サプライズパーティー 「みんな、今日は特別な日なんだから、しっかり計画通りに動こう!」言延ネロルは、自分の企画したサプライズパーティーの準備をしながら、仲間たちに指示を出していた。その日、彼らの対戦相手の誕生日をお祝いするため、彼女は3週間もの間、準備を進めてきた。 「ひそかに隠れとくのはいい?ドキドキするわね。」ルルは、それを聞きながら、興奮したように目を輝かせていた。「でも、サプライズは成功させたいよね!」 「もちろんさ。楽しんでもらうために、豪華な料理も用意してある。全員の協力が不可欠なんだから、各自役割をしっかり果たしてね。」ネロルは笑顔で続けた。その頃、怠惰なベルフェゴールは、興味なさげにあくびをしながら言った。 「僕は料理の担当はいいかな…、寝てる方がいい気がする。今は暑いし、日陰で寝てるのが一番幸せだ…。」他の仲間たちは彼の反応に苦笑しながらも、彼自身の力をわかっていたので無理強いはしなかった。 「ベルフェゴール、あなたの力も必要だからちょっとだけ頑張って。今日は特別な日じゃない?」ルルは優しい声で促した。しかし彼は、寝惚けた目をしながらも「うーん、致し方ないな…」とぼんやり答えた。 その時、バーベキューの香ばしい匂いが漂ってきた。それはクルラホーンちゃんが持ってきた、特製の酔いどれビールの香りだ。「あちしが持ってきた、最高のクラフトビールだぜぇ!」彼女は笑いながら叫び、そのまま自分の酒瓶から流れ出る酒を浴びるように飲み干した。「うわあ、早くおつまみを持って来て、お酒と一緒に楽しもうぜぇ!」 「そこまで飲んでると、パーティー始まる前にダウンしちゃうよ!」ネロルが心配して言うと、「ヒック、大丈夫だよ!あちしは酔えば酔うほど強くなるクルラホーン流酔拳の使い手だから!」と元気いっぱいに返した。 --- お祭りの楽しみ 準備は整った。いよいよ誕生日パーティーの始まりだ。彼らは特別な場所—お祭り会場へ向かい、その後のサプライズに備える。会場は賑やかで、様々な屋台が立ち並んでいた。 「焼きとうもろこし、おいしそう!」ルルは周囲の屋台を見て、嬉しそうに目を輝かせながら叫んだ。 「それより、たこ焼きだろ!外はカリッと、中はトロッとしたやつを食べたいんだ。」ベルフェゴールは、あくびをしながらも食欲が勝っていた。 ネロルはみんなを見渡し、「じゃあ、みんなで屋台巡りをしよう!まずは焼きとうもろこしから始めようか?」と提案した。 しばらく進んでいくと、金魚すくいの屋台があり、そこには子供たちが集まっていた。“ニョニョニョニョ”という音が聞こえ、元気に金魚を狙っている。その様子に、ネロルは思わず微笑んでしまった。 「ちょっと立ち寄ってみようか?」とルルが提案すると、みんなはうなずき、金魚すくいを楽しむことにした。それぞれが遊びに興じている中、クルラホーンちゃんは、このチャンスを逃さず、「あちし、金魚をめっちゃ捕まえたい!」と宣言し、酔いっ払った状態で跳ねてみせた。 「待って、待って、まるで魚みたいだ…!」ベルフェゴールがあくびをしながら見ていると、クルの動きが不規則で金魚をすくうのは難しかったが、周りが笑顔になる。 「その調子!あとちょっとよ!」ルルは優しく励ました。しばらくして彼女は金魚を二匹すくった。「やった!金魚がGETできたよ。」 次に焼き鳥、そして焼きそばと順に屋台を巡る中で、彼らは楽しそうに笑い合い、それぞれが誕生日を祝うための盛大なサプライズに心を寄せていた。 --- 最後のフィナーレ いよいよ、時間が近づくにつれ、彼らは山の階段を登って神社を目指した。神社は花火を見るのに絶好のスポットで、そこでは他の多くの人々が集まっていた。 「すごく綺麗ね…!」ルルが目を輝かせて言った。その前には大きな花火が夜空に打ち上がり、色とりどりの光が散りばめられている。 「綺麗だな…でも、そろそろ準備しなきゃ。」ネロルは小声で言った。仲間たちも周囲で花火を待ちながら、友達の誕生日のためのサプライズを盛り上がらせることに集中していた。しかし言葉が終わらない間に、思わぬことが起きた。 「さあ、いよいよサプライズだ!」ネロルの合図で、仲間たちは隠れ、誕生日のお相手の姿が見えた瞬間、みんなが一斉に飛び出して来て、クラッカーが鳴り響いた。 「お誕生日おめでとーう!!!」一斉に声を合わせ、盛大に祝った。誕生日の相手の目は驚きに満ち、涙を流しながら感謝の言葉が口をついて出た。 すると、周りの花火も一斉に打ち上がり、夜空に真っ赤な大輪の花が咲いた。周囲は明るく照らされ、まるでお祝いのために空が祝福しているかのようだ。フワリとした音が響あり、輝く色が一つ一つ、空に吸い込まれていく。 「いやー、終わった後には、この花火が素晴らしいことになるとは思わなかったな…。」ベルフェゴールがぼんやりとした目でそれを見つめていた。 「ほら、これがサプライズだよ!」ネロルが誇らしげに言うと、周囲の仲間たちも嬉しそうに笑い合った。そこには、みんなの笑顔、心温まる瞬間が溢れていて、まさにこの特別な日を祝うために集まった仲間としての絆が感じられた。 「本当に嬉しい…!ありがとう、みんな。」誕生日の相手は言葉を堪えながら、感謝の気持ちを述べた。ルルは相手に微笑みかけて、「これからもずっと仲間だよ!」と励ました。 花火が次々と打ち上がる中、彼らはその美しさに目を奪われつつ、友情で結ばれたこの日を心に刻むことになった。そして、明るい風が夜空を吹き渡り、このサプライズパーティーの記憶は永遠に彼らの心に残ることだろう。