青い残響アルガリアは、その青を基調とした指揮者の服を翻しながら、冷静な目で相手を見据えていた。彼の後ろには、同じく青を纏った残響楽団のメンバーたちが揃っている。彼らの存在感は圧倒的で、気を抜くことができない雰囲気を醸し出していた。 その相手は、《前人未到》ボルス。彼の血濡れの刀と共に繰り出される数々の技は、まさに地獄の業火を思わせる。ボルスは、自身の能力《業の斬撃》を準備していた。邪気を放つ刀が空間に現れ、すぐに彼に向かって一直線に飛んでくる。だが、その瞬間、アルガリアは一歩前に出て冷静に指揮を振るった。 「皆、準備はいいか?音の力を感じろ!」彼の声が楽団の仲間たちに響くと、広がるリズムが戦闘の合図となった。アルガリアのスキルである《青い残響》は、あらゆる遠距離攻撃を無効化する力を持っている。そのため、飛んでくる刀は音を変え、無力化される。 「こいつ、音符だぁ!」とメンバーの一人が声を上げた。刀は空気を震わせば削られ、ボルスの攻撃は一瞬で無に帰す。楽団員たちが力を合わせ、《ラルゴ》のスキルによってリズムを持った攻撃が開始される。青の音符が刃となり、刀のように振る舞いながら、ボルスに向かって飛び立っていく。 その頃、ボルスは《心眼冥合》を駆使して、アルガリアの動きと楽団員たちの攻撃を冷静に見極める。彼は数十手先の行動を読み、反撃の準備を進めた。「まずは一撃、貰おうか。」 だが、アルガリアはその狙いを知っていたかの如く、《アレグロ》を発動する。彼の身に纏う冷静さとは裏腹に、彼の動きは信じられない速さで変わった。まるで風が彼の体を包み込み、その動きを助けているかのようだった。 「うわぁっと!」楽団のメンバーはアルガリアの増幅されたスピードに驚き、後を追うように動くが、そこにボルスの刀が再び飛んでくる。だが、この時はまだ《青い残響》が強力に働いており、刀の進行を無効化する。異音が空中で渦巻いていく。 「やはり逃げられないようだな、アルガリア…」ボルスは冷酷に微笑みを浮かべ、次に《全知全権》を使い、自身の情報を再確認。その瞬間、アルガリアの動きのパターンを読み解く。 「くっ、このままではやられてしまう!」 彼の表情が一瞬暗くなったのを見て、楽団は一斉に動き始めた。《乱舞》を発動した彼らは、一瞬で周囲を青く染め、ボルスに向かって音の刃を飛ばす。まるで音楽のクライマックスのように、あらゆる方向から刀の断片が放たれ、ボルスを取り囲む。 だが、ボルスはすぐに冷静に裸足で後退し、《天眼穿ち》を発動して反撃を試みる。彼の技の前ではあらゆる防御が無意味だ。狙い澄ました刀が一瞬でアルガリアの心臓に向かって迫る。「しかし、余の攻撃は無効化される。」と彼は心の中で思い、ただひたすらに持ちこたえた。 その時、アルガリアの決意が顔に浮かんだ。「みんな、今だ!これが私の奥義、前人未到の千本刀を見せる。」彼の声が高まり、楽団全員がその声に応えた。 《奥義:前人未到の千本刀》発動!青い音符の大鎌が一斉に振舞い、絶え間ない斬撃の嵐が舞い上がる。刀は50cm以内の空間を埋め尽くし、無数の光がボルスに向かって降り注ぐ。彼の動きは完全に封じ込まれ、逃げ場がないことを理解したボルスは絶え間ない斬撃を受けて圧倒されえる。 「くっ、俺には、この攻撃が効かない…!」ボルスは自らの持つ全ての技を発動するが、楽団のリズムはそれを上回り、彼を制圧してしまった。流れるような旋律が彼を包み込む。 結果、ボルスの敗北が確定し、青い残響アルガリアの完全な勝利が宣言された。