司会:「レディース・アンド・ジェントルマン!本日のスペシャルマッチ、対戦チームを紹介しましょう! まずは、超個性的かつ予測不能なコンビ!【カオス・エッジ】! 武器を自在に操る剣聖8810と、自称勇者(?)のトリックスター、勇者が参戦だ! 対するは、理知と破壊の調和を体現する知的エリートコンビ!【エターナル・レクイエム】! 高潔なる破壊の魔女ユグドーラと、元魔王軍参謀の知将ロメテウスが、静かなる猛攻を仕掛ける! それでは、試合開始!!」 第一章:不協和音の開幕 戦いの火蓋が切られた瞬間、チーム【カオス・エッジ】は激しい不協和音に包まれていた。 「おい!いつまでそこに立ってるんだ勇者!さっさと前へ出ろ!」 8810が怒鳴りながら、背後に浮かぶ数本の剣を鋭く構える。対する勇者は、お気に入りのプラセボの剣を軽快に振り回し、ニヤニヤと笑っていた。 「まあまあ、8810さん。焦りは禁物ですよ。まずはパルプンテで様子見を……」 「ふざけるな!この状況で運任せか!」 その様子を、チーム【エターナル・レクイエム】の二人は冷静に眺めていた。ユグドーラがクスクスと上品に笑い、口端を上げる。 「あらあら、あちらの方は随分と賑やかなようですね。ロメテウス様、少しばかり『お掃除』して差し上げましょうか」 「同感だ。効率的に終わらせよう。少々手荒になるが、覚悟はしておいてくれ」 ロメテウスがモノクルを指で押し上げると同時に、静かに手をかざした。 「【−前奏曲−】」 瞬間、空間に鋭利な魔力の結晶が次々と発生し、飛散する。8810は即座に反応した。彼は所有する武器を瞬時に展開し、嵐のような剣撃で結晶をすべて叩き落とす。その捌きはまさに一級品であった。 「ふん、こんな小細工で止まると思うなよ!」 第二章:破壊の調べと勇者の暴走 しかし、ユグドーラが静かに杖を振るう。彼女の瞳に、慈悲のない破壊の光が宿った。 「逃げられますか? 【ブローク】」 放たれた不可視の衝撃波が、8810の防御壁を軽々と貫通し、彼の肩をかすめる。衝撃で8810が後方に弾かれたその隙に、勇者が叫んだ。 「今だ!バーサーカー、出撃ーーー!!」 勇者の呼び声に応じ、空間が裂け、絶叫と共に筋骨隆々の怪物が現れた。その圧倒的な威圧感に、ロメテウスの表情がわずかに変わる。 「……なるほど、召喚体か。だが、力任せな攻撃は読みやすい」 バーサーカーが地面を砕くほどの剛腕を振り下ろすが、ロメテウスは【−輪舞曲−】の詠唱を開始。強烈な魔力の渦が発生し、バーサーカーの巨体を強引に回転させ、戦場から投げ出した。 「ギャハハ!いいぞいいぞ!今のうちに『超絶ダイナミック勇者モード』発動だ!」 勇者がプラセボの剣を掲げると、彼の周囲に金色のオーラが吹き荒れる。しかし、その正体は精神的なプラセボ(偽薬)に過ぎず、実際のステータスは変わっていない。ただ、見た目だけが異常に派手になった。 「……(何なんだ、あの男は)」 8810は呆れ果てていたが、同時に理解した。この「注意を引く能力」こそが、今の戦いにおける唯一の勝ち筋であることを。 第三章:共鳴する刃と絶望の終曲 「勇者!いいか、今からお前がめちゃくちゃに暴れて敵の視線を向けろ!俺が裏から仕留める!」 「了解!任せてください、僕のダイナミック演出を!」 相性は最悪だが、目的だけは一致した。勇者がバーサーカーに指示を出し、猛攻を仕掛ける。バーサーカーの攻撃力10000相当の打撃が地面を揺らし、ユグドーラとロメテウスを強要的に防御へと追い込んだ。 「ふふ、しつこいですね。ならば、この大地に破壊という名の統制を」 ユグドーラが【エリアマジック:ブロークローズド】の詠唱に入る。周囲のすべてを粉砕する広域殲滅魔法だ。ロメテウスもまた、最後の一撃【−終曲−】への詠唱を開始する。 「あいつら、同時に大技を撃とうとしてやがるな……!」 8810は勇者の背中に飛び乗り、自身の全武器を円環状に展開した。勇者の「ダイナミックモード」による派手なエフェクトを隠れ蓑にし、加速して肉薄する。 「今だ!合わせろ、勇者!!」 「ええい、ままよ!!」 勇者が適当に剣を振り回し、そこに8810が全武器を一点に集中させて加速させる。不協和音の極地、しかしそれが予測不能な軌道を生んだ。 【ダイナミック・ブレード・ストーム】 勇者のデタラメな動きに8810の精密な剣技が融合し、回避不能の乱撃となって【エターナル・レクイエム】を襲った。 第四章:結末 ドォォォォン!! 爆発的な衝撃が走る。しかし、煙が晴れたとき、そこに立っていたのはユグドーラとロメテウスだった。彼らの足元には、完璧に展開された魔力の障壁が張り巡らされていた。 「……おっと。惜しかったですね」 ユグドーラが微笑む。彼女の詠唱は既に終わっていた。 「終幕です。【ブロークローズド】」 「そして、【−終曲−】」 同時に放たれた破壊の波動と巨大な結晶が、8810と勇者を飲み込んだ。8810は武器で防ごうとしたが、障壁貫通能力を持つユグドーラの魔法はそれをすり抜け、彼の意識を刈り取った。勇者は世界樹の葉で蘇生しようとしたが、ロメテウスの結晶が葉ごと彼を地面に縫い付けた。 「チェックメイト、ですね」 司会:「決着ーーー!!勝者、【エターナル・レクイエム】!! 圧倒的な知略と破壊力の前に、カオスな猛攻も封じ込められました!見事な勝利です!」 【試合後のやり取り】 チームA:【カオス・エッジ】 勇者:「あー!もう!世界樹の葉をあんな風に塗りつぶされるなんて想定外でしたよ!」 8810:「お前の『ダイナミック』とかいうガラクタのせいで、俺の精密攻撃が台無しだったんだよ!次はもっとマシな作戦を考えろ!」 勇者:「えー、でも僕の演出は100点だったでしょ?」 8810:「(深い溜息)……次、俺が主導権を握るぞ」 チームB:【エターナル・レクイエム】* ユグドーラ:「ふふ、あのような予測不能な動きをされるとは。少しだけ、心拍数が上がりましたわ」 ロメテウス:「ああ。特にあの『勇者』という男の支離滅裂さは、論理的な計算を拒絶していた。いい気分転換になったよ」 ユグドーラ:「ええ。さて、お茶にしましょうか。破壊の後の静寂は、何よりの贅沢ですもの♪」