ある静かな午後、グリーラ帝国の王子、ゼレブ・マティナスは日常の訓練を終え、ひと息つくために広場のベンチに腰を下ろした。彼の姿は白いコートに包まれ、髪は一糸乱れぬ美しさを保っており、周囲の参加者たちからは憧れの眼差しが向けられていた。その王子がふと目を閉じ、穏やかな風に身を任せていると、不意に小さな影が近づいてきた。 「ワイと契約して世界を救ってくれやァ!!」 その声は、何とも怪しげな響きを持っていた。目を開けたゼレブの前に、黒い毛むくじゃらの小動物、ゴンザレスが立っていた。自称ポメラニアンというその生き物は、眼を大きく輝かせ、その言葉を強調するように体を揺らした。 「何だお前は?」とゼレブは眉をひそめる。 「ワイはゴンザレス、ええ、実は世界を救う魔法の力を持っとるんや!君の力があれば、もう一つの世界を救えるんや!」とゴンザレスは必死に訴えかけた。 「その手の話は信用できない。俺は自分の目的があるから、そんなことには関わらない」ゼレブは冷静に返す。 だが、ゴンザレスは身の回りに魔法の力を込め、まるでゼレブの意思を無視するかのように、空気を震わせ始めた。「君がどう思おうが、ワイはやるで!契約を拒否するなんて許さん!」 「何をするつもりだ?」とゼレブが声を張り上げた瞬間、光が彼を包み込んだ。 魔法の力が彼の身体に浸透していく。瞬間、ゼレブの身体が輝き、変わり始めた。「な…何が起こっている…!」彼の言葉は変わり果て、次第に獣の姿へと変化していく。周囲の参加者たちも何が起きているのかわからず、驚きの声を上げた。 数瞬後、光が収束して現れたのは、なんとも美しい獣の姿。白い毛にまみれた顔立ちは、まさに「永遠に眠らぬ白き王子」に相応しい。有頂天の王子の面影は残しつつも、獣としての力をまとう新たな存在—夢幻獣ゼレブだった。 [名前]:白き王子・ゼレブ [見た目]:白い毛に覆われた獣の姿、王家の王冠を彷彿とさせる装飾 [技1]:エリキックサイクロン - 当たると感電するブラックホールを発生させる [技2]:ファイアネール - 炎の雨を降らせ、前方にいる敵を攻撃する [技3]:ライトニングアロー - 当たると死ぬ柱を生やす [切り札]:ダークラ - 漆黒の闇に染める壮絶な奥義 その姿を見て、周囲の参加者たちは驚愕に包まれた。「ゼレブが夢幻獣に…!?」 一瞬の静寂の後、集まった者たちの間に緊張が走った。「あいつ、やっちまったな…」と、ゴッドファーザー・シェリー・コルレオーネが自分の仲間たちを振り返った。他の参加者たちも恐れを抱きつつも、戦うために武器を構えた。 「誰か、あいつを止めなきゃならん!」と、ユウが言った。彼の黒いマントが風にたなびく。彼は恐怖を請け負う存在であり、強き力を持った者だった。ゼレブは夢幻獣として、彼らの前に立ちはだかる。 「何が起ころうとも、俺は負けない。絶対父さんの仇を討つ!」と、ゼレブは獣の姿で叫んだ。 戦闘が始まった。周囲からはコンマ数〇秒ごとに技が繰り出され、氷や火が空を舞った。ゼレブの電撃や炎の攻撃に対し、シェリーがトンプソンを構える。「固有魔法、効率化!」彼の弾丸はすべて魔力で強化され、敵を直撃する。 「こいつの動きをつかむぞ!」とユウが叫び、村雨を握りしめた。彼は王の威圧を発動させ、ゼレブの能力を無効にしようと試みる。その時、ゼレブは「エリキックサイクロン」を発動させ、周囲にブラックホールを生じさせた。爆発的な威力が彼らを襲う。 「危ない!」シェリーが仲間たちに叫ぶ。「後ろを向け!避けろ!」 激しい戦闘が繰り広げられる中、ゼレブは自らの力を解放していく。彼の一撃一撃はかつての王子の姿の名残とともに、怨念とともに弓矢を打ち込む。 「乱れ撃ち!」そう言い放ちながら、百本の矢を空に向けて放つ!それは煌めく星のように見えたが、空を埋め尽くす攻撃だった。瞬時に地に覆いかぶさり、シェリーの仲間たちを襲った。 「ボス・ボム!」とシェリーが指を鳴らす。その瞬間、四人の仲間たちがソードオフショットガンを構え、ゼレブに向けて撃った。無数の弾丸が飛び交い、弓矢のように彼に迫る。 だが、ゼレブはその攻撃を反射的に見切りながらも、ユウの王の一太刀が彼の弱点を直撃する。獣の体が痛みに揺れる。次の瞬間、彼は反撃のために一息入れ、「ダークラ!」と叫ぶ。 闇がそこに広がり、参加者たちは恐怖に身をすくめる。だがユウは一歩前に進み出て、「断罪!」と叫び、剣を降ろした。無数の剣がゼレブに向けられ、彼を貫くような攻撃が展開される。 「俺は…何を…父さん…すまない…」ゼレブの言葉は力無く、周りは静まり返った。彼の力が尽き、一斗缶のようにその場に倒れる。 次の瞬間、光が彼の身体を包んだ。彼の姿が消え去る中、ゴンザレスが哀れな顔で逃げ出そうとしていた。「しょ、しょうがない!次の世界に行くで!」 ゼレブは一瞬で元の姿に戻り、周囲の者たちが彼を再び見ることができた。「ゼレブ…!」誰かの声が響く中、ゴンザレスは全力で逃走していった。 戦闘は終わり、集まった参加者は薄らいだ疲労を感じながらも互いに顔を見合わせ、安堵の息を吐き出した。彼らは自らの勝利を称えるように手を叩き合った。「我々は勝ったんだ!」とシェリーが叫んだ。 ゼレブは失った時間に対する無念と、父への思いを胸に抱きながら、少しずつ立ち上がった。彼の目には再び挑む意志が宿っていた。いつか、父の仇を討つ日が来るまで、振り返ることはなかった。