測定室の中央に、黒い箱形の機械――バチボコくんが据えられていた。どんな攻撃にも壊れず、厳格な基準で火力を測るという。隣に立つ霧島マダツは、白いスーツの帯刀姿で、いつもの笑みを浮かべた。 「こんな刀じゃ大体切れんよ。……まあ、測定なら話は別か」 試験開始の合図が鳴る。マダツは介錯丸を抜き、まずは機械へ軽く振り下ろした。刃のない刀は鈍器として十分な硬さを備えるが、振るう力は並の剣士以下。バチボコくんは微動だにせず、表示板にもごく小さな反応しか出ない。 「やっぱり、普通に殴るだけじゃ大したことないね」 次にマダツは、超常抜刀を試みた。だが、バチボコくんは壊れない機械であり、測定装置として攻撃を受け止める存在だ。斬れない対象を斬る能力があるとしても、設定上それだけで大規模な破壊力が生まれるわけではない。斬撃は機械を破壊せず、測定対象に与えた純粋な攻撃の威力も、強烈な現象や広範囲の破壊には及ばなかった。 喰らい斬りも、開拓鍔迫りも試される。前者は斬撃の形で攻撃を仕掛け、後者は防げない脅威に抗う力を示す。しかし、能力の特殊な効果や「超常を斬る」という性質は、火力そのものとして加算しない。マダツ自身の剣技と身体能力は平凡以下であり、作中で確認できる攻撃には、隕石級や核爆発級といった破壊規模の根拠もない。 測定終了。バチボコくんの表示は、鈍器としての刀とマダツの非凡とは言えない身体能力による攻撃を厳しく評価した値で止まった。機械は無傷のまま、淡々と結果を記録する。 【最終測定結果】 火力ポイント:37P 火力ランク:F