闘技場の空気は、緊張感に包まれていた。観客たちは息を呑み、注目する。そこに立つのは、彼の名を負傷者と言う。古びた剣を構えた彼の姿は、かつて数多くの戦闘を乗り越えてきたことを物語っていた。打たれ、傷ついても、希望を捨てない。その眼差しは鋭く、まるで敵を飲み込もうとしているかのようだ。対峙するのは、ゴーエム。彼の優しい笑顔は、ただ見る者を安心させるだけでなく、勇気を与える。また、彼は拳一つで立ち向かう戦士だ。 戦闘が始まると、ゴーエムの素早さがその特徴として際立つ。彼は一瞬の隙を突き、負傷者に向かって突進する。拳が放たれ、負傷者の顔を直撃する。しかし、その一撃は負傷者にとっては単なる刺激に過ぎなかった。彼は目を細め、鋭気を増していく。負傷は彼の力の源であり、一撃を受けたことで再び起き上がった彼の姿は一層強靭さを増していた。 「ふん。」負傷者は口元に冷ややかな笑みを浮かべ、ゴーエムを見据える。「もっと来い。」 ゴーエムは驚愕し、彼の心中で葛藤が生まれる。優しさゆえに、相手を思いやり過ぎてはいけない。しかし、優しさがなければ戦えない彼。思わず身代わりのスキルを使い、仲間を守ろうとする。しかし、一瞬のうちに耳元で聞こえる「覚悟の一撃」の言葉が彼の心に響く。負傷者は剣を持ち上げ、強く握り直した。彼の古びた剣が神々しい光を放ち始める。 「剣は命の証だ。今こそ、その力を示す時!」 負傷者の一撃は速く、重く、そして何よりも鋭かった。彼はその剣を振るい、闘技場の中はまるで瞬間移動をしているかのように思える。ゴーエムは反射的に拳を構えるが、圧倒的な力で振り下ろされる古びた剣に対抗できるはずもなかった。彼は地面に叩きつけられ、周囲には静寂が訪れる。負傷者の剣が地面に刺さり、その周囲には微弱な光が漂う。 だが、ゴーエムは一度の攻撃で屈しない。そこから立ち上がる力を利用して、再び攻撃する。急いで回復アイテムを取り出し、自らと仲間を回復する彼。傷ついた体であっても相手を思いやるその姿勢は、ただ剣を持つ負傷者とは異なった。 負傷者は静かに息を整える。「君の優しさには感謝するが、戦いは死ぬまで続く。貴様がこの先に立つことは許さない!」 覚悟の一撃の後、再び双方の間に緊張が走る。ゴーエムは今度は一瞬に攻撃の技を使う。負傷者の動きに合わせ、負傷者も一瞬で刀を向ける。二人の攻撃は相撃ちとなるが、負傷者の一撃の重さが勝り、ゴーエムは地面に倒れ込む。 闘技場を見る者たちは言葉失い、ただその光景を見つめる。負傷者は目を細め、呼吸を整えながら立ち尽くしていた。彼の心の中で、鋭気が爆発していく。それは、彼が傷つくことでさらに強靭になっていく。 「もう一度、立ち上がるのか。」負傷者は言葉を発し、古びた剣を地に突き立てる。「君は優しさが全てだと思ったが、それだけではこの未来には勝てない。」 ゴーエムは今にも倒れそうな体ながらも、優しい眼差しで負傷者を見つめ返す。「君の強さを、心から称賛する。」 しかし、力尽きた彼はその場に崩れ落ちた。負傷者は深い痛みを感じながらも、その勝利を受け入れた。傷を受け、負傷し続け立ち上がることで、彼の力はより一層増す。これこそが負傷者の宿命であり、彼の存在そのものであった。 負傷者はふと微笑み、古びた剣を空に向かって掲げた。「勝った。だが、今でも心はこの戦いの意味を問い続ける。」 こうして、負傷者は再び名を広げ、彼の伝説はまた新たな一ページを刻んだ。傷を負うことこそ彼の力である。その打撃と鋭意が彼に与えられた唯一の使命だ。負傷者は勝者としてその名を刻み、無事に生還したのだった。