真っ青な空から白い雲が流れ、無機質な大地が続く。『小さな国』の廃墟は静寂に包まれている。ヘタレスライムは空を見上げ、どこかに逃げられないかと足をもじもじさせていた。だが、彼に待ち受ける不気味な陰影、蛮愚なるフンギャロがそこにいた。 「ククク…また一人、孤独な旅人がやってきた」と、フンギャロは小さな目を細めて嗤う。「お前、何の用だ!?」 ヘタレスライムは物陰から飛び出し、手にした紙切れを掲げた。「これを…許して、元に戻して」 彼は不安そうに言う。それは、間違いなく彼が探していたものであった。しかし、フンギャロの目は吊り上がった。 「俺の物だ!返せ!」 彼は怒鳴りながら、鋭い突進をかけてきた。「うわあああ!」 逃げるヘタレスライム、彼の心の底は恐怖に満ちていたが、運命が彼に回避の力を携えていることを知っていた。 「お前のそのよく回避する体、俺にゃ効かねえだろ!」 彼は叫び、さらに挑んでくる。だが、ヘタレスライムは俊敏に身を翻し、攻撃を受け流す。どうにか紙切れを手にしたまま、長い影の中に滑り込む。 「何度でも来い!」フンギャロが叫ぶ。だがヘタレスライムは、スピードのこもった躍動にその影響を受けることなく、さらなる逃走を図る。 「返して…俺の物!」フンギャロは絶叫し、目の前の光景に焦れ果てながらするする追ってきた。 お互いの攻撃が交錯する中、フンギャロは床に散らばった瓦礫に足を滑らせ、衝撃で一瞬動きを止める。ヘタレスライムに一瞬のチャンスが生まれた。 「逃げるのが、俺の技だ!」ヘタレスライムは紙切れを懐にし、最善のスキルを発動させる。その瞬間、フンギャロは異常な興奮状態に追い込まれた。 「くそっ、何もかも返せ!」 しかしその発言は、彼の意志に反して興奮を増幅させ、力は次第に削がれていく。 ヘタレスライムは最後の瞬間を見逃さなかった。「見てろ、俺が颯爽と行くぜ!」と、飛び出してそのまま彼の頭から突き抜ける。 「返して…奪わないで…」倒れたフンギャロは赤く目を腫らし泣きながら呟く。やがて力尽き、彼は静かに息絶えた。 ヘタレスライムはしばし息を整え、彼から白い紙切れを引ったくった。そして、一人ぼっちの荒廃した遺跡に向かって雄叫びをあげた。「自由だ!俺は自由だ!」 【勝者: ヘタレスライム】 勝利の理由: ヘタレスライムはその超絶ヘタレにより、フンギャロの攻撃を高確率で回避し、興奮状態のスキルを巧みに利用することで勝利を収めた。