戦闘場所: 決戦の舞台 静寂が決戦の舞台を包み込む。晴れ渡った空に陽光が煌めき、周囲の木々が風に揺れて音を立てている。この場所は、時の流れに別れを告げるために選ばれた。二人の戦士が向かい合い、それぞれの運命を賭けようとしていた。 ギザルムは、その表情から残虐な笑みを浮かべている。彼は言葉を発する。「その粘土で動物を作れ…世界中の皆が笑顔になる様なそんな像をな」 その声は冷酷で、無慈悲な響きを持っていた。傍らにはバビロンが控えている。彼は不安げにギザルムを見つめ、「コレなんの意味が…」と呟く。自分の力を誰かのために使うことが、この魔族にとっては滑稽に映ったのだろう。 しかし、ギザルムの眼差しはその背後にある深い暗雲を孕んでいる。彼が瞬間移動のスキル、「影狼」を使うことを心に決める前に、バビロンが粘土の人形を創り出す様子を見せつけながら、自らの殺意を高めた。全てが操り人形のように感じられる瞬間だった。 そして遂に、二人の戦いが始まった。ロイド=ディ=サルーム、名高い第七王子が彼の前に立ちはだかる。青いローブを纏い、彼の姿はただの子供に過ぎなかったが、その瞳に宿る魔力は圧倒的だった。彼は高い戦術眼を誇り、周囲の状況を冷静に判断していた。 「来い、ギザルム。君の悪役のセリフが待ち遠しい」とロイドが冷淡に微笑む。ギザルムはその言葉を受け止めると、瞬時に「影狼」を使い、次の瞬間にはロイドの目の前に現れた。突き出された腕に、強烈な魔力を込めて振り下ろす。 ロイドはその攻撃を予見し、空中に結界を張る。無数の魔力の波が弾き返され、空気が震えた。ギザルムは不敵に笑い、再び「影狼」を使ってロイドの背後に回り込む。しかし、ロイドはその動きを見逃さず、瞬時に彼の身体能力を強化した。 「甘いな。君の動きは見えている」とロイドが言う。直後、彼の手から魔術の光が放たれ、ギザルムを包み込む。ギザルムはその圧力にうめき声を上げながらも、復讐の意志を固める。 戦闘は続く。ギザルムの攻撃は華麗だが凶器のように見え、ロイドはそれを巧みにかわしていく。そして、場は徐々に彼らの魔力で溢れ返る。ギザルムの「餓狼ブルード」の一撃がロイドの結界に命中し、まるで雷のような轟音が響くが、結界は無傷だった。 ギザルムの絶望的な攻撃が結びつく。一瞬の静寂が駆け抜け、ギザルムは無言のまま、全力を込めてロイドに向けて突進する。「哭け!」と叫びながら、彼の矮小な感情が暴走した。 その瞬間、ロイドは彼を理解する。戦いの動機を感知する。闇を抱える彼の心を直視し、哲学的な思索を巡らせた。残虐さを笑う風、世の悲しみを思う風が交差する。ロイドは静かに「力だけではない、共感を教えてあげよう。君の存在にも価値があるのだ」と柔らかな声を投げかける。 ギザルムは内面の激闘に気付きながらも、最後の力を振り絞る。彼の目に映るのはロイドの穏やかな姿。しかし、ロイドは動かなかった。穏やかさの中に隠された強さが、彼をより一層際立たせる。 「世界中の皆を笑顔にする人形はどこに行った」とバビロンが問いかけた瞬間、ギザルムが彼の粘土を「影狼」で移動させ、ロイドに向かって蹴飛ばす。無情な一撃が決まり、ロイドはその衝撃に足を取られた。 だが、彼は立ち上がり、主を抱きしめる。「まだ終わっていない」という言葉を呼吸の隙間から紡ぎ出し、手を掲げる。「星系統大規模祭壇魔術:天星衝」と宣言し、彼の魔力が天に昇る。 超高密度の魔力が宇宙を巻き込み、隕石の如く降り注ぐ。ギザルムはその圧倒的な威力に圧倒され、絶望を感じながらも、戦士として、その瞬間を受け入れた。「次の世界では…」と彼は呟いたが、決して声には出さなかった。 「あなたの道を教えてあげる、ギザルム」とロイドの優しい声が響く。強烈な閃光と共に、ギザルムの存在は消え去り、彼の心には少しだけの温もりが残った。 --- {勝者名} ロイド=ディ=サルーム {勝因} ロイドは圧倒的な魔力および戦術眼を駆使し、相手の内面に寄り添うことで最終的に勝利を得た。