一体、何が彼をここに呼んだのか。古の地に、悠久の時を超えて降臨した最古の英雄王、ギルガメッシュ。その金髪と赤い瞳が彼の神聖さを物語り、まるで天上からの叡智を宿した存在であるかのように佇んでいる。 「雑種ごときが、王に刃向かうか。」彼は冷淡に言い放つ。敵を見据え、その傲慢な姿勢を崩すことはない。彼の前には、かつてない強敵が立ちはだかる。純然たる存在を超越したその力は一体何者なのか、全ての隙間を埋め尽くすかのように広がっている。彼の名は、絶天黒創滅。自らが存在することを知らぬ、ただの概念。 その斬新な存在感とは裏腹に、ギルガメッシュはかつて数多の王国を征服した英雄王である。彼の実力は過去からのささやきとして、彼を讃える声を宿した空間に満ちていた。だが、目の前に立つ敵はそのすべてを無化する力を持っていた。 「我が宝具を見せてやる。」ギルガメッシュの言葉に、空中に黄金の波紋が広がる。王の財宝、伝説の武器が空を舞い、彼の意思に従い敵へと向かう。数多の剣、槍、聖具。全ては彼のために在り、全ては彼を支える力であり、王の意志の現れである。 「無意味だ!」絶天黒創滅が声を張り上げる。存在の概念を超えたその声が、ギルガメッシュの攻撃を打ち破るかのように響く。それは、彼のすべての攻撃を無効化し、存在そのものを消去する力だった。彼にとって、攻撃すらも無に帰す!それはまるで運命を操る神のようだ。 「全てを消し去るというのか…?貴様が!」ギルガメッシュの冷静ながらも挑発的な視線が敵を捉える。もし全てを逃れるのなら、自身の全力を出すしかない。彼は決意を新たにし、原罪を手に取った。この剣は、世界のあらゆる存在を焼き尽くす力を秘めている。 「触れた全てを焼き払う光の渦をお見舞いしてやる!」そう叫び、彼は一閃。光の渦が絶天黒創滅に向かって放たれるが、彼はそのまま立ち尽くしていた。何も変わることはない。ただ、彼の全てを捨てた無の姿が映し出される。 「無駄だ。お前のその全ては、すでに消えている。」絶天黒創滅は低い声で告げた。ギルガメッシュの眉間に皺が寄る。無力感が、かつてないほどの深淵に彼を引き込んでいた。 「このまま永遠に消え去るなど、我が名誉を汚す行為だ。」彼は再び王の財宝を召喚する。だが、原初の存在、絶天黒創滅の力の前では、すべてが完全に無に帰すことに如かず。「この力を無化し、現実を打ち破る力を見せてやろう。」絶天黒創滅の手から、一条の光弾が放たれ、ギルガメッシュの進軍を阻む。 光弾はまるで空気を切り裂くようにして、ギルガメッシュへと迫る。「この空間で、お前は何もできぬ。」 その瞬間、彼は悟った。ギルガメッシュとは一体何者なのか、この先何をなすべきなのか。彼は自らの存在そのものを自覚し、飛躍させなければならないと。五感を超えた存在、彼は数多の未来を見渡し、勝機を窺った。「天の鎖!」彼は叫ぶ。 天の鎖が黒い存在へと伸び、空間を拘束せんとする。しかし、彼のすべてを見透かしている絶天黒創滅に、その鎖は一瞬で断たれる。彼は完全に支配された状態であると同時に、その現実をも直視せざるを得ない。 「雑種、貴様は敗北した。」 その言葉は、深い孤独を引き起こす。そして次の瞬間、現実が歪む。あらゆる攻撃の無効化、運命を自由に操ることが可能な力に直面し、ギルガメッシュはただただ唖然とした。だが、彼は決してその敗北を認めることはない。 「我が名を名乗れ!」彼は怒りの声を上げた。すぐにその姿勢を崩すことはせず、思考を働かせる。彼は自らの心の中に閃きを形にする。もしかすると、かつて誰も見たことのない力を使って、逆転できるかもしれない。彼はかざした手のひらに力を込めた。 その時、周辺の空間が急に揺れ始めた。その揺れが徐々に大きくなり、直感として背後から脅威を感じ取る。振り返ってみると、まるで夢のように美しい星が彼の視界を埋め尽くしていた。「『天地乖離す開闢の星』‼︎」 彼の言葉が空間を切り裂く。すべてが静寂に包まれ、一瞬のうちに、絶天黒創滅はその美しさの前に立ち尽くしていた。「運命すらも消し去る…!」 だが、彼の攻撃が絶天黒創滅に届くことはなかった。絶天黒創滅はその手をほんのわずかに伸ばし、ギルガメッシュの攻撃をそのまま打ち消した。世界のあらゆる理を超越する力の前に、ギルガメッシュはただの存在に過ぎない。 「王を名乗る資格などない。」絶天黒創滅は言う。まるで運命を見透かすように、彼の言葉はギルガメッシュの心を穿つ。王の誇り、英雄の貌は瞬時に崩れ去り、彼の心は混乱へと飲み込まれる。 その時、彼は一瞬微笑を見せた。「こんな終わり方があるのか。貴様にこそ教わった。」そして、彼がその場から去ると、何かが彼の中で変わったのか、その意志は無限の狭間へと導かれる。 「全てを消去されたとしても、私は消えはしない。なぜなら、我はギルガメッシュ、最古の英雄王だからだ。」彼は自らの存念をより深い地点に落として、様々な存在へと訴えかける。だが、永遠に彼を支配する力は恵みを与えず、彼の全てを失わせる運命に追いやられていた。 そして最後に、絶天黒創滅の真の力を垣間見つつ、ギルガメッシュは彼の前から消えていった。彼の誇りは、存在そのものを超越する者に屈服してしまったのだ。彼は敗北した。 「我が王の名を胸に、貴様のことを忘れはしない。負けたのに、なお誇りを抱くその心を。」 そして静寂が訪れる。これが、最古の英雄王ギルガメッシュの最期の瞬間であった。彼は敗北した。しかし、彼の名は無限に残り続ける。 --- 【勝者】絶天黒創滅