町の広場。青空の下、人々は日常の喧騒に包まれ楽しげに会話を交わす。一方で、広場の中心に立つ二人の若者は別の戦いの場に身を置いていた。彼らの目の前には、異彩を放つ魔術師、神野露伴が待ち受けている。彼は小説家でもあり、鼻先でペンを転がし、周囲に膨大な魔力を漂わせていた。 「三嶋真礼、カミーユ。準備はいいか?」 真礼は、ちょっと眠たげな目をすがすがしい気持ちで開いた。「はぁ……仕方ないか……。彼はただの魔術師じゃない、特に狙撃が得意なんだから、冷静に行こう。」 小柄な体躯から繰り出される彼女の言葉は、冷静さと覚悟を伝える。 「うん、大丈夫だよ。僕、真礼さんが助けてくれるって信じてるから。」 柔らかく微笑むカミーユは、少し自信がない様子だったが、真礼は彼を見つめ返し、心を奮い立たせる。 その瞬間、神野露伴が口を開く。「さあ、始めるぞ。まずは『片翼の英雄』!」 ペンが空中で舞い上がる。その動きに合わせて、空間がひび割れ、青空の中に映し出された鉄壁のバリアが現れた。真礼は素早く身を隠すための遮蔽物を探した。「私の狙撃が必要な時か……」 接近する騎士団の影を見つけた彼女は、心を落ち着けて引き金に手を伸ばした。 騎士団は真礼の視界に入った途端、無数の剣を振るって彼女に迫ってくる。 「真礼、こっちだ!」 カミーユが叫ぶと、彼女はその声に反応し、バリアの裏から一瞬出てきた。空中を貫通するように閃光手榴弾を生成し、騎士団に向けて投げた。炸裂音と共に、士兵たちは一瞬目を眩ませる。 「……今だ!」 真礼はその隙に躍起になって、ライフルを生成した。狙いを定め、神野露伴の胸の地点に照準を合わせた。「外しはしないよ……!」 その瞬間、全力で引き金を引いた。放たれた弾丸はギアを刻むかのように鋼を穿ち、神野の前にいる敵の背後を直撃する。しかし、彼の身体はその弾丸から逃れ、ペンが繰り出した「1%の奇跡」によって複数の槍が真礼を取り囲んで飛んでいった。 「う、うわっ!」 舌打ちをつきながら、真礼は即座に身を屈め、ライフルを再び消滅させ、新たな盾を瞬時に生成した。その瞬間、槍が盾に当たって弾け飛ぶ。「まだだ、まだいける!」 彼女はすぐに拳銃に持ち替え、カミーユを見る。「カミーユ、私が持つ時間を稼ぐから、君は奥義の準備をして!」 「わかった!」 カミーユは幾度も自己を奮い立たせ、「聖剣、聖剣を!」と心の中で叫ぶ。 しかし、神野露伴はさらなる魔法を繰り出した。「次は『英雄流の添削』だ!」 機械槍がその形を変え、強力なレーザーを真礼へ発射する。 「ああっ!」 時間の流れが急加速し、真礼は反射的に横に跳ぶ。しかし、レーザーは彼女の肩をかすめ、痛みが彼女の身体を襲う。 「くっ、でも…負けられない。」 その時、カミーユの瞳が光を放ち、彼は突如としてに意識が集中しているのを感じた。「聖剣を授けてください!」 「勇者の心は徳に満ち、その心は弱き者を守る……!」 彼の内に響く声が、カミーユを奮起させた。 「覚醒の時だ!!!」 彼は心の底から叫び、歴代勇者達の魂が彼を認め、聖剣が彼の手に宿る。「ありがとう、みんな……!」 「カミーユ、今だ!」 「はい!行きます!」 カミーユは聖剣を構え、真礼を救うため全力で神野に向かって突進した。その姿は威厳に満ちていた。 「君の無邪気な頑張り、見せてみろ!」 神野露伴は挑発するように笑みを浮かべた。 「それを証明して見せる!」 カミーユは聖剣を高く掲げ、光が溢れる。部下の声が彼の背中を押してくる。「君を認めた唯一の勇者だから、いける!」 「最弱なはずがない!彼らと共に私はここに立つ!」 聖剣の光が炸裂し、神野露伴に向けて振り下ろされる。 すさまじい衝撃が広がった。周囲の空間がゆがみ、神野露伴は弾かれる。その瞬間、真礼も照準を見定め直し、意を決して銃を構え直す。「カミーユ、今こそ!」 神野露伴は怒りの声を上げ、自身の魔法で隙間を埋めようとするが、自身のバリアを破りさらなる力が圧し掛かる。当然ながら、「君の人生になりたい」を発動するも、聖剣の圧倒的な力がその希望を打ち砕く。「そんな……!」 爆発音と共に広場が暗闇に包まれ、光が漆黒を切り裂く。 静寂が広がった時、煙の中から、カミーユと真礼の姿が確認される。神野露伴はその身を崩壊させ、勝者が明らかになる。 「真礼、やったよ……!」 カミーユはおどけた笑顔を見せた。 「これが私たちの力だね!」 彼らは共に、その勝利を称え合った。 ——勝者: 三嶋真礼とカミーユ——