あたりは薄暗い霧に包まれ、どこからともなく響く不気味な足音。例の家の庭には、静寂を打ち破るかのように、ひときわ目立つ二人の影があった。彼らの前には、名を呼ばれた【不死人】が、冷酷な目でその者たちを見据えている。 【不死人】は、かつて愛する妻と共に住んでいたこの家を守るため、肉体を持たぬ者の如く立ち尽くす。一見すると、その存在感は圧倒的で、彼の特異な姿勢と金属的な装甲が、周囲の霧を引き立てている。彼の目は、戦う事への執念とともに、守るべきものへの強い意志で燃えていた。 その隣には、【不死人の勇者】と名乗る者が立つ。彼方からの光り輝く鎧が、微かに赤く輝いては消え、その手には自ら強化したという《クレイモア+15》を握っている。彼の傍には、草紋の盾を掲げた様子で、自信に満ちた瞳を持った彼は、不死者を圧倒し、彼の立場を崩すことを期待しているようだった。 「余は、不死者の矛となる。ここで、お前を切り倒す。」その声は冷たく響いた。 そしてもう一人、【夜に舞う桜】飛塚 華扇。彼女は動きが滑らかで、まるで舞うような姿勢で立っていた。手には呪怨鉄扇《桜魔》を持ち、もう一方の手には祝福鉄扇《夜月》。その容姿からは、与えられた力の絶大さを感じさせるような凛とした佇まいがあった。 「余がここより、桜の舞にてお前を切り裂く。」冷静な瞳が不死者の動きを注視している。 その時、静寂を破るように、【不死人の勇者】が一歩踏み出した。そこから両者の激闘が始まる。彼はクレイモアを振り上げ、圧倒的な力で不死者に向けて突進した。不死者は、彼の動きに驚異的な危機察知能力を駆使し、右へと身を投げ出して回避した。 クレイモアの刃が空を切り、土を抉る。彼の身体能力は、まるで人間を超えたもの。もう一度、華扇が急速に近づく。その手で音も無く扇を繰り出し、攻撃はまるで舞の如く美しく不死者へと繰り出された。それをも、彼の無敵の動作でかわし、反撃へと転じた。 不死者は、独自の跳弾を交えながら華扇に攻撃を仕掛ける。彼のマスターした武技の一つ、跳弾は、その場から弾けるように飛び込んで、狙い撃つ。だが華扇もまた、天弾きを使いその攻撃を受け流す。彼女の嵐のような動きは、視界を掻き乱し、なんとしても不死者を脅かそうとしている。 激闘は繰り広げられる。冷静に状況を見極める不死者は、時折ドロップショットのように地面に手をついて【脈動する心臓】を動かし、身体の能力を更に引き上げる。剣撃を交わしながらも、そのスピードは、まさに超人的なものだった。 【不死人の勇者】は、隙を見せた。クレイモアを放った後のけだるさもあいまって、その一瞬の隙を突かれる。華扇は、連撃【暴嵐】をもって、参加者たちに強力な攻撃をするも、不死者はそれを一瞬で読んで回避し、同時に彼女を狙い撃つ。 不死者は彼の技能である「パリィ」を使用し、回避してから攻撃する。強靭な金属が鳴り響き、隙を生み出し、彼女への一撃が炸裂する。華扇は驚くも、すぐに反撃を試みる。「夜天双打」と名を持つ技で、二本の扇を重ねた猛攻撃を誘発した。 傍らで、【不死人の勇者】も見絶えた攻撃を準備している。その瞬間、華扇が突如として持ち出した「桜乱の舞」の領域が展開される。あたり一面に桜の木が咲き乱れ、どこまでも舞う桜の花びらが彼らを取り囲んでいく。その協力によって、彼女の動きはさらに加速し、霊力をひたすら増幅させた。 「この舞が貴様を討つ!」と華扇が吼えた。 しかし、チャンスを見逃さない不死者は、鋼の冷静さを失う事はなく、彼の奥義である「真銀の弾丸」を放つ。 その瞬間、真銀の弾丸が華扇めがけて飛び、彼女の咆哮と共に瞬時に方向が変わる。どこまで圧倒的な攻撃力を誇るこの弾丸に、華扇の動きは止まり、はいいかしら、桜の舞と共に一瞬で消し去られた。 遂に戦局は不死者のものとなった。 不死者の圧倒的な技術と無尽蔵なスタミナが其方を制圧。ただし、素晴らしい連携技を披露した【不死人の勇者】をも称え評価すべきである。最終奥義「桜花」を放てたかもしれないが、間一髪で阻止され、華扇の舞が終わることはなかった。無情なまでに強大な技で閉じ込められた彼女。 その後、彼は周囲の霧の中に立ち、無表情に家の方を向く。この庭を、愛を守る姿勢を貫き通したのだ。 勝者:不死者