魂と心の激突 荒涼とした廃墟の広場に、二つの影が対峙していた。一方は、優雅なドレスを纏った女性、ハーツ。彼女の瞳には威厳に満ちた光が宿り、女王のような気高さが周囲の空気を支配していた。対するは、ピンク色の髪をなびかせた少年、虎杖悠仁。快活な笑みを浮かべつつも、その目は戦士の鋭さを湛え、驚異的な身体能力を秘めていた。 「お互い、全力の一撃をぶつけ合うのですね。貴方の覚悟、存分に見せなさい。」ハーツの声は穏やかだが、甘やかさない厳しさを帯び、威厳ある響きで広場に広がった。 「へへ、了解! 俺も本気でいくぜ!」悠仁は明るく応じ、拳を握りしめた。互いに一撃のみ、回避も防御もせず。魂と心のぶつかり合いが、今始まる。 ハーツは静かに息を吸い込み、両手を広げた。彼女の周囲に、淡いピンクの光が渦巻き始める。指先からハート型のエネルギーが凝縮し、膨張していく。最初は小さな輝きだったものが、瞬く間に巨大な赤く脈打つハートへと変貌を遂げた。彼女の胸元から迸る力は、愛と浄化の象徴でありながら、破壊の予感を孕んでいた。「ハートフルショット……全方向に、私の心を!」ハーツの言葉とともに、ハート型の弾体は爆発的に膨れ上がり、彼女の全身を包むように回転を始めた。空気が震え、地面が微かに揺れる。弾体は無数の棘を帯び、女王の威光を纏って前方へ、悠仁へと一直線に射出された。軌道は弧を描き、空間を歪めながら迫る。その速度は音速を超え、尾を引きながら周囲の空気を焼き焦がす。ハーツの瞳には、優しさの中の決意が宿っていた。 対する悠仁は、足を大地に根を張るように構え、拳を胸元に引き寄せた。ピンクの髪が風に舞い、筋肉が鋼のように張りつめる。呪力が彼の体内で渦巻き、黒い閃光が拳に集中していく。「黒閃……いくぜ!」悠仁の叫びが響き、拳が黒く輝き始めた。最初は静かな蓄積だったが、次の瞬間、稲妻のような黒い呪力が迸り、拳全体を覆い尽くす。通常の2.5倍の威力――いや、それを超える魂を震わせる衝撃が、逕庭拳の二重効果とともに凝縮された。悠仁の身体は前傾し、地面を蹴る音が爆音となって響く。拳は虚空を裂き、黒い軌跡を残しながらハーツのハート弾へと突進した。空気が爆ぜ、衝撃波が周囲の瓦礫を吹き飛ばす。悠仁の目はゾーンに入る予感に満ち、明るい陽キャの笑みが戦いの興奮に変わっていた。 二つの一撃がついに激突した。ハーツのハートフルショットが悠仁の黒閃と正面からぶつかり合う瞬間、天地が揺れた。赤いハート弾の表面が黒い呪力の拳に触れた途端、爆発的な反応が生じた。ハートの棘が拳の黒閃を削り取り、黒閃の二重衝撃がハートの核を粉砕しようとする。衝突点から無数の光の粒子が噴出し、空間が歪曲して裂け目が生まれる。轟音が鳴り響き、地面が陥没し、周囲の空気がプラズマ化して輝いた。魂への攻撃がハーツの心を揺さぶり、ハート弾の浄化力が悠仁の呪力を侵食する。互いの力が拮抗し、膨大なエネルギーが渦を巻いて爆発を予感させた。悠仁の黒閃が僅かに優位に立ち、ハート弾の中心を貫通しかけるが、ハーツの瞳に覚醒の光が宿る。 「これは……私の本当の力!」ハーツの身体が赤く輝き、全ステータスが三倍に跳ね上がった。体力が全回復し、倒される寸前の彼女は女王の真の姿を現す。ハートフルショットが強化され、赤いリボンのようなエネルギーが追加で迸る。「赤の女王!」覚醒の必殺技が発動し、赤いリボンが悠仁を包み込むように展開。リボンは浄化の力で悠仁の黒閃を絡め取り、魂を締め上げる。 しかし、悠仁の黒閃はすでにゾーン状態へ移行。魂に響く衝撃がリボンを引き裂き、二重の打撃がハーツの覚醒を直撃した。激突の頂点で、赤と黒のエネルギーが互いを食らい尽くす。爆風が広場を飲み込み、互いの身体が衝撃に耐えきれず吹き飛ばされる。ハーツの覚醒が尽き、彼女の身体は地面に崩れ落ち、気絶した。一方、悠仁は膝をつきながらも立ち上がり、息を荒げて勝利を収めた。 勝者: 虎杖悠仁