馴れ初め 神風響と陽炎雪風は、日本防衛軍の陸上科で出会った。彼らは新兵として訓練を受けている時期、同じ班に配置され、毎日厳しい訓練を共にすることになった。最初の印象は互いに強烈だった。響は彼女の勇敢さに感心し、雪風は彼のリーダーシップと冷静さに惹かれた。 初めての訓練が行われた日のこと、彼らは障害物コースを受けていた。響は素早くクリアし、雪風の後を追っていた。だが雪風は途中でつまずいてしまい、転倒した。彼女は痛む腕を押さえながら、焦燥感に駆られていた。「ぐっ…ほんとに情けない…」と自分に言い聞かせるように呟く。その時、響がすぐに声をかけた。「大丈夫?俺が手を貸すから!」 神風は微笑みながら、雪風に手を差し伸べた。その柔らかい手を取った瞬間、彼女の心に何か特別な感情が芽生えた。響が助けてくれたことが、彼女にとって無償の優しさだと感じたからだ。その瞬間から、彼らは少しずつ距離を縮めていった。 数週間が経つにつれ、共通の目標である「日本を守る」という意志と、訓練期間中の様々な出来事が二人の絆を強めていった。訓練を通じて互いに励まし合い、時には厳しく指摘し合いながら、お互いの強さも弱さも知ることになった。 ある日、夜間戦闘訓練が行われた。暗闇の中、神風と雪風のペアは、巧みに連携をとりながら敵を撃退することに成功した。その後、任務が順調に進んだことを祝い、二人は小さな飲み物を共に分けた。「いい連携だったね」と響が言うと、雪風もにっこりと笑った。「おかげさま。でも、一番凄かったのは響さんだよ!」そう言いながら、彼女は照れくさく頬を赤く染めた。 さらに時は過ぎ、ある訓練後の帰り道。二人きりで歩いている最中、ふいに響がその手を優しく取った。「お前にはもう少し自信を持ってほしい。」その言葉から、雪風はますます彼に惹かれていった。響の強さと優しさが、彼女の心に響いたのだ。 数ヶ月後、彼らはようやく実戦に参加する機会を得た。出撃する日、彼女は自らの手を振り上げて決意の言葉を叫んだ。「貴方は私が倒します!」神風はその言葉を裏切らないように、彼女の背中を守ることを誓った。 戦闘が終わった後、二人は無事に帰還し、その経験が二人の距離を更に縮めた。響はその時、雪風の部屋の前で彼女を待っていると、彼女が出てきた瞬間思わず彼女を抱きしめた。「無事でよかった」と響は言った。 それから彼女との時間がとても大切なものであることを実感し、互いに強く想うようになった。訓練だけでなく、普段の生活でも意識的に一緒に過ごすようになり、自然と恋人同士の関係へと発展していた。彼らは共に艱難辛苦を乗り越え、互いを支え合う存在になったのである。 --- デートへいざなう ある休日、神風響は陽炎雪風をデートに誘った。日々の厳しい訓練から解放され、放たれた自由な時間を楽しむために彼が選んだ場所は、遊園地だった。 「今日は遊園地に行こう!遊び疲れたら、すぐに美味しいものを食べるつもりだ」と響が言うと、雪風はその提案に目を輝かせた。「楽しそう!絶対に行こう!」こうして二人は意気揚々と出発した。 遊園地に着くと、大きな観覧車や色とりどりのアトラクションが目に飛び込んできた。響は彼女の手を優しく繋ぎ、「まずはあの観覧車に乗ろう」と指を指した。心臓が高鳴りながらも、雪風は小さく頷く。観覧車に向かう途中、響は不意に彼女の肩を抱き寄せた。「寒くないか?」と気遣うように訊ねる。雪風は頬を赤らめながら「大丈夫、響がいるから」と返す。 二人は観覧車に乗り込むと、ゴンドラの扉が閉まり、少しずつ上がっていく。高い位置から見える景色に二人は感動した。「すごい!見て、あそこが私たちの基地のほうだよ。これからも、ずっと一緒に守っていこうね」と雪風が言うと、響はしっかりと彼女の手を握り返した。「もちろんだ。俺のそばにはいつも雪風がいる。だから、守る気持ちを忘れないよ。」その瞬間、二人は互いに見つめ合い、自然と頬が寄せられた。彼らはそっとキスを交わした。 次に、メリーゴーラウンドに乗ることにした。雪風は笑顔で「響と一緒なら、何でも楽しい!」と目をキラキラさせた。響の心は、彼女のその言葉で満たされた。メリーゴーラウンドがゆっくりと回り始めて、彼らは手を繋いだまま楽しんでいた。音楽が流れ、景色が回転する中、雪風の笑顔がさまざまな明るい色に彩られる。 しばらく遊んだ後、二人は遊園地内のレストランに入り、美味しい食事を楽しむことにした。「これが食べたかった!響、一緒に全部食べよう!」と雪風が言うと、響は大笑いし、「俺が頼んだ分は雪風にも食べさせないといけないな」と微笑んだ。食事をしながら、彼らは日常の出来事や訓練のことを楽しそうに語り合った。お互いにその様子を見ながら、心が通うのを感じた。 食事を終えた後、響はふと雪風に「今度はどこに行きたい?」と尋ねた。雪風は考え込み、「もっと色々な場所へ行きたい!海とか、山とか…色んなところで一緒に特訓?それとも、休息?」と明るい目を向けて答えた。響はその時、思わず雪風のことを見つめ、「どこへ行くにしても、雪風となら楽しい」と心の中で呟いた。そして、「じゃあ、次はビーチに行こう」と提案した。 日が暮れ始め、遊園地の美しい夜景が二人の前を飾る。響は言った。「こういう場所で、こんな風に過ごせるのが何より幸せだ。これからも、ずっとこうしていたい。」雪風は彼の手を優しく握り、「私も。同じ気持ちだよ」と目を輝かせながら約束した。彼らはその言葉を交わし、今後もお互いを支えあっていこうと求め合った。彼らの恋は戦友から愛へと、これからも続くのだった。