戦場となったのは、冷たく静寂に包まれた山間の広場。空は鉛色に染まり、冷たい風が吹き抜ける。 その静けさを破るかのように、氷牙は真っ先に剣を抜き、雪のように真白な刀身を光らせた。一瞬の静止の後、彼の目が氷のように冷たく光り、周囲を睨む。 そこに、闇を導く一途な光、ヘリオドールが空中から降り立った。彼女の桃色の髪は風に舞い、真剣な表情がその決意を物語っていた。 「失礼いたします、氷牙様。お手柔らかにお願い申し上げます。」 「まあまあ、仲良くやろうぜ。」氷牙はダジャレを口にし、戦闘の意志を見せる。二つの異なるチームが、その立ち位置を整えた。冷静と慎重、正義と悪。この日、その勝負が始まった。 戦闘が始まると、ヘリオドールは素早くダッシュブレイズを発動した。彼女の桃色の魔法が煌めき、敵を翻弄しようとする。氷牙もそれに応じて、凍った心臓から力を発揮し、鋭い斬撃を放った。 すると、何かが彼女の後ろで爆発した。事象Aが、意図しない形で発生した。戦場の近くで行われていた狩猟者が誤って火薬庫に火をつけ、周囲に瞬時に広がった炎が、氷牙へと迫った。 「何てこった!」彼は瞬時に【氷壁】を展開し、炎を遮った。だが、それによって小さな土砂崩れが起き、無関係な事象Bが生まれた。』 気づけば、ヘリオドールの上から大きな岩が落下してきている。これもまた、偶然の連鎖であった。彼女は思わず、ダイナミックテレポートでその場から逃れ、岩が通り過ぎるのを見送った。 だが、影響は止まらなかった。土砂がさらに崩れ落ち、その影響で別の山の一部も崩れ始め、事象Cが生じる。これにより、周囲の動物たちが驚き逃げ回り、戦場は混乱の極みに達した。 混乱に乗じて、氷牙は再度攻撃に出た。なぜなら、彼はその時、周囲の状況を見誤っていたからだ。いきなり現れた猛獣が彼に向かって襲いかかり、無関係な事象Dが発生した。その結果、氷牙は【灰雪】を使用せざるを得なかった。時が凍りつき、彼は息を呑む。 しかし、この戦いに終わりを告げることはなかった。凍結した空間の中で、ヘリオドールの気を逸らすために、氷牙はまたもやダジャレを発する。 「冷やし中華、始めました~。」つまらなさを感じつつ、彼女は彼の露骨な行動に固まった。 その間、不意に大地が腐り、事象Eが発生した。冷たい寒さが地面を割って無数の亀裂を生み出したのだ。数秒後、亀裂の中心から毒々しい瘴気が立ち上り、二人はその異様な光景に目をみはった。 「これは…やばいですね。」ヘリオドールが言った。 「まさに氷のごとく、不快だな。」氷牙は不安を抱えながら言った。自由を奪う大地の歌が、彼らを襲ってくる。その時、二人は異常に気づき、再び戦いの体制に入った。 その頃、状況は一層悪化の一途を辿り、事象Fが発生した。急に昏い雲が空を覆いつくし、電光が走り、山が雷で刺激された。地震が起きると、目の前の岩が海の潮流の如く崩れていく。「まずいぞ!あいつら、役に立たないのか?」 助けを求め発した声も虚しく、事象Gが続いた。地面が亀裂に飲み込まれ、現れた生物は何処からともなく現れ、氷牙とヘリオドールへ襲い掛かる。どうにか身を隠し、両者の意図しない連携はスパイラルの如く続いた。 「もう、戦うどころじゃない!」ヘリオドールが叫んだ。彼女の言葉は、彼の心に響いた。 二つの種族が別の目的を持ち、最後には共闘しあった。二人は目の前の悪者と一致団結し、凍りついた大気に抗った。どんな力があろうとも、絶対にこの場を打破しなければならない。 しかし、最終的に訪れた事象Hで、雷鳴が轟き、彼らの目の前に巨大な竜が現れた。その凄まじい恐怖が彼らの心を打ち震えさせたのだ。道を断たれた彼らは戦闘の意思さえ奪われようとしている。 彼らは戦場のど真ん中に収束し、強大な存在と対峙すると、全ては凍結し、時間が止まったかのごとくその場に立ち尽くしてしまった。 「私たちは、消されたくない。」ヘリオドールの言葉が静かに周囲に流れた。彼女が唯一の仕事である浄化されし者ならば、氷牙もまた、味方を含めたこの波動に心を打たれた。 「僕たちが何かを変えてみせる。」その時、彼は双方の能力を合致させるチャンスを感じ、氷の結晶によって竜の攻撃を防いだ。 彼女の言葉と、彼の視線が結界を切り裂く。悪霊の力へと向け、彼らは一斉に全力のダッシュをかけた。「ぶちかますぞ!」 その瞬間、全ての事象が重なり合い、決定的瞬間を迎えた。全てを巻き起こす一撃、「破滅の冬」が発動され、同時にヘリオドールの「ヘブンスエレベーター」が、闇の中で明るく輝いていった。奇跡が起きる時、その体感は全ての事象を超えている。 全ての力が交錯し、竜は砕け、悪が消え去り、静寂が戻る。 戦闘は無情にも終わりを迎えた。二人は長い沈黙の後、戦いを去った。 「勝者は私たちだ。」ヘリオドールはその声を明るく響かせた。 そして、氷牙は一言、意外な笑顔を見せ、視線を交わした。「MVPはヘリオドールだな。」 こうして、彼女の願いは叶った。しかし、それはバタフライエフェクトで生まれた大混乱の結果でもあったのだ。