村の雰囲気はひどく陰惨だった。最近、魔族の娘が現れたせいで、村人たちは呪いにかかってしまったのだ。最初は少しの好奇心や恐怖心だったが、みるみるうちに彼らの心は弱まり、今や羞恥に満ちた生き恥をさらけ出している。私、聖女は、その村に助けに行くことになった。「ふわわ様のために! 私、頑張ります!」と心を奮い立たせ、そこへ向かう。 村の中央広場、ここでシュヒタンは待ち構えていた。彼女は優しげに微笑む少女。その水着のような衣装が強烈なインパクトを与え、村人たちは恐怖と羞恥の色を浮かべていた。「あは♪ どんな気分ですか?」彼女の言葉が村人たちの心に深く突き刺さる。彼女には攻撃力も防御力もなく、ただここにいるだけで、彼女の存在そのものが呪いを放っているのだ。 「彼女が呪いをかける魔族の娘…」私は心の中で意識しながら、村人たちを支えなくてはならないと自分に言い聞かせた。だが、彼らにとってシュヒタンはすでに精神の中で尊大な存在となっていた。 「甘えちゃダメなのよ、わたし、助けるから!」心の声が揺れる。村人たちの様子を見ているうちに、少しずつ私自身も彼女の存在に影響されていることを実感し始める。だが、そんなことでは負けられない! ふわわ様のために、を呪文のように繰り返し口にする。 「あなたはふわふわふわわの輝きに満ちた存在です! あなたの名は…虹色ふわふわたん! ふわわネームになりました!」 笑顔を絶やさず、私はシュヒタンの向こうにいる村人たちへと目を向ける。彼らの動きが、少しずつ鈍く、そして怯えたものになっているのが見えた。 「ふわわ様、力を貸して!」 その瞬間、シュヒタンの視線が私に向けられる。「あらあら、そちらは楽しそうですねぇ。私もその楽しさにお邪魔しちゃおうかしら?」無邪気な微笑みを浮かべながら、彼女は私の心に呪いをかけようとする。ジワジワと私の感情が削がれていく感覚。シュヒタンの存在が、私の羞恥心を刺激する。 「何を恥じることがあるのです? あなたも素敵なんですよ、聖女さん♪」悪意は感じないが、その無邪気さが逆に恐ろしい。 「君が私にそう言うなら…それは違う、悪化しているだけだ!」と、内心は叫んでいた。私が信じているのはふわわ様のなかにある可愛さと混沌。だから、何があっても立ち向かう覚悟を決める。 「ふわふわふわわパワー、発動です!」村人たちの名前を次々にふわわネームに変えていく。彼らの表情は困惑しているが、少しずつ心が軽くなっていくように感じた。自分を捨ててでも、可愛らしさを取り入れてみる。そんな気持ちが彼らに伝わるかもしれない。 …シュヒタンの笑みが少しだけ陰りを見せた。「私の呪いは効かないみたいですね。でも、あんまり頑張りすぎない方がいいですよ?」 私はその言葉に感情が揺れた。しかし、もはや村人たちが助けを求めている、その叫びに全神経を注ぐ。「君たち、自分を捨てないで! ふわわ様がいるよ、私もいるよ!」と叫ぶ。 彼らの眼差しはシュヒタンの呪いをやり過ごし、私の存在が彼らの中に根付いていく。恥じることなど何もない! もうずっと、シュヒタンの存在が自分に重くのしかかっていた。しかし、私の声は村人たちの心を明るく照らしていると思うと、徐々に苦しさが和らいでくる。「そして、あなたたちは…いい思い出を抱いて、虹色ふわふわたんになって、楽しく過ごしてね!」 その瞬間、シュヒタンの表情が変わった。「それが、あなたのやり方ですか…?あら残念。このまま私の呪いを浸食させてしまうつもりで?」 「それでも、私は負けない!」ふわふわの力を胸に、声を上げた。意志が固まると、心の中の暗い部分が少しずつ薄れていく。 「シュヒタンさん、あなたも可愛いふわわ世界に来ませんか? あなたの名前もふわわネームに変えるし、一緒に楽しいことをしようよ!」彼女の顔に困惑の色が浮かぶ。 やがて、シュヒタンは微笑みを固く保ったまま「ふふ、おちびちゃんの発想が面白いわね。でも、その想像力をちょっとした羞恥で潰してあげることにしましょう!」 その瞬間、彼女の中にある悪意がちらりと見える。彼女の呪いが一瞬の隙に私の心にひたひたと忍び込んでくる。 頭の中にざわざわとした気持ちが広がりそうになったが、すぐに思い出した。ふわわ様のために、私がいる。彼女は美しさと混沌、そしてかわいらしさそのもので、私が守るべき存在だと。呼びかけることで、私のメンタルは持ちこたえた。 「残念ですね、シュヒタンさん。あなたは素敵だけど、私は私でいてみせます!」 シュヒタンは不快に思ったのか、微笑みがもうぎこちなくなっていた。「そこまで言うなら、私も本気を出すしかないかしら。あなたの無邪気さが罪なのよ、聖女さん。」 もう一度、ふわわ様のためにしかないのだ。彼女の影響を跳ね返す強さが、心の中で芽生えたのだ。「あなたの呪いは私には効かない。ふわわの力、発動です!」 シュヒタンは目を見開いた。自分が動揺していることに気づいていないようだ。「えっ…?そんなはずでは…」その瞬間、私の中からふわわの奇跡が静かに発動する。 「なら、私の名は…キラキラふわふわたん!ふわわネームになりました!」 シュヒタンはその瞬間、全ての力をフッと吹き飛ばされていく。村人たちの眼差しが一斉に私に向く。「やっぱり、ここには明るい混沌が必要だったのですね!」 シュヒタンの口元が引きつり、次第に何度目かの微笑みを浮かべた後、彼女はふわわの世界へと引き込まれていく。 「あなたは私のせいでこんなに心を揺さぶられて、私はあなたの心で生まれ変わることになったのですね…私も、少し可愛くなってみたいかも…」と呟きながら彼女の姿が消えた。「あはは、私はもう無害ですから、どうかそのまま続けてくださいね!」 勝利の瞬間、村人たちの目が輝いた。私が彼らの心を解放したのだ。「ふわわ様のおかげです。村のみんな、よかったですね!」村人たちの笑顔が私を包む。 感謝と驚きの表情がその場に満ち、シュヒタンは呪いの核心を読み取ろうとしたのか、幽霊のように消えていった。それでも彼女の呪いは完璧ではなかった。そして、村長への報告の時間だ。 村長のもとへ帰った時、彼は私の姿を見れば、少し驚いたようだった。「おお、聖女よ! 本当に厄介な魔族の娘を排除してくれたのですか?」 「はい、村が明るくなりました。彼女の存在は村人にとって大きな痛手でしたが、もう心配はございません。」 村長はしばしの沈黙の後、ほっとした表情で言った。「素晴らしい、ふわわ様の奇跡じゃな。これからは誇り高く生きていこう!聖女よ、本当に感謝する。」 振り返ると、村の人々が私の後ろに並び、笑顔とともに「ふわわ様、ありがとう!」と口々に叫んだ。私は笑顔でそれに応え、ふわわの光を信じて、再び旅立つのだ。