高速道路の一角、周囲には無数の車が走っている。運転手たちは煩わしい渋滞に苛立ちながらも注意深くすれ違う。一方で、道路の中央には、泥酔おじさんが大の字になって横たわり、まるで通行の邪魔をしているかのように見える。 「おい、そこの酔っ払い!起きろ!」研が叫んだ。彼はずっと前からその場を通りかかろうとしていたが、この障害物が許されるわけがない。彼は正義のヒーローを自称し、街の自衛のために立ち上がったのだ。しかし、泥酔おじさんはまるでその声を聞こえていないかのように、目を閉じている。 青が近づき、手に持った鎌をゆっくりと振り上げ、泥酔おじさんに向かって言った。「なぁ、お前、こんなところで寝ている場合じゃないだろ。車が来てるぞ。」青は冷静な声で言い放ち、周囲の状況を把握していた。 逆に、街の自警団はその様子を遠目から見ていたが、近づくことすらためらっていた。彼らは普段は一般市民を守るために戦っているが、泥酔おじさんに対してどのように対処すればいいのか分からなかった。自衛のためだけに行動している彼らは、その場の判断を誤るわけにはいかない。 「もうダメだ、轢かれるぞ!」研は焦って叫んだ。車が次々と走り去る中、おじさんは無反応のままだ。研は思わず、パンタロンのポケットからアルファガンを取り出し、周囲の車を指し示した。「おい、あれを見ろ!ぶつかるぞ!」 「何言ってんだ、このウスボケ!」青は鋭く返した。「おじさんを助けるより、周囲の状況をなんとかしなくちゃ!」そう言うと、青は空中に飛び上がり、軽やかに周囲を見渡した。おじさんの周りには車が集まってきている。 研は潔癖な正義感に火がついた。「じゃあ、俺があのおじさんを助ける。お前は空から仲間を呼んでくれ!」彼は周囲の車たちに向けて、全速力で突進する。車両が多少の疾走感を持つ中、彼の動きはまるで弾丸のよう。 「待て、青が助けるなんて無理だろう。俺が助ける!」研は一瞬の判断で泥酔おじさんに向かって飛び込んだ。時を同じくして、青も空で飛び上がっていたが、上空からは視点が異なり、無数の車がその中に光り輝いて通り過ぎているのを見ていた。彼の視界には、間一髪の車の列が見えていた。 その瞬間、研は泥酔おじさんを掴んで横に引きずったが、次の瞬間、後方から猛スピードで来た一台の車に気づかなかった。それはまるで研を無視するかのように、彼のすぐ背後を掠め通り過ぎた。「うわ!」研は声を上げ、横に転がることで衝突を回避したが、泥酔おじさんは運の悪さで車に接触し、軽くひっくり返るようにしてしまった。 「大丈夫か?」青が急いで降りてきて、おじさんのことを確認する。「いや、まったく起きない?ジャッジするに足りない。」そこには、あの酒臭くて重たい泥酔おじさんが、依然として酔いつぶれているだけだった。 一方、街の自警団も状況を見極めるために少しずつ近づき始めていた。「このままでは危険だ、自警団でもおじさんを守らなければ!」一人の団員が叫んだ。彼らは一斉に道路を走り、車の流れを笹の葉のように分けながら泥酔おじさんを取り囲む。今や、街の住民でもある自警団は、目の前の状況を自分たちの手でなんとかしようと動いていた。 「俺たちが必ずこの街を守る!」自警団の人数が百人近く連携して、彼らは泥酔おじさんを守ろうと必死になった。しかし、その度に彼らの動きによって車が通るたびに摩擦が発生し、次々と事故が起ころうとしていた。 そして、最終的に泥酔おじさんは無傷であったが、彼のくだらない行動によって街の自警団の優れた連携が軽くマヒしてしまい、後れをとってしまった。 勝敗の決め手は、研の判断力と、自警団の勇気ある行動だった。泥酔おじさんは未だ目を覚まさないが、周囲の様子は明らかに変わってしまった。車の流れが続く中、命を守った彼らのような行動は評価されたのだ。