例の家の庭は、月明かりに照らされて静寂が支配する場所だ。だが、その静けさは今、破られようとしていた。家を守る者、不死者は冷静沈着な眼差しで庭を見据える。彼の周りには、愛する妻との思い出が詰まった場所が広がっている。しかし、侵入者が現れた。腐食の王ミネイラと幸龍オンネリネン・ロヒカールメ。彼らはそれぞれの特性を持った強力な戦士であり、この庭を狙ってきた。 ミネイラは微笑みながら、両手を広げアビリティを発動させる。薄暗い庭に、腐食の花が三本ずつ、彼と不死者の周囲に咲き乱れる。花の香りは不気味さをまとい、見る者に腐敗の恐怖を植え付ける。不死者は動じず、双銃を片手に構え、すぐに反応する。彼の危機察知能力が働き、ミネイラの狙いを一瞬で理解した。 「早くも戦闘が始まるか。」 ミネイラが優雅に身体を翻し、不死者に向かって近づいていく。彼の目には確信、そして欲望が見えた。この庭を腐敗させ、彼を支配することが目的なのだ。 一方、幸龍も攻撃体勢を整えていた。彼の周りには光が集まるように、幸運のオーラが漂っている。彼は特性が発動していることを感じ取る。「戦いは私のものだ。」そう言うように、自身の攻撃が必ず当たることを確信していた。 不死者はかがみ込み、跳弾を放つ。瞬時に二発の弾丸がミネイラの方へ飛び立つ。しかし、ミネイラはその場で身を屈め、弾丸を無駄にするように花を操作する。弾丸は腐食の花に当たり、そこから広がる腐敗が彼に迫る。だが不死者は動じなかった。彼には痛みがなく、攻撃をかわす術があるからだ。 幸龍が不死者に目を向ける。彼は龍の爪を抜き、無造作に振り下ろした。だが、不死者の身体は瞬時に反応し、回し蹴りでその攻撃をかわす。手際よく素早く、不死者は敵の攻撃を見破る力を持っていた。彼の冷静な判断力がこの瞬間に冴えている。 「劣化した者が私に挑戦するとは。」 腐食の王ミネイラは目を細める。彼は再び腐敗の力を使い、庭の土を汚し、周囲の空気さえも腐食させようとする。周囲に咲く花から腐敗の魔法が拡がっていく。彼はその力により、不死者の攻撃を受け流すが、そんなことは不死者には関係なかった。 不死者は冷静沈着で、再び跳弾を放つ。今度は幸龍を狙うと、弾丸は如実に彼に迫った。それを力強く弾き返す幸龍。だがそれでも不死者は何度も攻撃を続ける。冷静な頭脳と驚異的な反応速度が、彼の攻撃精度を高める。 再度幸龍が近づこうとするが、今度は不死者が突進し、直接的な接触を果たす。その際、彼の手は不死者の中にある「脈動する心臓」を呼び起こし、身体能力を無尽蔵に引き上げる。彼はその力で跳びながら、幸龍の脇を磔するように蹴りを入れる。だが、幸龍の特性が強力で、効力を持たず、ただ空間だけが薙ぎ払われた。 腐食の王ミネイラは不気味な笑みを浮かべ、庭を腐敗させ、さらに不死者を攻撃しようとする。腐敗の花から放たれる効果により、不死者の身体が影響を受けないように思えたが、徐々に彼の体力が蝕まれていく。 「意外と愚か。」ミネイラは嬉しげに笑う。彼が触れた場所は腐っていくのだ。だが、ミネイラは知っている。『不死者が痛みを感じない』という事実は、彼の追い詰められた心に混乱と不安をもたらす。 長い戦闘が続く中、蔓延る腐敗が不死者の持つ力を正面から試す。だが、そのたびに不死者の攻撃はなおも鋭さを増す。彼の体力さえも、駆動する心臓によって強化され続け、回し蹴りや跳弾で幸龍を撹乱していく。ついには、不死者は奥義となる「真銀の弾丸」をにぎりしめる。 この一瞬に、幸龍は不死者の目を見て、彼が決定的な一撃を狙っていることに気づく。だが、幸運の力がその攻撃を防いでくれるという確信から、幸龍は冷静をかき乱されさえする。 不死者は疲弊した相手を見逃さず、全力で飛び上がり、真銀の弾丸をこめかみに撃ち込む。 「終わった……」 幸龍の体ごと、庭に倒れこむ。腐敗の力によって立ち尽くしていたミネイラも同様に、目の前の光が消えれば、彼もまた無力化されていく。 勝敗の理由は、腐敗の力が及び、力を完全に活かせなかったことである。