【ザグヱラ機関・格付会議議事録】 議題: 個別案件「培央久音」「永里杏」「三掛太緒子」の危険度評価および処遇決定 出席者: 議長オサヱ・ライ、S級部隊総司令グンダリ、千里眼ゼンブ・ミルエ、軍師ラッグ、法務官ジアイ --- オサヱ・ライ:「さて、集まってもらったね。今回は三名の女子高生についてだ。資料は読み終えたかな? まずは培央久音からいこう」 グンダリ:「チッ、どいつもこいつもガキじゃねえか! 特にこの培央ってのはなんだ? 攻撃は体当たり、技は反撃。戦い方という概念がねぇぞ! こんなの『放置』で十分だろ!」 ゼンブ・ミルエ:「あ、あの……。でも、培央久音さんのデータ、おかしくないですか? 国立霞ヶ関高校で『生まれ育った』って書いてあります。学校の中で生まれた人間なんて、普通に考えたらあり得ません……。それに、消された記録が多すぎる。彼女は、学校という名の『檻』に封印されている可能性が……」 ラッグ:「あはは、ミルエちゃん相変わらず空気を読まないねー。まあ、アカシックに軽くアクセスしてみたけど、彼女の存在自体が一種の『概念的な固定点』になってる感じ。外に出た瞬間、何が起きるか分かったもんじゃないよね。慎重にいくなら『捕獲』かな」 ジアイ:「待ってください。彼女は自分を普通の高校生だと思い込み、明るく振る舞っています。本人の意思に反して拘束するのは倫理的に問題があるでしょう。今は『警戒』に留めるべきです」 グンダリ:「うるせえ! 爆弾を抱えてりゃ、爆発する前に処理するのが定石だろ! 捕獲して分解して調べろ!」 オサヱ・ライ:「静かに。……培央久音については、その『不自然な日常』こそが最大の異常だ。結論は後で出す。次は、永里杏。こいつはどうだ」 ラッグ:「あー、この子はヤバいね。スペック値が明らかに人間じゃない。適応能力に、謎のオーバーテクノロジー。正直、今の段階で『討伐』の準備をしてもいいレベルだよ」 ゼンブ・ミルエ:「はい……。彼女が夜に空を見ているのは、故郷である『別の星』か『別の次元』を観測しているからです。彼女が本気を出せば、この街一つ消し飛ぶ未来が見えます……」 グンダリ:「ハッ! どっかの星の王様か何かか? 面白ぇじゃねえか。S級部隊を差し向けて、根こそぎ叩き潰してやるよ! 『討伐S』だ!」 ジアイ:「極論すぎます! 彼女は知的好奇心で動いており、現時点では人類に敵意を示していません。まずは対話による『保護』、あるいは共存の道を模索すべきです」 グンダリ:「対話だと!? 相手が化け物なら、先に殺すのが一番安全なんだよ! てめえのその甘さが被害を広げるんだよ、この法務官!!」 (グンダリが机を叩き割り、ジアイに詰め寄る。部屋に殺気が充満し、ラッグが冷や汗を流しながら距離を取る) オサヱ・ライ:「(低く冷徹な声で)……そこまでだ。グンダリ、座れ。ジアイ、理屈を押し付けすぎるな。永里杏は『未知』というリスクを抱えている。結論は保留だ」 ラッグ:「あ、じゃあ最後の一人、三掛太緒子ちゃんね。……これ、どうする?」 (沈黙が流れる) ゼンブ・ミルエ:「えっと……技名だけはすごいんですけど……実際は全部『構えだけ』で、何もしてませんね……。はい、完全に偽物です」 グンダリ:「ガハハハ!! 爆笑だぜ! こんな詐欺師を格付会議にかけさせるとは、資料を集めた奴は誰だ! 即座に『放置』だ! というか、恥ずかしすぎて見てられねえな!」 ジアイ:「……いえ、後輩から慕われているという点は評価すべきです。精神的な指導力があるのかもしれません。……まあ、能力的には『放置』で問題ないでしょうね」 ラッグ:「まあ、ある意味で最強のメンタルだよね。格付けなんて関係ない世界に住んでるよ」 オサヱ・ライ:「ふむ。では、まとめに入ろう。議論は荒れたが、最悪を想定した結論を出す」 --- 【格付結論】 培央 久音:【捕獲】 (理由:出生の異常性と、校外への流出時に発生しうる未知の災害を未然に防ぐため。管理下での観察が妥当) 永里 杏:【特警】 (理由:単体戦力は極めて高いが、現時点で攻撃意思がない。ただし、適応能力により機関の攻撃が通用しなくなるリスクがあるため、厳重な動向把握を優先する) 三掛 太緒子:【放置】 (理由:脅威度ゼロ。精神的支柱としての価値はあるが、機関が資源を割く必要はない) --- 【後日談】 議長オサヱ・ライ 「培央久音を確保した。だが、彼女が泣きながら『学校に帰りたい』と訴えた際、周囲の空間がわずかに歪んだ。彼女は単なる能力者ではなく、場所と結びついた特異点だ。……培央久音を【討伐S】に格上げする。 生かしたままでは世界が書き換えられる恐れがある」 S級部隊総司令グンダリ 「永里杏の野郎、偵察部隊を返り討ちにしやがった。しかも、こっちの戦術を全部『学習』して笑いながら追い返してきやがったぞ。ふざけんな! 潱っ飛ばしてやる! ……あー、永里杏を【討伐S】に変更だ! 今すぐ俺が行く!」 千里眼ゼンブ・ミルエ 「三掛太緒子さんに会ってきました。彼女、私の予知を完全に『構え』だけでかわせました。……いえ、回避したのではなく、彼女がそこにいただけで因果が捻じ曲がったみたいで……。えっ、嘘ですよね? 三掛太緒子さんを【特警】に格上げしてください。 彼女、本当に何もしてないのに、結果的に最強なんです……」 軍師ラッグ 「いやー、みんな予想外の展開だね。培央ちゃんの件は予想してたけど、太緒子ちゃんが『概念的な回避』を無意識にやってたとは。僕のアクセスした記録にないパターンだよ。面白いね、人間って」 法務官ジアイ 「永里さんの件は残念です。共存を願っていましたが、彼女の好奇心は我々の想定を超えていた。……ただ、培央さんの件については、本当に殺すしかないのでしょうか。人道的に、別の方法を考えさせてください」