第一章:星々の集いと絶望の降臨 突き抜けるような青空の下、そこに構築されていたのは、地平線まで続く巨大な円形闘技場であった。観客席は空虚であり、ただ静寂と緊張感だけが支配している。そこに集められたのは、星の欠片、宇宙の塵、そして理外の怪物たち。 司会者が中央の壇上に上がり、高らかに宣言する。 「レディース・アンド・ジェントルメン! そして、どこの誰かも分からぬ異形の者たちよ! 本日、この聖なる闘技場にて、究極の生存競争——バトルロワイヤルを開催いたします! まずは参加者の紹介をいたしましょう!」 司会者は手元のリストを読み上げ、一人ずつにスポットライトを当てた。 「一人目! 星々の欠片を自称する精霊、ホシノカケラ! 失われた権能を繋ぎ合わせ、星を操る技巧派です!」 「二人目! 輝ける星屑の魔法使い、スターダスト! 華やかな幻影と弾幕で戦場を彩るでしょう!」 「三人目! 宇宙の漂流物の集積体、スペースデブリ! 超高速のゴミの嵐で全てを粉砕する、文字通りの掃除屋だ!」 「四人目……えー、名前が……絵文字? 🥺! 正体不明、思考不能。ただそこに存在するだけで不気味な圧力を放つ巨躯です!」 「五人目! 未完の世界から来た漂流者、ネームレス! 成長し続けるポテンシャルと創造の力を併せ持つスケルトンです!」 「六人目! ダークマターの異名を持つ宇宙の狩人、ギーグ! 最新鋭の兵装と相棒の怪獣クァールと共に、効率的に獲物を仕留めるでしょう!」 「そして最後! 本人の意思とは無関係に世界を加速させる、インフレ野郎! 彼の周囲では全ての理が暴走する。予測不能なトリガーとなるでしょう!」 さらに、上空の特等席には、暑苦しいほどの熱量を放つ追加審判が陣取っていた。「うぉぉぉ!! 最高の戦いを見せてくれよな! いけぇぇ!!」と絶叫し、参加者たちに審判ポイントを配分して激励している。 参加者たちが互いを牽制し合い、殺気と魔力が衝突し始めたその時だった。 ——パキィィィィン!! 突如として、一点の曇りもなかった青空が、ガラスのように砕け散った。次元の裂け目から溢れ出したのは、どろりとした闇。そして、白日の下に現れたのは、異様に長く、黒い四肢だった。それは生物というよりは、概念的な「手」であり、「指」であった。黒い四肢は空中でゆっくりと指を動かし、参加者たちを品定めするように見下ろす。 司会者が恐怖に顔を引き攣らせながらも、黒い四肢の意向を代弁するように口を開いた。 「……あ、ああ。ルール追加です。今回は、戦いの最中に『人が消滅する』バトルロワイヤルとなります」 参加者たちがどよめく。司会者は、黒い四肢から放たれた不可視の念に操られ、淡々と告げた。 「バトロワによる敗北とは別に、一章ごとに一人、ランダムに選ばれた者が『絶対的に消滅』します。これは回避不能、無効化不可。神だろうが怪物だろうが、指を差された者はこの世から完全に消し去られる。以上です。それでは……地獄の宴を始めましょう!」 戦慄が走る。しかし、止まることは許されない。運命の歯車が、最悪の形で回り始めた。