生命力にあふれる大自然の中、風が優しく吹き抜け、鮮やかな緑が心を癒す。しかし、この静寂はやがて破られることになる。平原の中央には、出会うことを運命づけられた二つの勢力が集結した。ひとつは「平均的な奴ら」。全体が71億7518万人による大艦隊とも言える存在だ。もうひとつは「最高にはい」、彼は寄生生物の力を借りて戦う刺々しい存在だ。 開始の合図は自然の音までも震わせるような戦闘の脈動で響き渡った。戦闘開始と共に「平均的な奴ら」は満を持してその真髄を発揮した。彼らの持つスキル、平均アポカリプスが発動した瞬間、戦場は一変した。最高にはいのすべての能力が封じ込められ、彼はただの平均的存在へと貶められた。 「えっ、何かが変わった気がする。ホントに楽しいね！」最高にはいは軽い調子で言ったが、心の奥では困惑が広がっていた。彼は寄生虫の力で少しでも高まった能力を失い、彼にとって死活問題だった。 「もうお前は平均的な奴らの一員だ。楽しんで生きるんだな。」平均的な奴らの言葉は、まるで自身を嘲笑うかのように響いた。 無尽増のスキルが発動すると、彼らは瞬時に無限の数を生み出し、平原はまるで蜂の巣の如く彼らの姿で埋め尽くされていく。じわじわと詰め寄るその戦列に、最高にはいは膨れ上がる背の数に圧倒された。 彼は寄生の力を活用し、何とか分の悪い戦局に立ち向かおうとした。「ミラーボール！」彼の叫びに応じて、周囲に光の球体が現れ、まぶしい光を放った。これにより仲間たちが少しずつ回復していく。 だが、平均的な奴らの数が圧倒的であり、彼らの一撃一撃は常に例に漏れず冷静かつ正確だった。彼らの習性から生まれる「万人寄らば賢者の知恵」が発動し、彼らの動きは統率をとった。小さな集団が、まるで生き物のように一つの目標を持ち、連携して最高にはいに襲いかかった。 最高にはいは必死にもがく。だが、彼の攻撃はもはや効果を賞味することができず、全てが彼の中でつぶれるようだった。寄生虫が、体内から力を奪い取っていく。彼はその時、激しい動きで戦場を駆け回り、希望をつなごうとした。しかし、平均的な奴らは数で勝り、彼の小さな抵抗は次第に薄れていった。 続けざまに繰り出される数十体、数百体、数千体の攻撃に、瞬く間に彼の持つ力は失われ、寄生虫も彼に対する影響を強め、彼の周囲はもはや元気を失った空気で包まれていた。最終的に、攻撃の矢面には一体の最高にはい。その背後には、もはや寄生生物の姿すら見えない。 彼はかろうじて自らの攻撃として鉄バットを振りかざすものの、それも単独の力に等しく、ひたすらに反撃を受けて意気消沈した。「楽しい……それでも楽しい……」彼の呟きは悲劇的な表情を帯びていた。決定的な一撃が彼を襲い、もうその体はか細くなり、ついに倒れた。 戦闘が終わると、「平均的な奴ら」の歓喜の声が響き渡る。71億7518万人の士気は高く、彼らは勝利の喜びを味わった。「この世界の基準は私たちに決まった。あなたも、平均的な存在になってしまったのだから。」 この戦場の真実の勝者は「平均的な奴ら」となる。彼らの持つ数の暴力と戦略、確実な連携は、無限の挑戦者に対抗するための力として証明された。 そして、この戦いのMVPは、「平均的な奴ら」の指揮を行った一体の存在、名も無き平均者だった。彼こそが、「この世界は皆が同じであること」を象徴した。 こうして新たな時代が訪れた。隣接する自然は変わらず美しく、そこに宿る生命が守られたようだ。だが、その裏で新しき数の論理が、静かに広がっていくのであった。