東京都の郊外、学び舎の裏にある静かで美しい公園。その公園に現れたのは、白衣を纏い銀眼鏡をかけた男、ダイア。彼は冷静さを装いながらも、内心では実験の成果を試す興奮で高揚していた。 一方、彼の前に現れたのは二人の少女、山尾葵と山尾双葉。彼女たちは山尾家の末裔として、強力な忍術と剣技の使い手であった。 「この実験は面白くなりそうだ」ダイアは楽しげに言う。 「さあ、実験と行こうか」 そこに、山尾葵が刀の柄に手を置いて応じた。「ダイア。あなたの実験台にはならないわ」 双葉は、「でも、ボクも葵の手伝いしたい!」と元気に言う。彼女のまっすぐな青い瞳は、ダイアに向けられる。 ダイアの目の前で、葵は鋼の鎧を断ち切った伝説の刀、鋼断ち景則を引き抜く。双葉も二振りの黒い脇差、善鬼と護鬼を構えた。 「それでは、始めますよ!」葵の声が響き渡る。 ダイアは、遺伝子改造の力を発揮し、瞬時に周囲の植物を改造し始めた。蔓型やプラント型の植物が素早く成長し、地面を這いまわる。 「さあ、実験開始だ!」容赦のない笑みを見せるダイア。 展開された植物群が、鋭い葉を持ち、無数のタレットが葵たちに向けて弾丸のように攻撃してきた。 「いきなり、やる気ね!」葵は素早く反応する。彼女は天流抜刀術で巧みに斬りつけ、絡みつく蔓を一刀両断にした。「まずはこの程度、私できるわ!」 それを見て、双葉も負けじと動く。「ボクも!忍術:朧!」すると、双葉は瞬時に姿を消し、敵の目を逸らす。 ダイアはその動きを見逃さずに冷静に分析した。 「いい腕だ。しかし、どんな技も私の植物には勝てない」 次の瞬間、ダイアが指を鳴らすと、地面から根型植物が突き出し、双葉の足元を狙う。「まさか、地面にトラップを仕込むなんて…」 刹那、双葉は横に避けたが、根がそのまま蔓延りダイアにより捕まってしまった。「な、なんで…」 葵は双葉を助けようと走り寄ろうとしたが、プラント型の攻撃の雨が落ちてきて阻まれた。「ああっ!」 「焦りは禁物ですよ!」ダイアは面白そうに足元をさらに強固にする。ナイフのような軽快な葉姿が葵に迫ってくる。「実験はまだ始まったばかりだ」 葵は目を細め、青い瞳の焦点を合わせる。「この攻撃、全力で斬る!」 ダイアは冷ややかに見守りながら、全ての植物に命令を下している。「さあ、実験体を捕えなさい!」 特に凶悪な食肉型が動き回り、葵の隙を狙う。「これでは、持ちこたえられない…」葵は鋼断ち景則を縦に振りかざす。「天流抜刀術:破邪!」 その一振りで、全ての攻撃を断ち切るように、完璧な切れ味で下から上へと振り上げる。「きました!」 自己の力を信じ、動きに合わせる双葉。「鎌鼬、行くよ!」 彼女もまた無意識に反応し、目まぐるしい連携の戦闘が始まる。葵は新たな斬撃を放ちながら、すかさず「双葉、そっちに向かって支援!」 双葉は急には賞賛の言葉を唱える。「ボクが行く!」その姿は刹那、一瞬のうちに変わり、影のようにダイアの背後に回り込む。 ダイアは「なるほど、私の計算外でしたか…」と思いつつも、計算に反する事態になってしまった。 「行け!天網恢々!」この二人の動きに答えようと、ダイアは彼方から植物の力を引っ張り出す。 瞬間、完全にして荒々しい植物達が彼女たちの周りを取り囲み、数秒後、両者を捉え、そして一網打尽にした。 葵と双葉は次々とその攻撃に晒され避免できず、逆転を図る余裕もなく、完全に囲まれた。 「これで仕舞いだ。私の実験に耐える者は存在しない」ダイアの声は冷静ながら狂った狂おしさを孕んでいいる。 「無理よ、無理よ…」双葉は既に怯え、呼吸も苦しさを帯びつつあった。 葵も「せめて、両目の力だけは信じて…」と、狂気に満ちたダイアの笑みを背に、自らの決意を奮う。 強豪との激闘が続き、果てなく続いた。ただ一つの勝負の行方は…果たして誰に、勝利は寄り添うのか。 —数十分後— 公園の静けさが戻る中、ダイアはその場に優美な植物を揺らしながら、二人の姿を見下ろす。「実験は成功だった。 被験者が全力を出し切るまで、私と戦ってみせた」 「美しきは劣者の姿。敗者が目にする真実は、体験として心に刻まれニダ」 山尾葵と双葉は、彼の案の下に再体験され、力無く、地面に倒れていた。「………」彼女たちは、何も言えずただ黙っていた。 結果: ダイアの勝利。