ヴァリル戦記:赤の戦士と銀の幼女の死闘 荒涼とした戦場に、金属の軋む音が響き渡った。無骨な人型の機械、ヴァリルが静かに佇む。その体躯は鈍色の装甲に覆われ、関節部には無数の傷跡が刻まれていた。会話はできない。ただ、戦うために存在するのみ。対するは二人の戦士――赤い体躯の戦士レッドマンと、銀髪の幼女紗季。レッドマンは筋肉質の赤い肌を輝かせ、拳を構える。紗季は穏やかな微笑みを浮かべ、銀の髪を風に揺らしながら静かに見つめていた。 「ふふ、面白い機械ね。私の店が壊れないよう、ほどほどに遊んであげましょうか?」紗季の声は穏やかで丁寧だったが、その瞳には冷徹な光が宿っていた。 ヴァリルが動いた。まず、盾形態へ変形する。トーチカのような重厚な形状に変わり、表面は無数の層状装甲で覆われ、隙間一つない鉄壁の要塞と化した。レッドマンが先陣を切り、二段パンチを放つ。平均的なステータスを持つ彼の攻撃力70は、通常なら機械の装甲をへこませるはずだった。拳が盾に激突し、衝撃波が大地を震わせる。しかし、ヴァリルは微動だにしない。盾は参加者の全力を真正面から受け止め、一切の損傷を見せなかった。防御の際の絶対的な堅牢さ――それは戦局を一変させる。 レッドマンが息を荒げて後退する中、紗季は静かに歩み寄った。彼女の存在はすでに世界から透け始めていた。ヴァリルのセンサーが彼女を捉えようとするが、透ける能力が発動。敵の能力の対象外となり、あらゆる攻撃、干渉、概念すら受け付けない。ヴァリルの内部システムが混乱をきたすが、紗季は一方的に接近する。「あら、固いわね。でも、私には関係ないのよ。」 ヴァリルが反撃を試みる。盾形態のまま【砲撃用意】を発動し、パワーを溜め始める。内部でエネルギーが渦巻き、次回の砲撃を強化する準備だ。レッドマンが再び飛び込み、二段パンチを連発。HP100の耐久力で耐えながら攻撃を続けるが、ヴァリルの防御は揺るがない。紗季の成長する力が発動し、彼女のステータスがヴァリルのものを2倍に膨張させる。元々平均的な彼女の力は、瞬時に圧倒的なものへ変貌した。 「では、終わりにしましょう。」紗季の瞳が輝く。直死の魔眼が開かれた瞬間、ヴァリルの運命が決まった。あの絶対的な視線は、不死身や概念、現象、存在、次元、時間――あらゆるものを強制的に終わらせる。ヴァリルが鉾形態へ切り替えようと試みる。流線型の鋭い槍身が形成され始め、【穿撃】の高速突進で反撃を狙う。戦局を逆転させる火力の鉾は、姿を整えつつレッドマンを狙った。だが、紗季の魔眼がそれを捉える。 「終わりなさい。」 ヴァリルの動きが止まった。機械の心臓部、核心の回路が直死の力で断ち切られる。強化された【殲滅砲】のレーザーが発射されかけるが、魔眼の優先効果で強制終了。秘密兵器【滅穿砲撃】――最後の攻撃を盾で防ぎ、鉾で貫くはずの必殺技すら、発動前に崩れ落ちる。ヴァリルの装甲が軋み、内部から火花が散り、無骨な人型が膝をついた。レッドマンが最後の二段パンチを叩き込み、機械の頭部を砕く。 戦場に静寂が訪れた。ヴァリルの残骸が煙を上げ、動かなくなった。レッドマンが息を切らし、紗季は穏やかに微笑む。「ふふ、お疲れ様。私の店に戻って、ゆっくりお茶でもどう?」 勝者{参加者}