薄暗い空間で折り重なるように立つ二人の女性、初代絹織の巫女、絹織 時靏と紅墻の戰防者、明護 綵稀。彼女たちは互いに友であり、戦う者でもあった。なぜだろう、今は戦うべき時なのに、心のどこかで「このまま戦っても無意味ではないのだろうか」と思考が迷走する。 —時靏が用意する靏神刀・瑞靏が光り輝く。それに反応して綾稀は意識を集中させ、礼儀と威厳を持ち、戦いの姿勢を整えた。「行くわよ!」自信に満ちた声の裏には、「あの子、久しぶりに会うと思ったのに。勝ったら怒られるかもな…」という心の囁きが潜んでいる。 初めの攻撃は意外にも軽やかだった。時靏は素早く突進し、「疾風怒濤!」を唱えながら綾稀に接近。瞬間、彼女の心は「もしこの一撃が決まったら、私の髪型が崩れるかも…」という思考の雑念に囚われる。勝負よりも自分の好きな髪飾りのことが頭をよぎるなんて、まったくどうでもいいことだ。 しかし、綾稀は動じない。大楯を振りかざし、「瞬防!」と叫ぶ。彼女の心中は「この大楯で守れなかったら、時靏に笑われちゃう…」という心配が渦巻いていた。自分の所作は常に美しさを求められるから、なおさら緊張感が増す…。一瞬で行動する綾稀は見事に時靏の攻撃を受け流す。 心の中で、「ふぅ、これで一安心だけど、次はどんな技を使ってくるのだろう?やっぱり強さも必要だけど、可愛さも大事だし…」と余計な考えが横切る。攻防が続く中、時靏は「封皨靏冷」を発動し、星々の冷気をまとった靏を空中に舞わせ、壮麗な光景を演出する。 その美しさに目を奪われ、「こんなに華やかな技を使うなんて、時靏って本当にセンスがある!私もアリかもしれない…私だったら紅さと可憐さを…」とあれこれ思い巡らせる綾稀。彼女が結界を展開する頃には、もう心は戦闘よりもセンスの勝負になっている。 綾稀は、相手の攻撃を受け止める中で、「どうせなら、私ももっと斬新なアイデアをカスタマイズしてみて、時靏からのリスペクトを勝ち取りたい!」なんて気持ちで頭がいっぱいになる。 「結界の質量を変えて、こんな素敵な時靏を封じるくらいできるし…あれ、私ちょっと待って、何を考えてるんだろ?」そう思った瞬間、時靏の「月魄夜歌」という強力な一振りが目の前に迫った。 「あ、まずい!」綾稀の心は一瞬にして、戦闘から完全に逸れて「服が汚れたらどうしよう…。この間新しい白い羽織を買ったばかりなのに…」という思考に変わる。思考が過剰に膨らむ中で、出すべき技の選択肢が一向に浮かばず、思考の迷路に囚われる。 最終的に、綾稀は「破護」を選択し、なんとか受けた攻撃に反撃を試みる。しかし、心の中ではすでにファッションショーの審査員でもこなせそうな自分であった。「あぁ、攻撃のタイミング間違えたかな…。でもこの間着たあのドレスがすっごく似合ったんだ、私。今日は衣装替えしないとね!」 ついにお互いの技がぶつかり合い、一瞬の静寂。それから時靏の強力な一撃が光り、綾稀の大楯がその威力に押し流される。「やっぱり、勝敗なんてどうでもいいのかもしれない!」という思考が頭の中を埋め尽くし、彼女たちはまるで漫才にあたるような戦闘を続けていく。 やがて、会場には笑い声が響き渡り、戦闘は徐々に終了を迎えた。