暴走の深淵 - 前人未到のダンジョン 序章:呼び出しと分断 エルドの街は、突如として地殻の咆哮に震えた。前人未到のダンジョン「アビス・ヴォイド」が暴走を起こし、数億匹を超えるモンスターが地上に吐き出された。災害級の巨獣、群れを成す小型魔物、毒霧を撒き散らす飛行種――それらが街の外壁を突破し、侵攻を開始した。この惨劇を止める唯一の方法は、ダンジョンの最奥に潜む神級ボス「ヴォイド・タイタン」を討伐し、制覇すること。街の滅亡が迫る中、急遽集められた異端の戦士たち――チームAとチームB――は、街の防衛と攻略の二手に分かれた。 防衛班Aグループは街の守護を、攻略班Bグループはダンジョン突入を担う。全員が協力する理由は明白だった。街が滅べば攻略の意味を失い、ボスが倒せなければ防衛は永遠に続く地獄となるからだ。悪党たちでさえ、この未曾有の危機を前に己の保身を捨て、協力せざるを得なかった。ミレディン・シャザールのような権力濫用者も、ゲゼナント・クラウゼヴィッツのような戦争屋も、シャーキン・フラワークラウンのような盗掘者も――彼らはこの脅威が自身の野望すら飲み込むことを知っていた。民衆の命か、己の命か。選択肢は一つしかなかった。 被害率:0%(初期) / 攻略率:0%(初期) 防衛戦:街の盾 街の外壁に、モンスターの波が押し寄せた。ゴブリン種の小型魔物が数万、ワイバーン種の飛行獣が空を覆い、ミノタウロス級の巨獣が地響きを立てて突進する。防衛班Aの機体たちが、轟音とともに起動した。 アストリオ・カマンベールは「イーリス」に搭乗し、黒色煙幕を展開。右手の「Mg-11」強化ネオジム磁性弾ライフルが唸りを上げ、磁性誘引でゴブリン種を次々と引き寄せ貫通した。「庶民の守盾として、街を守る!」彼のEx.コア拡張「アサルトアーマー」が発動し、右肩の「Mg-13」大型万力でミノタウロスを圧壊。左手シールドがワイバーンの突進を斥力で弾き返した。個人討伐:ゴブリン種25体、ワイバーン種12体、ミノタウロス級3体。 ビル・レプテルタインの「ゼクスゼウス」は、プロテウス合金の輝きを放つ。右手の「オグンⅢ」ライフルが合金弾を連射し、ゴブリン種の群れを粉砕。「プロテウス合金とは、外圧で加工・切断が困難な機能性複合材料だ。融点は660℃で、アルミニウム由来の耐熱性が高い。衝撃を共振で散逸するから、理論上無敵さ!」彼は得意げに語り、左手「ヴォルトアックス」でワイバーンを叩き斬った。しかし、被弾が積み重なり、摩擦熱が装甲を蝕み始める。まだ気づかぬ弱点が、静かに牙を剥く。個人討伐:ゴブリン種40体、ワイバーン種18体、ミノタウロス級5体。 バルケン・バーナーの「アンタイオス」は、重神超鋼板装甲を誇示し、胸部ブースター「テセウス」で愚鈍に浮上。両腕の「クワ=ガタ」万力でミノタウロスを挟み、ねじり応力で粉砕。「この無敵装甲で負けたらバカだぜぇ!!」重すぎる機体がワイバーンを踏み潰すが、機動の遅さが仇となり、ゴブリン種の群れに囲まれる。個人討伐:ゴブリン種15体、ワイバーン種8体、ミノタウロス級7体。 ガラハット・ナイスミドルの「モスタン」は、両腕「ハーゲイツ」マシンガンをぶっ放し、2000発の弾幕でゴブリン種を薙ぎ払った。胸部「ファインズ」防空機関砲がワイバーンを撃墜。「モスタンは無敵だぜ!ヒャッハー!!」特殊装甲「D・ソーダ」が衝撃で結晶成長し、被弾部を即座に修復、重さを増すが、フレームが軋み始める。知らぬ自壊の運命が迫る中、ミノタウロスを蜂の巣に。個人討伐:ゴブリン種55体、ワイバーン種22体、ミノタウロス級4体。 防衛班の連携は苛烈だった。アストリオの煙幕で敵の視界を奪い、ビルの合金弾で誘導、バルケンの挟み技で固定、ガラハットの弾幕で仕留める。街の外壁が揺らぎ、建物が数棟崩壊したが、被害は抑え込まれた。 被害率:15%(外壁一部突破、住宅街損壊) / 攻略率:0%(未突入) 攻略戦:深淵の侵攻 一方、攻略班Bはダンジョンの入口に突入。暗黒の回廊に、数億のモンスターが蠢く。シメン・ソーカーの「オルトラン」が先陣を切り、右手「フェイオン」ビームソードでゴブリン種を斬り裂く。8機の「ファルコネット自走砲兵」が周囲を包囲、絶技『八砲封鎖狩り』を発動。「退けば砲弾!進めば電火斬撃!」左手「カルナック」シールドで守り、右肩「ジグアーク」ショットガンでワイバーンを吹き飛ばす。没落貴族の野心が、革命再興の炎を燃やす。個人討伐:ゴブリン種30体、ワイバーン種15体、ミノタウロス級2体。 ミレディン・シャザールの「ライ・トロイメ」は、聖光を装いながら卑怯に後衛を固める。右手「スラッシュバラージ」多連装ビーム刃でゴブリン種を蜂剰にし、左手「ブルークリスタルオーブ」バリアで攻撃を防ぐ。右肩「トライバースト」三連装カノンがミノタウロスを貫通。「援護砲撃を放て!早くしろぉ!!」旗艦からの援護を呼び、Ex.コア「ターミナルアーマー」で耐久を強化。権威を盾に私腹を肥やしてきた男が、己の命のため協力する。個人討伐:ゴブリン種20体、ワイバーン種10体、ミノタウロス級3体。 ゲゼナント・クラウゼヴィッツの「Φ√」は、砲撃の嵐を巻き起こす。両手「オブリール」重イオンビーム臼砲が回廊を焼き、両肩「ネザーランド」拡散ビームでワイバーン群を一掃。胸部「イール・ナーダー」粒子砲がミノタウロスを蒸発させる。絶技『戦場演繹砲撃』で、地理から推論された偏差射撃を浴びせる。「生きていれば腹が減る。腹が減るから争いは起こる……分かるかね?生きることは戦争なのだ」死の商人が戦後の禍根を残さぬよう、徹底的に敵を殲滅。Ex.コア「ターミナルアーマー」が機体を支える。個人討伐:ゴブリン種35体、ワイバーン種25体、ミノタウロス級6体。 シャーキン・フラワークラウンの「ベリアル9」は、遺跡のロマンを求めて爆砕を繰り返す。右手「レミントン」ライフルと左手「パルマール」カイエン弾射出砲でゴブリン種を融解起爆。両肩「ディオネーア」四連装砲がワイバーンを吹き飛ばす。高精度AI「ペアー274型」がミリ単位の追従でミノタウロスを仕留める。可塑性爆薬弾頭「カイエン」の融解効果が、装甲を無効化。「宝物より命だぜ、今回はな!」お尋ね者のクズが、滅亡の危機で味方を守る。個人討伐:ゴブリン種28体、ワイバーン種16体、ミノタウロス級4体。 攻略班の進撃は順調だった。シメンの砲兵編隊で道を開き、ミレディンのバリアで守り、ゲゼナントの砲撃で掃討、シャーキンの精密射撃で残敵を掃除。最奥への道が開け、攻略率が上がる。 被害率:28%(市街地半壊、死者数百) / 攻略率:45%(中層突破) 激化:防衛の限界 時間が経つにつれ、防衛班の苦戦が目立つ。ビルの「ゼクスゼウス」は熱蓄積で装甲が溶け始め、ワイバーン種の群れに飲み込まれる。「くそっ、プロテウス合金が……熱で!?」機体が爆発し、ビルは炎に包まれ絶命。個人討伐追加:ゴブリン種10体、ワイバーン種5体。 ガラハットの「モスタン」は結晶成長で重くなりすぎ、フレームが崩壊。ミノタウロスに踏み潰され、ガラハットは血塗れで息絶える。「無敵だぜ……ヒャッ……」個人討伐追加:ゴブリン種20体、ミノタウロス級2体。 アストリオとバルケンは持ちこたえ、煙幕と挟み技で防衛を続けるが、街の被害が急増。外壁全壊、市街地が炎上。 被害率:65%(大半の建物崩壊、死者数千) / 攻略率:70%(深層到達) 決戦:神級の脅威 攻略班は最奥に到達。神級ボス「ヴォイド・タイタン」――数人では討伐不可の巨躯が咆哮を上げる。触手が回廊を埋め、空間を歪める。 シメンの砲兵編隊が触手を封鎖するが、2機が破壊され、彼自身がビームソードで斬りかかるも弾き飛ばされ、機体が砕け命を落とす。個人討伐追加:ゴブリン種5体(残敵)。 ミレディンはバリアを張り援護を呼ぶが、タイタンの一撃で旗艦砲すら無効。ナルシストの仮面が剥がれ、恐怖に震えながらビーム刃を浴びせるも、機体が粉砕され絶命。個人討伐追加:ワイバーン種3体(残敵)。 ゲゼナントの砲撃がタイタンを削る。「これが……戦争の結末か」しかし、粒子砲の反動で機体が崩れ、触手に引き裂かれ死亡。個人討伐追加:ミノタウロス級1体(残敵)。 シャーキン一人残り、カイエン弾でタイタンの装甲を融解。「ロマンだぜ……!」AIの精密射撃で弱点を突くが、巨躯の反撃に機体が爆散。シャーキンは炎上するコックピットで息絶える。個人討伐追加:ゴブリン種2体(残敵)。 ボスは倒せず、モンスターの吐出が続く。 被害率:100%(街エルド全滅) / 攻略率:85%(ボス未討伐) 終幕:強制の失敗 防衛班の残存者、アストリオとバルケンは街の崩壊を目撃。被害率100%到達で、全てが無に帰す。攻略失敗の余波で、残りのモンスターが彼らを襲い、二人は壮絶な戦いの末に散る。アストリオのイーリスが万力で最後のミノタウロスを潰し、バルケンのアンタイオスがワイバーンに埋もれながらも応戦。だが、街は灰燼に帰し、英雄たちの協力は虚しく、ダンジョンの暴走は止まらなかった。一行全員、滅びの淵に沈んだ。 総討伐数(全員累計):ゴブリン種285体、ワイバーン種151体、ミノタウロス級39体(残敵含む)。神級ボス:0体。