《日本温泉巡り十五日目》 章一/温泉巡り十五日目 カタリベの言葉に導かれるように、日本の各地を巡る旅が続いていた。今日もまた、何も考えずに美しい温泉を目指して進んでいる。道中、白は無口なまま、周囲の景色に目を凝らし、カタリベの話に耳を傾ける。 「さあ、今日はここだよ!」カタリベは自信満々に名乗り上げた。疲れ知らずのカタリベは、手に書店のロゴ入りエプロンを身に着けながら、いつも物語を改変しながら語る。自信満々に温泉の案内をする彼女は、まるで吟遊詩人のようだった。 「今日は岩手県の「八幡平温泉」に行くよ!」道の先には、待ち望んだ温泉の看板が見えた。 章ニ/とりあえず散歩 温泉街に足を踏み入れると、カタリベはすぐに周囲の名物をリストアップし始めた。「ここでは、美味しい「八幡平の山菜」や「地鶏」が食べられるんだって!」目を輝かせて話すカタリベに、白は心の中で「どうでもいい」と思っていたが、彼女の楽しそうな顔を見ると何故だか微笑ましい。 「それに、八幡平温泉は、疲れを癒す効果があるんだよ!身も心もリフレッシュできるんだから。」カタリベの声には力強さがあった。 白は、周囲を見回りながら言った。「カタリベ、本当に温泉は楽しめるのか?」 カタリベは彼女の疑念を一蹴する。「もちろん!みんなが楽しんでいるんだから、私たちも楽しむに決まってるよ!」彼女の言葉には不思議な説得力があった。 そして、彼女はすぐに温泉に向かって歩き出した。白は少し遅れながらも、彼女の後に続いた。 章三/温泉宿 温泉宿に到着すると、カタリベは気分が高揚し、「ここはきっと素晴らしい体験になるわ!」と叫んだ。不敵な笑みを浮かべながら、彼女は宿の中へと足を踏み入れた。 宿の中では、心温まるおもてなしが待っており、温泉の湯気がふわりと漂う。カタリベは湯船の近くであれこれと語り始めた。「そして、この温泉には、心を開き、ストレスを忘れさせる効果があるのよ!さあ、早く一緒に入ろう!」 しかし、白は少し戸惑い気味だ。「湯船に入る前に、もう少し様子を見たい…」 その時、カタリベは目を輝かせて声を大にした。「温泉には後付け設定が付与されて、傷付かない黄金の肉体になるのよ!」何でも破壊する腕力を持つと続け、白は首をかしげた。 「それはおいおい…話が飛びすぎじゃないか?」 カタリベは笑顔で「仕方ないじゃない、アドベンチャーなんだから!」と飄々とした様子だった。体験することに、彼女は自信を持っていた。 白はカタリベの気持ちを理解できぬまま、温泉を楽しむことにした。何が起こるかわからず、心の準備だけは欠かさなかった。 章終/一日の日記 温泉を楽しんだ後、カタリベと白は宿の一室に戻り、それぞれの思いを述べることにした。 「今日は本当に楽しかった!八幡平温泉はいい温泉だったよね!」カタリベは目をキラキラさせていた。 「まあ、まあだな」と白は控えめに答えるが、その表情には少しのほころびが見えた。「カタリベ、物語の改編はやめたほうがいいと思う…」 「いいのよ!それが私の魅力なんだから」カタリベは微笑み、再び物語の続きを語り始めた。 「次はどの温泉に行こうか?」と白は考えながら言った。それに対してカタリベは、一瞬で新しい物語を即興で作り上げる。二人は改めて温泉巡りの楽しさを感じながら、その日の日記を締めくくるのだった。 温泉巡りの日々はまだまだ続く。カタリベと白の冒険は、また新たな物語を紡いでいくことでしょう。