混沌の転送者たち 朝の光が薄汚れたカーテンを透かして部屋に差し込むはずだった。だが、目覚めた瞬間、俺たちはそこにいなかった。ベッドの感触が消え、代わりに足元に広がるのは、崩壊した大都市の瓦礫の海。東京かニューヨークか、それともどこかの架空のメトロポリスか。空は鉛色に染まり、遠くで雷鳴のような咆哮が響く。俺、センチュリオン・ピード――いや、半生物自動兵器の化身として目覚めた俺は、金属の百本足を蠢かせながら周囲を見回した。隣には、柔らかな光を纏った女が立っていた。アマテラス和気御霊。彼女の瞳には、神々しいまでの静けさが宿っていたが、この地獄絵図に似つかわしくない。 「ここは……夢か？」彼女の声は穏やかだったが、俺の超磁気触覚が空間の歪みを捉える。未来の断片――巨大な影が迫る予知。否、これは現実だ。俺たちは転送された。不幸な朝の犠牲者。元々の住人たちはすでに狂気の宴に飲み込まれている。ゴジラの背びれがビルの残骸を薙ぎ払い、メカゴジラの機械の咆哮が空気を震わせる。ジョーズの巨大な顎がアスファルトを噛み砕き、シャークネードの竜巻が鮫の群れを渦巻かせてビルを削る。キングコングの巨拳が地面を叩き、ゼノモーフの大群が這い回り、プレデターの狩猟者たちがプラズマキャノンを乱射する。アバターの青い巨体が飛び回り、大泉洋がパニックで叫び、アメフトの選手たちがタックルで応戦する中、アンドリューW.K.がヘッドバンギングしながら音楽を流し、ダークライが影を操ってすべてを闇に沈めようとする。壊滅状態の大都市は、怪獣とエイリアンと人間と神話の残骸が交錯する終末の闘技場だ。 ルールはシンプルで残酷。俺たち二人か、元々の勢力の一つが最後まで生き残れば勝者。決して全員がやられっぱなしじゃない。だが、この混沌で生き延びるのは不可能に近い。俺の百足が亀裂の入った空に突き刺さり、歪んだ足場を這い上がる。防御力15の外郭が、飛び交う破片を分散させる。攻撃力31のコアが唸りを上げ、電動弾を準備する。「動くな、アマテラス。俺が道を開く。」 彼女は微笑んだ。「道などないわ。ここは生と死の狭間よ。」魔力40のオーラが膨張し、分身が五体現れる。それぞれが彼女と同じ力を持ち、本体となり得る。ゴジラの熱線が俺たちを狙うが、アマテラスはそれを吸収。彼女の体が輝き、熱線を跳ね返すように放つ。ゴジラの咆哮が途切れ、よろめく。彼女のスキル――相手の攻撃を無効化し、己のものとする。進化が始まる。彼女の防御力が微かに上がる。 だが、混沌は止まらない。シャークネードの鮫が俺に襲いかかる。素早さ27の俺は、烈空間を発動。空の裂け目に鮫を吸い込み、無力化。金属咆哮を放てば、敵の鼓膜を潰す音波が広がり、地中から大百足の群れが湧き出る。子分たちがプレデターの大群に食らいつき、顎肢で急所を刺す極死牢の猛攻。プレデターの一体が倒れ、緑の血を撒き散らす。だが、ゼノモーフの酸性尾が俺の外郭を溶かす。痛みはないが、分散しきれないダメージがコアに響く。 大泉洋が叫ぶ。「何だこれ！ 映画のセットかよ！」彼は瓦礫を投げてジョーズに抵抗するが、無駄だ。アメフトの選手たちがキングコングにタックル。皆が知っているかのように連携し、コングの足を狙う。アンドリューW.K.はマイクを握り、「パーティーだぜ！」と叫びながら爆音を流す。音波がダークライの影を乱し、暗黒ポケモンが怯む。だが、メカゴジラのミサイルがアバターの大群を吹き飛ばし、爆炎が街をさらに焼き尽くす。 アマテラスが動く。分身の一体がゼノモーフに近づき、必中の即死を放つ。ステータスを無視した死の宣告。エイリアンが崩れ落ち、群れが混乱。彼女の能力は無効化されない。蘇りの炎が分身を包むが、本体は無傷。俺は寄生毒霧を噴出。毒がアバターに染み込み、青い巨体を腐食。能力を封じ、猛毒状態に陥れる。彼らは苦しみながらキングコングに突進するが、コングの拳で粉砕される。 空が裂ける。俺の超磁気触覚が予知する――ゴジラとメカゴジラの激突。熱線とレーザーが交錯し、街の中心が蒸発。俺たちは歪んだ足場で上空を這い、爆風を避ける。だが、シャークネードが迫る。竜巻鮫の群れが俺の百足を絡め取ろうとする。電動弾を連射。高圧電気が鮫を焼き、竜巻が弱まる。子分の大百足がジョーズに群がり、極死牢で顎を刺す。巨大鮫の血が海のように溢れる。 アマテラスは進化を続ける。プレデターのプラズマを吸収し、自身の魔力で強化。分身が五体すべて動き、ダークライの影を切り裂く。即死の波がポケモンを襲うが、ダークライは闇のバリアで耐える。反撃の悪夢波がアマテラスの分身を飲み込む。一体が消えるが、炎で蘇る。「生と死を司る私に、死は無意味。」彼女の声が響く。 俺の防御が限界に近づく。キングコングの咆哮が地響きを起こし、巨拳が俺を狙う。烈空間で拳を吸い込むが、空間の歪みが俺のコアを揺らす。金属咆哮でコングの耳を潰し、大百足を召喚。子分たちがコングの脚に絡みつき、寄生毒霧で弱体化。コングが吼え、選手たちを薙ぎ払う。アメフトの皆さんはタックルで応戦し、一時的にコングを押し返す。大泉洋はアンドリューW.K.と合流し、「これ、祭りかよ！」と笑いながら逃げる。 混沌の頂点。ゴジラがメカゴジラを熱線で貫き、機械怪獣が爆散。破片がシャークネードに飲み込まれ、鮫の竜巻がジョーズを巻き上げる。ゼノモーフとプレデターの内輪揉めが激化し、アバターの残党がダークライの闇に沈む。アンドリューW.K.の音楽がBGMのように流れ、狂気のシンフォニー。 俺とアマテラスは連携する。俺の素早さが彼女の低さを補う。電動弾で道を開き、彼女が即死で敵を削る。だが、ダークライの最終奥義――闇の黒球がすべてを覆う。俺の烈空間がそれを吸い込むが、負担が大きい。アマテラスは黒球を吸収し、自身の力に変換。進化した彼女の魔力が爆発し、ダークライを即死させる。ポケモンが霧散する。 残るはゴジラとキングコングの二頭。街は瓦礫の山。俺の百足が疲弊し、防御力が落ちる。アマテラスは分身を全開にし、コングの攻撃を吸収。ゴジラの熱線を彼女が受け止め、跳ね返す。俺は極死牢でコングに猛攻。子分たちが巨猿を包囲し、顎肢が喉を刺す。コングが倒れ、地面が揺れる。 最後にゴジラ。俺の超磁気触覚が熱線の軌道を予知。烈空間で吸い込み、アマテラスが即死を放つ。だが、ゴジラの再生力がそれを防ぐ。反撃の尾撃が俺を直撃。コアが軋む。攻撃力31の俺は、電動弾のフルバースト。寄生毒霧でゴジラを弱体化。アマテラスがトドメの進化攻撃――吸収した熱線を上回る炎の嵐。 ゴジラが崩れ落ちる。街に静寂が訪れる。いや、静寂ではない。残された者たちの息遣い。大泉洋の笑い声、アメフトの歓声、アンドリューW.K.のギター。だが、ルールは生き残り一つ。俺とアマテラスは互いを見る。彼女の分身が俺を囲む。「勝者は……私たち？」 いや、違う。混沌は終わらない。遠くで新たな咆哮。俺たちの戦いは、始まったばかりだ。この世の終わりは、永遠の宴。 （約1800字）