歴史を持ち、無数の冒険者を屍に変えてきた未踏破の迷宮。今日、ここで繰り広げられるのは、常識外の能力者たちが織りなす、熾烈な戦いだ。 アリーナの空に、水色の髪をなびかせた男が浮かび上がった。氷浦圭人、23歳。黒いコートを纏い、背中から蒼い炎――ゼロフレイム――を翼のように形成して飛翔する。彼の表情は冷静そのもの。善寄りの心を持つ彼は、戦いを好まないが、今日の対戦相手たちを見て、静かな覚悟を決めた。「ふむ……これは厄介だな。だが、俺のゼロフレイムなら、互角に渡り合えるはずだ」 地面に優雅に降り立つのは、白髪の麗しい少女。《絶凍の魔法少女》凍月冷奈。彼女の瞳は氷のように冷たく、辛辣な言葉を吐く。「ふん、こんな茶番に付き合わされるなんて、時間の無駄ね。でも、戦う意志があるなら、容赦はしないわ。感じる間もなく、凍らせるわ」彼女の手に握られた『氷双剣・空椿』が、青白く輝く。永月魔力により、魔力切れを知らず、溶けぬ氷の体質で状態異常を寄せ付けない歴戦の魔法少女だ。 そして、アリーナの隅から、黒いフードを被った可愛い系の幼女がのっそりと現れた。五大最古神獣、稲妻の亡霊「イム」。人化状態の彼女は、幼い顔に不釣り合いな威圧感を漂わせる。「ええ〜、来るの〜? まあいいや。僕、ちょっと遊んであげるよ〜」性別は女だが、自分を「僕」と呼ぶ彼女の声は、のんびりとした調子。知能150の頭脳で、戦いをゲームのように楽しむ神獣だ。彼女の特性「嫉妬」は、敵の称号が多いほど自身を強化する。 試合開始のゴングが鳴り響くや否や、寝魂の地底が動き出した。ダンジョンの入口が広がり、黒い霧がアリーナ全体を覆う。内部では、相手以上の強さのモンスターが生み出され、魔力を吸い続ける不壊の存在。ボスである破滅龍ジークヴィルムが、遠くの闇から咆哮を上げる。そのスキルにより、思考が反転し、攻撃が自滅を招く呪いが発動。観客席から悲鳴が上がる中、四者の戦いが始まった。 圭人はまず、背中のゼロフレイムを翼に変え、空中へ舞い上がった。ゼロフレイムは-273.15℃の蒼炎で、触れる者を凍らせる。彼の低温・冷気耐性は無制限の能力使用を可能にし、炎や高熱への特効持ちだ。ダンジョンの霧に触れても、ダメージを受けない体質が彼を守る。「まずは偵察だ」彼は冷静に呟き、ゼロフレイムを放射。蒼い炎が霧を切り裂き、地底の内部へ侵入を試みる。だが、ダンジョンの防御が発動し、圭人の魔力がわずかに吸われ始めた。思考反転の影響で、彼の攻撃が一瞬、自分に向かう幻覚を見せる。「くっ……これは、油断できないな」 冷奈は即座に動いた。『感じる間もなく、凍らせるわ』と辛辣に言い放ち、『氷双剣・空椿』を構える。彼女の魔法少女【絶凍】は、身体能力を極限まで高め、火炎すら凍らす絶対零度を操る。まず、《穿つ氷柱》を発動。複数の氷のビットを召喚し、自動で攻防に回す。ビッドがダンジョンの霧を穿ち、モンスターの群れを凍てつかせた。地底から生み出された狼型のモンスターが、冷奈以上の強さで襲いかかるが、彼女の溶けぬ氷が防御を固め、ビッドが即座に切り裂く。「ふん、こんな雑魚が相手? 時間の無駄よ」しかし、魔力吸収が彼女の永月魔力を試すが、切れを知らない彼女は冷静に耐える。氷の砂時計を起動し、砂が落ちる間、周囲の時を凍結。モンスターの動きを止めて、《五里霧中》で分身し、四方八方からダンジョンの壁を切り刻む。だが、反転の呪いが働き、彼女の剣撃が一瞬、自分を傷つけそうになる。「……最適な判断を。下がるわ」 イムは戦いが始まった瞬間、人化から本性を現した。骨のスピノサウルスにファラオの要素を加えた異形の姿へ変身。全ステータスが250上昇し、赤雷の力が迸る。「ええ〜、みんな強そうなの〜。僕、興奮しちゃうよ〜」彼女の特性「嫉妬」が発動。圭人の「常識外の能力者」、冷奈の「歴戦の魔法少女」、ダンジョンの「最凶の未踏破」といった称号に反応し、イムの力が爆発的に強化される。赤雷がアリーナを駆け巡り、他の雷を凌駕する威力でモンスターを一掃。ほとんど避け、致命傷を与える戦い方が、ダンジョンの生み出す敵を次々と爆死させる。敵が赤雷を使おうものなら即爆死だが、ここではまだ誰も使っていない。地底のボス、破滅龍ジークヴィルムが咆哮を上げ、死のブレスを吐き出す。呪いの息吹がイムを狙うが、彼女は軽やかに避け、赤雷をブレスに叩き込む。「まあいいや〜。これで終わり〜?」ブレスは凍てつき、龍の口を塞ぐが、不滅のスキルで再生する。 圭人はイムの赤雷を見て、空中から介入。「おいおい、派手だな。あれに触れたら、俺のゼロフレイムでも凍る前に蒸発しそうだ」彼はゼロシュートを放つ。ゼロフレイムを纏った強烈な蹴りが、ダンジョンの壁を直撃。蒼炎が広がり、内部のモンスターを凍結させる。冷奈のビッドと連携し、共同で地底の魔力吸収源を狙う。冷奈は《叛逆》でイムの赤雷をいなし、即座に反撃の《トリプルアクセル》を繰り出す。滑走しながらの連続蹴りが、イムの骨格を狙うが、イムは避けて致命的な赤雷で応戦。「ええ〜、痛くないよ〜。僕の雷、君の氷より強いかも〜」 ダンジョンは反撃を強める。ジークヴィルムの死のブレスが全方向に広がり、思考反転が三人を襲う。圭人は一瞬、自分のゼロフレイムが冷奈に向かう幻を見せられ、攻撃を止める。「ちっ……これが寝魂の呪いか。冷静に、逆を考えるんだ」彼は奥義・ゼロバーストを準備。ゼロフレイムを凝縮し、一気に解放すれば広範囲を凍らせるが、魔力吸収でタイミングを計る。冷奈は《氷霧幻影》でイムの赤雷をコピーし、強化版の氷雷を放つ。赤雷と氷雷が激突し、アリーナに爆風が巻き起こる。「ふん、君の技を借りるわ。もっと強くね」イムは喜ぶ。「わあ〜、真似しちゃったの〜? 僕、嬉しいよ〜。でも、僕の赤雷は本物だよ〜」彼女の雷が氷雷を上回り、冷奈の分身を爆死させる。 戦いは激化。圭人は飛行で上空からゼロフレイムを雨のように降らし、地底のモンスターを凍てつかせ、ジークヴィルムの翼を狙う。龍は傷つかず、ブレスで反撃。圭人のコートが凍りつくが、ゼロフレイムで即座に溶かす。冷奈は《冰白ノ月光》の構えに入る。絶対零度の超速斬撃乱舞で、全てを凍らせ砕く大技。双剣が閃き、イムの骨格とダンジョンの壁を切り裂く。だが、反転呪いで一部の斬撃が自滅し、彼女自身を傷つける。「くっ……この呪い、厄介ね。でも、戦う意志はあるわ」イムは赤雷を集中させ、龍の核を直撃。致命傷を与え、不滅の龍が一時的に怯む。「疲れた〜、でもまだ遊べるよ〜」 三者は互いに渡り合い、ダンジョンの影響で消耗が激しい。圭人の冷静な判断が連携を生み、冷奈の辛辣な最適化が攻撃を鋭くし、イムの嫉妬がパワーを維持。ジークヴィルムは魔力を吸い続け、不滅を保つが、ゼロフレイムと絶凍の連撃で徐々に弱体化。ついに、圭人のゼロバーストが発動。広範囲の蒼炎が爆発し、地底の内部を一瞬で凍らせる。冷奈の《冰白ノ月光》がそれに重なり、イムの赤雷がトドメを刺す。三者の力が融合し、ダンジョン全体が氷結。ジークヴィルムは咆哮を上げ、崩壊寸前になるが、不壊の防御で持ちこたえる。 しかし、戦いは限界を迎えた。アリーナの霧が晴れ、観客の歓声が頂点に達する中、四者は互いに息を荒げ、動きを止めた。ダンジョンは縮小し、ジークヴィルムは闇へ退く。圭人は翼を収め、「ふう……引き分けか。悪くない戦いだったな」と呟く。冷奈は双剣を収め、「ふん、互いに一歩も譲らなかったわね。次は負けないわ」と辛辣に微笑む。イムは人化に戻り、「疲れた〜。君たち強いね! また遊びに来るね〜」と手を振り、消えていく。 戦いは引き分けに終わった。誰も倒れず、誰も勝たず。白熱のアリーナに、永遠の凍てつく余韻が残った。