特級呪霊との死闘:異世界からの来訪者たち 章1: 絶望の渦中、次元の裂け目 東京の廃墟と化した工業地帯。夜の闇を切り裂くような爆音と、肉を裂くような不気味な咆哮が響き渡っていた。特級呪霊──それは人間の想像を超えた醜悪な怪物だった。無数の触手が蠢き、腐敗した肉塊のような体躯は、黒い粘液を滴らせながら再生を繰り返す。非人語のうめき声が空気を震わせ、強力な呪力の波動が周囲を歪めていた。その技は厄介で、触手から放たれる黒い霧は触れたものを腐食させ、再生能力はどんな攻撃も無効化してしまう。虎杖悠仁と東堂葵の二人は、すでに限界を迎えていた。 「くそっ! また再生しやがる!」虎杖が叫び、汗だくの体で拳を振り上げる。呪力を纏った右拳が呪霊の触手に叩き込まれるが、肉塊は瞬時に修復され、反撃の触手が彼の腹を掠める。血が飛び散り、虎杖は地面を転がって回避した。元気で素直な青年の顔は、痛みと苛立ちで歪んでいる。「俺の攻撃が通じねえ……このままじゃヤバいぜ!」 隣で東堂葵が息を荒げ、筋骨隆々な体を構える。一人称「俺」の彼は、術式「不義遊戯」を発動しようと手を叩こうとするが、呪霊の黒い霧が迫り、動きを封じられる。「ちっ、厄介な野郎だ。俺の入れ替えが通用しねえのか……高田ちゃんのライブの時間に間に合わねえぞ!」東堂の声は不敵だが、額に浮かぶ汗が疲労を物語っていた。二人は連携を試みるが、呪霊の再生速度が速すぎる。触手が東堂の足を絡め取り、引きずり込もうとする。「虎杖! 援護しろ!」 「わかった! 黒閃、決めてやる!」虎杖が跳躍し、驚異的な身体能力で呪霊のコアらしき部分に拳を叩き込む。稀に発動する「黒閃」の一撃が炸裂し、呪霊の体が一瞬崩れる。だが、すぐに粘液が集まり、再生。反撃の霧が二人を包み、視界が奪われる。危機的状況──二人は背中合わせに立ち、息を切らして呪霊の次の攻撃を待つしかない。廃墟の鉄骨が霧に溶け、地面が腐食していく音が、絶望を煽る。 その時だった。空気が裂けるような異音が響き、次元の裂け目が現れた。空間が歪み、青白い光が爆発的に広がる。呪霊の咆哮が一瞬止まり、虎杖と東堂も驚愕の表情を浮かべる。「な、なんだこれ!?」虎杖が叫ぶ。裂け目から、異世界の機体が次々と飛び出してきた。大型の人型機体──エケウェンス、バイトアルヒクマ、データイースト。金属の軋む音と、エンジンの咆哮が戦場に新風を吹き込む。 最初に現れたのは、蒼剣王子ジーノルド・イルウーン搭乗のエケウェンス。機体は中量級二脚で、性能バランスに優れ、近接戦の達者だ。右手の「ブルーレイザー」燃費改良型ビームソードが青く輝き、左手には「ハイぺリオン」全天候対応サブマシンガンを構える。「この戦いでボクは親父を越えるんだ!」ジーノルドの声が機体のスピーカーから響く。実力派傭兵団《皀莢》の若きNo.2として、最高難易度の高額報酬案件