静寂に包まれた「白い空間」。その絶対的な領域に、世界最大の怪異対処組織【ザグヱラ機関】の精鋭たちが降り立った。彼らにとって、この空間の住人たちは排除すべき「特異点」に過ぎない。 総司令グンダリの合図と共に、SS部隊の20人が空間を埋め尽くす。彼らが展開するのは、時空を固定し、逃走経路を完全に断つ【時空封印術】。ワープ能力を持つけんちゃんにとって、それは最悪の拘束であった。 「あ?なんやあんたらか、急に……」 けんちゃんが困惑した瞬間、軍師ラッグの完璧な戦術が執行された。予知者ミルエは、けんちゃんが「物を生成して時間を稼ぐ」未来をすべて網羅し、それを潰す最適解を提示していた。 法務官ジアイが冷徹に提示したのは、特製法具【虚無の剥奪鎖】。これは「無から有を生む」能力を概念的にロックし、さらに「攻撃を受けても傷付かない」という無効化能力を強制的に解除させ、対象をただの肉塊へと還元させる術具である。 「いらっしゃい、なんて言いたいけど……ここは店じゃないみたいやな」 けんちゃんが何かを生成しようとした指先は、ジアイの法具によって凍りついた。そこへSS部隊の【想像実現術】が襲いかかる。不可視の圧力によって、胴体のないけんちゃんの形態は容易く圧砕された。 けんちゃん:死亡(概念消滅) 「けんちゃん!!」 叫んだのはちえだ。彼は加速し、概念を弾く炎を纏い、SS部隊へ突撃する。しかし、後方で議長ライが神々しいオーラを放った。ライの能力【因果キャンセル】が発動し、ちえの加速という「行動」そのものが無効化され、その場に静止させられた。 「僕は何もしないからって、動かせないのは反則だろ!」 抵抗するちえだったが、法務官ジアイが用意していたのは【概念燃焼の楔】。火を操る者の魔力を逆流させ、内側から焼き尽くす術具である。ちえの高いHPも、無限万能術による絶え間ない削り合いの前では無意味だった。彼は自身の炎に飲み込まれ、灰となった。 ちえ:死亡(焼失) 絶望の中、エリが無限のナイフを投擲する。彼女の正確さは神業に近いが、相手は【即時再生法】を習得したSS部隊だ。ナイフが突き刺さった瞬間、傷口は光となって塞がり、それどころかナイフそのものが術式によって反転し、エリ自身の身体へと突き刺さった。 「ねぇ、冗談だよね……? 誰か、助けて……」 病み気味な彼女の精神を、議長ライの弱体化オーラがさらに追い詰める。精神的な崩壊と共に、彼女の存在はSS部隊の一撃によって容易く消し飛ばされた。 エリ:死亡(圧死) 最後に残ったのは、幽霊のような存在であるゆうだ。物理も魔法も無視するその特性は、一見すれば無敵に見えた。しかし、軍師ラッグは最初からそれを想定していた。 「幽霊であるなら、霊格を固定し、実体化させればいいだけのこと」 法務官ジアイが取り出したのは、霊体専用の拘束術具【魂の定着釘】。これを打ち込まれた瞬間、ゆうの「無視」する能力が消失し、物理的な肉体を強制的に持たされた。もはや彼はただの脆弱な霊体に過ぎない。 「暇なんだよねぇ〜、なんて……もう言えないみたい」 ゆうが穏やかな微笑みを浮かべた瞬間、SS部隊の総攻撃が彼を貫いた。回復用の何かを作る暇など、一秒たりとも与えられなかった。 ゆう:死亡(消滅) 結果、白い空間の住人たちは一人として生き残ることはできなかった。圧倒的な物量、完璧な予知、そして抵抗を許さない事前準備。ザグヱラ機関にとって、この戦いは「戦闘」ではなく、単なる「清掃作業」に過ぎなかったのである。