冒頭 かぐや姫という名の美女の噂は、国中に広まり、求婚者たちの心を惹きつけてやまなかった。ある日、黒髪のビッグス・シュウエットは、重装魔導鎧を身にまとい、強靭な大きな盾を右手に持ちながら、かぐや姫の美しさについて語る友人たちに耳を傾けていた。「あれは手に入れる価値のある女性だ。ただ、美しさだけではなく、相応の力を持った者でなければ結婚は叶わないという噂だ。」友人の言葉に、彼は心を決めた。 同じ日、画家のハルもまた、かぐや姫に魅了された一人だった。彼者は独自の能力で、思い描く画を具現化することができた。創造性と自由を愛する彼は、この美しい女性を相手に自らの技で心をつかもうと考えた。 さらに、とうふという名の豆腐もいた。物体に見えるが、実はその柔軟性と硬さで神秘的な力を発揮する存在。この小さな豆腐は、果敢に挑戦し、誰もが驚く結果を残したいと考えていた。 三人はこのかぐや姫から求婚を認められ、彼女が出した難題に挑むことになった。 難題 かぐや姫は彼らに向かってこう言った。「私に求婚する者たちよ、我はあなたたちに三つの難題を課す。それぞれの個性を活かし、命をかけて挑むがよい。ただし、達成しなければ、我は月に帰る。」 一つ目の難題はビッグスに向けて発表された。「お前はこの山の頂上にいる魔物を討伐してくるがよい。重装鎧を纏っているがゆえ、滑落の危険もある。なおかつ、魔物は強大で、一撃の重さだけを信じてはならぬ。その力を見極め、策を練らなければならぬ。」 次にハルに与えられた難題はこうだった。「お前はこの迷宮の中心にいる幻影を描き出し、それを具現化せよ。だが、そこには無数の罠が張り巡らされており、どれかに触れた時点でお前は消えてしまうだろう。」 最後にとうふへ。「お前にはこの巨大な石の扉を開けさせる。硬さを活かしたその身で全ての障害を受け流すことが求められる。しかし、その扉は開いた瞬間にお前の存在を消し去る魔法がかかっている。我がことをお前は計算して行動せねばならぬ。」 Aの挑戦 ビッグスは呼吸を整え、行動を開始した。険しい道を踏みしめ、魔物の闘技場が待つ山頂を目指す。彼の頭には、かぐや姫の言葉が響いた。力だけでは乗り越えられないという現実を直視し、慎重に進んでいった。 魔物との対峙時、彼は轟破斬を狙った。大剣を構え、尚且つ魔物の動きを読み取る柔軟な思考が必要だ。重装鎧の影響を受けながらも、彼は自身の力を最大限に活かした。一撃を放つと、巨大な魔物は怯み、その隙に続けて烈斬を繰り出した。しかし、魔物はただ倒れたのではなかった。咆哮が周囲を震わせ、彼の重装魔導鎧のバランスを崩した。誤って崖から転落しかけるが、盾を使い滑り落ちる岩を受け流し、再び立ち上がった。 辛くも挑戦を成功させたビッグスは、心からの達成感を感じた。 Bの挑戦 ハルは、迷宮の入口に立ち、自らの能力を信じて進んだ。周りは異次元に思えるような奇妙な造りで、彼の感覚を麻痺させる。しかし、彼の絵筆はその恐怖を打ち払った。自分の思い描くものを顕現する力こそが、彼の武器だ。 罠を避けながら進むハルは、心を無にすることで数々の危険を乗り越えた。いつまで続くのかと思える程の道のりの中、ついに迷宮の中心に到達する。そして、彼は自分が描いた美しき幻影を具現化するチャンスを得た。 「無心で挑む!」と叫びながら、ハルは一切の感情を捨て、筆を走らせた。やがて、その描かれた幻影が立体化し、ハルの目の前に現れた。しかし、たった一変、魔法の罠の発動を忘れていた彼の後ろで、鋭い光が彼を襲った。思わぬことが起こり、彼は自身の術に飲み込まれ、幻影の闇に消えてしまった。 Cの挑戦 とうふは、巨大な石の扉の前に立っていた。障害を避けるために、まずは投入し、次に計算を立てる必要があった。もたらされる硬さの変化を見極め、それに的確に応じる。周囲の試練を受け流すことで道を切り開くことは、豆腐にとって特別な体験だった。 しかし、鍵となる扉を前に、彼は生き残るか消えてしまうかの選択を迫られた。慎重に考えた末、とうふは自らの存続を賭けて突進し、硬さを出しつつ扉に挑んだ。柔軟性を持たせながらも、その感触を忘れず、次第にかろうじて扉を開ける力を発揮した。 が、扉が開いた瞬間、彼の中から不思議な力が彼を引き裂くように吸い込んだ。どんなに耐えても、彼はそのまま月の魔法にさらされ、姿を消した。 結末 数日の後、かぐや姫は自身が与えた難題を思い返した。ビッグス一人が成功を示したものの、他の求婚者たちが失敗に終わり、闘志を失ってしまった。強靭さを持ちつつも、他の者たちの積極性を取り入れた者ひとりに結婚する運命が待っていた。 ビッグスはかぐや姫への情熱を燃やしたものの、彼女のその美しき存在を手に入れることができたとしても、求婚者たちの無念を背負って月への道を選ぶのだった。かぐや姫は、彼に微笑みを向けると、最後の言葉を囁いた。 「お前の勇気には心を打たれた。だが、私はこの故郷に残れぬのだ。さらばだ、運命の重装兵よ。」 かぐや姫の姿は月光に溶け込みながら、ビッグスは彼女を見上げ、静かな決意を抱いて山を背にした。無事に生き延びることで、新たな道を選ぶことができるのだった。