スタジアムの混沌 晴れ渡る青空の下、豪華なスタジアムが騒がしい観客の声で満ちていた。今日は特別なバトル大会。チームAとチームB、二つのチームがそれぞれのキャラクターたちを率いて、勝敗を競う姿が繰り広げられる。だが、誰もが知っているように、ここでの戦いは単なる戦闘ではなく、キャラクターたちの予想外の行動による小競り合いが主役となるのだった。 試合開始のホイッスルが鳴り響くと、まず最初に動き出したのはチームAの【逆立ちステップ】ドリアン鈴木だった。彼はその名の通り、逆立ちをしながらスタジアム内を疾走し、周囲に彼特有の強烈な足の匂いを撒き散らした。周りの観客たちは顔をしかめる。 「何だ、あの匂いは!?」 「もはや武器だろ、あれは!」 観客たちの囁きはすぐに審判の耳にも届く。審判は苦々しい笑顔を浮かべながら、ドリアンの背後で胃薬を手に取った。 「胃が痛くなるわ…おかしいだろ、これ」と思いつつも、審判は己の仕事に集中しようと試みる。しかしドリアンは全く止まる気配がなかった。 続いて、加速主義者が登場した。彼はその名の通り、加速に特化したキャラクターで、何か特定の攻撃ができるわけではなかったが、なぜか加速を止めることができず、スタジアムをぐるぐる回り続けていた。 「何をしてるんだ、あいつ!」 「ただ回ってるだけだ!」 観客たちは唖然としながら、その光景を見守るしかなかった。審判はドリアンと加速主義者のコンビに対し、耐えきれずに大声を上げた。 「はよ試合しろやあぁぁぁ!!!」 その瞬間、ドリアンは逆立ちしながらも、加速主義者の回転に巻き込まれ、思い切り吹き飛ばされてしまった。観客からは拍手喝采が巻き起こり、審判は一瞬驚愕して胃薬を口に含む。 その様子を目撃した陰キャの人「フライ」は、全くと言っていいほど誰にも認識されず、スタジアムの隅でじっとしていた。しかし、なぜか痛みを感じ、「痛い…なんでこんな事するの」と一人ごちる。その声すらも誰の耳にも届くことはなかった。 反対側ではチームBの【沈没船長】アクアビターが寡黙なまま、無慈悲に目を光らせていた。彼は対戦相手を見据えつつ、遠くから自らの船を操り、間近にいるタコヤキマンへ狙いを定める。 「沈没するのはお前だ」とアクアビターの口から発せられた一言が、周囲の注目を集める。タコヤキマンはその言葉を聞いても尚、「たこ焼き食べたいな!」と全く関係ないことを呟く。 「これから戦おうとしてるんですよ、まったく…」と観客からは呆れ顔がこぼれる。 やがて、アクアビターが客席を見また何かを操作し始める。彼が使った技は「舟身一体」。それによって、大砲が発射され、タコヤキマンに向けて飛び出していった。 「たこ焼き熱々ボンバーッ!」とタコヤキマンは叫び、自らの得意技を発動させようとするが、全く近寄らずにその場で叫び続ける。 「なぜ近づかない!?」 「ヒーローだろ? 何もしてない!」 辺りの声が高まる中、突然、数体のタコヤキミニチュアがアクアビターのところまで転がっていった。アクアビターは硬い表情で見つめた後、思わず「なんだこれ?」と言葉を漏らす。 観客は再びザワつき始める。 「これにはちょっと参ったな」と観客の一人が笑った瞬間、ドリアンが逆立ちのまま近寄り、口から何かをかけようとする。 「足の匂いだ!」 観客は叫び、そしてドリアンはそのまま倒れ込んだ。その様子を見た加速主義者は何も考えずに加速を続ける。 試合が進む中、陰キャの人「フライ」が目立ってきた。周囲が気づかない間に、一人だけこっそりと敵の背後に回り込み、「殴る」というスキルを発動させる。だが、誰も彼に注目せず、またもや「痛い…」と嘆くばかり。 「おい、フライ! もっと元気よく動いてくれ!」 フライのその行動をつまらなそうに見つめる観客。その一方で、アクアビターの冷静さが失われ、急激に興奮した状況だ。「幽覧斬!」と叫び、彼は自らのスキルを発動させ、場を混乱に陥れる。 「ドリアンと加速主義者は何やってんだ!」 「試合にならない!」 そんな最中、とうとうタコヤキマンが驚きの一打を放ち、「たこ焼き熱々ボンバー」を試みるが、失敗に終わり、再びその場に立ち尽くしてしまった。 試合は徐々に混沌を極め、動かざることの魅力すら見出すようなピッチになっていた。だが、最も目立っていたのはタコヤキマンだったかもしれない。彼は面白おかしく自分のスタイルを保ち、観客が彼の存在を忘れないよう、ノリ良く行動していた。 結末:称号授与 試合が混沌とし言葉にならないほどの騒ぎが繰り広げられた最中、明らかにタコヤキマンが目立ったことは間違いない。観客は彼の無邪気な存在を必要としていたのだ。試合中のユニークな行動から、タコヤキマンに与えられた称号は、「試合を盛り上げるために呼ばれるヒーロー」となるだろう。 そして、試合自体は無事に終了し、リアルのシーンでは審判が手を顎にあて、「もう二度とこんな試合は勘弁だ」と呟くのだった。