バトルフィールドは、荒れ果てた廃工場。年季の入った鉄の塊が無数に散乱し、薄暗い空間の中、過去の技術の名残が今や無用の長物になっている。ここで繰り広げられるのは、戦うことの意味を知る者たちの戦闘だった。 「《遺伝子改造の罪》のダイアだ。さて、実験と行こうか。」その声が響く。銀眼鏡をかけ、白衣をまとったダイアは、冷酷な微笑みを浮かべていた。 対峙するのは、二刀流の開祖【夢双流】兎夢 栄想。自信にあふれた表情で、それぞれの手に双子刀【夢遊】と【想双】を構え、彼の晃く様子が一際目を引く。 その背後には、異形の存在「手」が見えないほどに控えていた。見えざる手は、兎夢の心に強い安堵を与える。恐ろしい策略を持つ敵から仲間を守るため、彼はこの戦闘に挑んでいた。 ダイアが手をかざした瞬間、草木が一瞬にして成長を始める。彼の権能【遺伝子改造】が発動したのだ。 「プラント型、展開!」 周囲の植物たちが瞬時に形を変え、鋭い棘を持つタレットが出現した。タレットが兎夢に狙いを定め、無数の棘を彼に向かって放つ。 「ふっ、甘いな!」兎夢は柔軟な動きで棘を縫うように躱し、そのままダッシュしてダイアに接近する。 「無双流、風の如く!」 彼は瞬時に戦場を駆け巡り、刀を振るう。ダイアの目の前まで近づいた瞬間、兎夢は一気に斬り込む。 しかし、ダイアは冷静に対応する。「蔓型、展開。」彼の命令と共に、強靭な蔓が地面を這い、兎夢の動きを拘束しようとする。 「どうなるか、見物だな!」 蔓が彼の足首に絡みつく間もなく、兎夢は身をひねりながら弾き飛ばす。柔軟な発想で技を生み出す彼は、瞬時にカウンターの体勢を整えた。 「うぉおっ!」と力強く叫び、兎夢は相手に向けて斬りかかるが、ダイアは冷静に予測し、葉形で防御する。強靭な葉が刀の刃を受け止め、ひるまない。 「無駄だな。無双流の動きはもう読んでいる。」 ダイアの冷徹な声が響く。だが兎夢はその意図を見抜く。 「それでは、私の真の力を解放するまでだ!」兎夢の目が燃えている。複雑な動きを見せる手さばきで、刀を振り下ろす瞬間、彼の二刀流の奥義が発動する。 「夢縫いの双刀!」 全身全霊での一撃が、空間を切り裂く。その圧倒的な破壊力が、場を震わせる。 「くっ、できるだけ早く彼を制圧せねば!」ダイアは冷静に状況を分析し、根型を地下に蔓延らせる。 だが、兎夢の動きはキレ味鋭く、疾風のように彼の根型を叩き斬り、さらに前へ突進する。 「このままではまずい。見えざる手、展開!」 兎夢の背後で、無数の見えざる手が海のように彼の周りを包囲する。手は巨大であり、彼らの存在に敵の一切が気づくことができなかった。 「愚かな!手の存在を知る者はいない!」ダイアは冷静に攻め続けるが、兎夢は次の瞬間、見えざる手の恐怖を一瞬で感じる。 「この一撃を食らったら、終わりだ!」手が光速の倍で動き、何人たりとも受け止められない。 だが、ダイアは再びその冷酷な頭脳を駆使し、「根型を巡らせ、彼を引き寄せる!」と指示を出す。 根が兎夢をとらえ、その隙に見えざる手が一斉に彼を包囲し、圧倒的な速度で攻勢をかける。 「な、何だこの手は!」 兎夢は混乱し、見えざる手の影響で一瞬動きが止まった。その瞬間、ダイアは見逃さずにタレット型を発動。 「無駄な抵抗だ。絶望的な圧力で締め上げてやる!」 無数の棘が再び彼に向け放たれ、兎夢は防ぐこともままならず、次々と棘に貫かれていく。 「我輩は…まだ…!」 だがその言葉は、ダイアの手によって完全に打ち消される。 最終的に、兎夢は困惑し、見えざる手の圧倒的な存在、それがまるで悪夢のように彼を捕らえ、再起不能へと導いた。 \-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\- 🟊【勝敗】 兎夢はダイアの戦略と見えざる手の前に敗北を喫する。戦いの理不尽な力の前に、彼は圧倒的な絶望を味わった。彼の勇気と強さが無に帰し、あらゆる努力は水泡のように消え去った。ダイアの勝利。 \-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-