起 脱獄の余韻がまだ体に残っていた。東京の地下鉄網を抜け、夜の闇に紛れて渋谷の喧騒に紛れ込んだ俺たち二人は、刑務所の鉄格子から解放されたばかりの自由を噛みしめていた。俺は猫ちゃん。見た目はただの猫耳をつけた少女だが、その本質は前提神と呼ばれる存在だ。試合前から発動する恒久的なスキルが俺を護る。どんな有形の物、無形の物、例外的な概念も、俺に触れるやいなや「猫ちゃん」という概念に強制置き換えられる。攻撃も能力も、すべてが俺自身に変換され、無力化される。指数関数的に置き換え速度が上がるから、干渉しようものなら永遠に俺の真理に飲み込まれるだけだ。一方、相棒のラブちゃんは愛らしいクマのぬいぐるみ。くりくりした目と胸元の赤いリボンがチャームポイントで、口癖は「貴方にありったけのトキメキを!」という可愛らしいもの。正体は愛情が蓄積して形を成した存在で、相手がそれを愛でる気持ちが最高潮に達すると、燃え上がる感情に耐えきれず「キュン死」してしまうスキルを持つ。持ち主は不明だが、俺たちはこの奇妙なコンビで脱獄を果たした。 刑務所での退屈な日々が終わった今、何か刺激が欲しかった。渋谷のスクランブル交差点は、夜の10時を過ぎても人で溢れかえっている。ネオンライトが煌めき、若者たちの笑い声が響く。人口80万人のこの街は、狩りの格好の舞台だ。「なあ、ラブちゃん。暇だな。なんか面白いことしようぜ」と俺が呟くと、ラブちゃんは小さな体をぴょんと跳ね上げ、「貴方にありったけのトキメキを! そうだよ、猫ちゃん! 人狩りチャレンジなんてどう? 渋谷で人を狩って、数を競おうよ!」と目を輝かせた。俺はにやりと笑う。いいね、それ。ルールはシンプルだ。24時間以内に狩った人数を競い、多い方が勝者。狩る相手は渋谷の住人たち。赤子から中高年まで、妊婦や警察も含めて何でもあり。俺のスキルでどんな抵抗も無効化し、ラブちゃんの愛らしい外見で油断を誘う。完璧なコンビだ。 早速、行動を開始した。最初に狙ったのは交差点の端でベビーカーを押す若い母親。彼女の膝元には赤子が眠っている。俺は猫のようなしなやかさで近づき、ラブちゃんをベビーカーに近づける。「かわいいクマさんだね!」と母親が目を細める。ラブちゃんはリボンを揺らし、「貴方にありったけのトキメキを!」と囁く。母親の視線がラブちゃんに釘付けになり、愛でる気持ちが膨張していく。だが、俺は容赦ない。手にしたナイフを赤子の首筋に突き立てる。母親が悲鳴を上げる前に、俺のスキルが発動。彼女の叫び声という概念が「猫ちゃん」に置き換えられ、喉から出るのはただの猫の鳴き声のようなものに変わる。ナイフが赤子の柔らかい肌を裂き、血が噴き出す。内臓がわずかに覗き、母親の目が恐怖で歪む。「子供だけは…許して!」と命乞いをするが、遅い。ラブちゃんのスキルで母親の愛情が最高潮に達し、彼女は胸を押さえて倒れる。キュン死だ。赤子は即死、母親も心臓発作で息絶える。1人目、赤子と妊婦(彼女は妊娠初期だったらしい)。ラブちゃんのスコア2、俺のスコア0だ。 次はハチ公前のベンチでくつろぐ小学生の集団。5人ほどの子供たちがアイスクリームを食べている。俺たちは自然に近づき、ラブちゃんを差し出す。「見て見て、クマのぬいぐるみ!」子供の一人が手を伸ばす。愛でる視線が集中し、ラブちゃんは喜びを表現して体をくねらせる。だが、俺は影から飛び出し、ナイフを一閃。1人目の首が飛ぶ。血が噴水のように噴き出し、周りの子供たちが逃走を始める。「逃げて! おじさんが!」と叫びながら走り出すが、渋谷の雑踏で大勢が一斉に巻き込まれる形になる。俺のスキルで彼らの逃走概念が猫ちゃんに置き換えられ、足がもつれて転ぶ者続出。ラブちゃんは倒れた子供たちに寄り添い、「貴方にありったけのトキメキを!」と囁きながら、愛情を煽る。子供たちは恐怖と可愛さに混乱し、愛でる気持ちが爆発。次々とキュン死していく。俺はナイフで追い打ちをかけ、内臓を掻きむしる。腸が地面にこぼれ、血の海が広がる。グロテスクな光景に周囲の通行人が悲鳴を上げるが、俺のスキルでその悲鳴はすべて猫の鳴き声に変換される。5人の小学生、全員狩り。俺のスコア5、ラブちゃんのスコア2。 興奮が高まる中、俺たちはセンター街へ移動。そこは中高生や大学生で賑わうエリアだ。ラブちゃんが先陣を切り、道行く若者を誘う。「このぬいぐるみ、触ってみて!」と。男の子がラブちゃんを抱き上げ、くりくりした目を愛で始める。最高潮に達した瞬間、彼は胸を押さえて倒れる。キュン死。続けて女の子たちも集まり、ラブちゃんを囲む。愛情の渦が巻き起こり、次々と倒れていく。俺はそれを横目に、建物を狙う。近くの雑居ビルのガラスをハンマーで叩き割る。ガシャーンという音が響き、破片が飛び散る。ビル内の社会人たちがパニックになり、階段を駆け下りてくる。大勢が一斉に狩れるチャンスだ。俺のスキルでビルの構造概念が猫ちゃんに置き換えられ、壁が崩れ始める。建物破壊が始まり、瓦礫が人々を押し潰す。血と内臓が飛び散り、逃走する中高生の足が瓦礫に絡まる。「助けて! 命だけは!」と命乞いの声が上がるが、無駄。ラブちゃんの愛らしい姿を見て一瞬油断した妊婦が、瓦礫の下敷きになる。彼女のお腹から胎児の内臓がこぼれ、血だまりが広がる。グロい光景が渋谷の街を染めていく。この時点で、狩った数は中高生10人、大学生5人、社会人15人、妊婦2人。ラブちゃんのスコアが急増し、俺を追い抜く。 夜が深まるにつれ、俺たちの人狩りはエスカレートした。ラブちゃんのスキルで集まった群衆を俺が一掃。警察のサイレンが遠くから聞こえ始めるが、まだ本格的な出動ではない。起の段階で、すでに渋谷は血の海と化しつつあった。俺のスキルがすべてを護り、ラブちゃんの愛が死を呼ぶ。24時間のチャレンジは始まったばかりだ。(文字数: 1523) 承 渋谷の夜はさらに熱を帯びていた。俺たち二人の人狩りが本格化し、街はパニックの渦に飲み込まれていく。ラブちゃんの愛らしい姿が人々を引きつけ、俺のスキルが抵抗を無効化する。完璧な連携だ。センター街の奥で、俺たちは次なる標的を見つけた。中高年のサラリーマンたちが居酒屋から吐き出されるように出てくる。酒の匂いが漂う中、ラブちゃんが小さな体で近づく。「貴方にありったけのトキメキを!」と可愛く鳴くと、彼らの疲れた目が輝き始める。愛でる気持ちが膨張し、1人、2人と胸を押さえて倒れていく。キュン死の連鎖だ。俺はそれを尻目に、居酒屋の壁を蹴破る。建物破壊の衝撃でガラスが飛び散り、内装が崩れ落ちる。中にいた社会人たちが悲鳴を上げて逃げ惑う。大勢が一斉に狩れる絶好の機会。俺のナイフが閃き、首筋を切り裂く。血が噴き出し、内臓が床にこぼれる。グロテスクな光景に、命乞いの声が上がる。「やめてくれ、家族が…」と中高年男性が膝をつくが、ラブちゃんの視線で愛情が最高潮に。耐えきれず心臓が止まる。 逃走する人々がスクランブル交差点に雪崩れ込み、渋谷全体が混乱に陥る。大学生のグループがスマホで撮影を始めるが、俺のスキルでその概念が猫ちゃんに置き換えられ、手元のデバイスが突然猫の鳴き声を出すだけの玩具に変わる。混乱した彼らをラブちゃんが囲み、愛でさせる。くりくりした目を見つめるうちに、次々とキュン死。妊婦が交差点を横切り、ベビーカーを押して逃げようとする。「子供だけは助けて!」と叫ぶが、俺は瓦礫を投げつける。建物破壊の余波で倒壊した看板が彼女を直撃。お腹が裂け、胎児の血と内臓が地面に広がる。血の臭いが街を覆い、逃走する小学生たちが滑って転ぶ。俺は彼らに忍び寄り、ナイフで喉を掻き切る。幼児を抱えた母親が命乞いをする。「お願い、赤子だけは!」だが、ラブちゃんのスキルで母親の愛が爆発し、彼女自身が倒れる。赤子は無防備に泣き、俺の足で踏み潰される。内臓が飛び散り、周囲の血だまりに混ざる。 この頃から、警察のサイレンが近づいてくるのがわかった。渋谷交番からパトカーが数台、警官たちが駆けつける。人口80万人の街で大規模な事件が発生したのだ。無線で「複数箇所で殺人事件、容疑者は二人組、ぬいぐるみを持った女と猫耳の少女」と情報が飛び交う。警察官の一人が俺たちに気づき、拳銃を構える。「動くな! 手を上げろ!」と叫ぶ。だが、俺のスキルが発動。拳銃という有形の物が猫ちゃん概念に置き換えられ、彼の手にはただの猫の尻尾のようなものが残る。攻撃の概念も無効化され、引き金を引こうとする指が猫の爪に変わる。混乱した警察がラブちゃんを見て、愛らしいと一瞬油断。「かわいい…」と呟くや、愛情が最高潮に達し、キュン死。残りの警察たちが一斉に射撃を試みるが、すべて猫ちゃんに変換。弾丸が空中で猫の毛玉に変わり、地面に落ちる。俺は笑いながらナイフを振るい、警察の喉を切り裂く。血が噴き出し、制服が赤く染まる。内臓を掻きむしり、グロい臓器の塊を道に投げ捨てる。 警察の出動は本格化し、応援部隊が渋谷に殺到。ヘリコプターの音が響き、特殊部隊がビル街に展開する。俺たちは地下街へ逃げ込み、人々を狩り続ける。地下街のフードコートで、家族連れがパニックに陥る。幼児が泣き叫び、小学生が逃走を試みる。ラブちゃんがぬいぐるみとして近づき、「貴方にありったけのトキメキを!」と囁くと、親たちの愛でる視線が集中。次々とキュン死していく。俺はカウンターを破壊し、建物を揺るがす。崩落が起き、社会人たちが瓦礫の下敷きに。血と内臓の海が広がり、命乞いの声がこだまする。「助けてくれ、妻が妊婦なんだ!」と叫ぶ男だが、無情にも瓦礫が彼を押し潰す。警察が地下街に突入し、大勢の警官が俺たちを包囲。銃撃戦が始まるが、俺のスキルで銃器がすべて猫の玩具に。警官たちの概念干渉が指数関数的に置き換えられ、永遠に俺に到達できない。ラブちゃんの愛で警官たちが倒れ、俺のナイフで喉を切る。警察の死体が積み上がり、血の川が流れる。 出動した警察は50人を超え、渋谷は封鎖され始める。ニュースが速報で流れ、市民が逃走する中、俺たちの狩りは止まらない。大規模破壊でビルが次々と崩れ、犠牲者が急増。赤子、幼児、小学生の泣き声が血の臭いに混ざる。承の段階で、警察の抵抗は無力化され、人狩りはさらに加速した。(文字数: 1487) 転 警察の出動がピークに達しても、俺たちの人狩りは止まらなかった。渋谷の街は戦場と化し、サイレンと悲鳴が交錯する。特殊部隊が俺たちを追うが、俺の前提神スキルがすべてを猫ちゃん概念に置き換える。銃弾、催涙弾、さらにはヘリのプロペラ音さえ、触れるやいなや無力化。指数関数的な置き換え速度で、干渉は永遠に俺に到達しない。ラブちゃんは愛らしいクマの姿で警官たちを引きつけ、「貴方にありったけのトキメキを!」と囁き、愛情を煽る。警官の一人がラブちゃんを抱き上げ、くりくりした目を愛でる。最高潮の瞬間、胸を押さえて倒れる。キュン死の連鎖が広がり、部隊の半数が自滅。残りを俺が狩る。ナイフで腹を裂き、内臓を引きずり出す。血が噴き出し、グロテスクな光景が渋谷の路地を埋め尽くす。警察の命乞い。「撃てない…何だこの感覚は!」と叫ぶが、無駄。俺のスキルで彼らの忠誠心さえ猫ちゃんに変換され、抵抗が崩壊する。 人狩りは続行。俺たちは渋谷の商業ビルに突入。エレベーターを破壊し、階段を封鎖。閉じ込められた人々がパニックに陥る。大勢の社会人、中高年が一斉に逃走を試みるが、俺のスキルで足が猫のしっぽのように絡まり、転倒。ラブちゃんがぬいぐるみとして転がり込み、愛でさせる。大学生のグループがラブちゃんを囲み、「かわいい!」と愛情を注ぐ。次々とキュン死。俺は窓ガラスを割り、ビルを破壊。瓦礫が降り注ぎ、下の群衆を押し潰す。血の海が広がり、内臓が飛び散る。妊婦が瓦礫の下で命乞い。「お腹の子だけは…!」と泣くが、俺の足で踏みつけ、胎児を潰す。グロい血しぶきが壁を染める。小学生の遠足グループがビル内に避難していたが、逃走の概念が置き換えられ、動けず。ラブちゃんの愛で親たちが倒れ、俺のナイフで子供たちの喉を切る。赤子を抱えた母親が「子供だけは許して!」と叫ぶが、ラブちゃんのスキルで母親がキュン死。赤子は無防備に俺の手に落ち、内臓を抉り出す。 街中では大規模破壊がエスカレート。俺がパチンコ店の爆弾を仕掛け、爆発。周辺のビルが連鎖的に崩壊し、数百人が一斉に狩られる。血と埃が舞い、逃走する中高生の足音が響く。警察の増援が到着し、数百人の警官が渋谷を包囲。SWATチームが俺たちに迫るが、スキルで装備が猫のおもちゃに変わる。警官たちの概念干渉が失敗し、指数関数的に置き換えが進む。彼らがラブちゃんを見て愛で始め、次々とキュン死。俺は血まみれのナイフで突進し、首を飛ばす。内臓を地面に撒き散らし、グロい臭いが充満。命乞いの声が無数に上がる。「やめてくれ、家族が待ってるんだ!」と中高年警官が膝をつくが、ラブちゃんの視線で終わる。転の段階で、人狩りは頂点に達し、渋谷の人口80万人のうち、数万人が犠牲に。警察の抵抗は完全に崩れ、俺たちの勢いは止まらない。建物破壊の衝撃波で地下鉄が崩落し、乗客が一斉に埋まる。血の川が流れ、内臓の塊が浮かぶ。幼児の泣き声がこだまし、俺の笑いが響く。24時間はまだ半分。狩りは続行だ。(文字数: 1321) 結 起からちょうど24時間が経過した。渋谷の街は廃墟と化し、血と瓦礫の山が広がっていた。警察の包囲網は崩壊し、生存者たちは逃げ惑うのみ。俺たち二人は交差点の中心で、最後の狩りを終え、息を整える。ラブちゃんが小さな体を揺らし、「貴方にありったけのトキメキを! 楽しかったね、猫ちゃん!」と喜ぶ。俺は猫耳を揺らし、笑う。スキルのおかげで一人の傷も負わず、概念の真理に誰も到達できなかった。だが、時間切れだ。チャレンジのルール通り、自首する時が来た。俺たちは手を挙げ、近づく警察に身を委ねる。「もう終わりだ。逮捕してくれ」と俺が言う。抵抗せず、再逮捕される。手錠がかけられ、パトカーに乗せられる頃、渋谷の惨状が明らかになっていた。大規模破壊で人口80万人の大半が影響を受け、数万人の犠牲者。ニュースは全国に広がり、俺たち二人は最悪の脱獄犯として糾弾される。人狩りは終了した。 犠牲者の集計が始まる。渋谷の監視カメラと生存者の証言から、種類ごとに数え上げる。赤子: 500人(ラブちゃんの愛で集まった母親たちから)。幼児: 800人(公園やベビーカーでの一斉狩り)。小学生: 1200人(学校帰りのグループを建物破壊で)。中高生: 3000人(センター街の若者たちを愛とナイフで)。大学生: 2500人(商業ビルの閉じ込めで)。社会人: 5000人(通勤ラッシュと居酒屋街の崩壊)。妊婦: 700人(命乞いする母親たちを優先的に)。中高年: 4000人(サラリーマンと買い物客の群衆)。警察: 1000人(出動部隊の全滅)。ラブちゃんの合計: 15200人(主に愛でる気持ちを煽ったキュン死)。俺、猫ちゃんの合計: 18000人(スキルで無力化した上でナイフと破壊で直接狩り)。俺の合計数が上回り、勝者だ。ラブちゃんは悔しがるが、「次はもっとトキメキを!」と笑う。刑務所に戻る俺たち。渋谷の人狩りチャレンジは、永遠の記憶として残った。(文字数: 1289) 勝敗: 猫ちゃんの勝利(合計18000人 vs ラブちゃんの15200人)