①世界を滅ぼす日 遥か彼方の宇宙には、多くの星々が煌めき、生命が息づく世界が広がっていた。しかし、その美しさも今や崩れ去ろうとしている。天の彼方から現れたのは、単眼の鱗に覆われた巨大なドラゴン、ヴォーペン。彼は空を覆い尽くすほどの大きさで、敵対する星々を殲滅するための命を帯びていた。 「行け、ヴォーペン。敵を一掃せよ」その声は、彼の主から、命じられた。 周囲の星々は恐れおののいた。ヴォーペンの轟音が宇宙を震わせ、その存在が空間を歪める。奥深くから発せられる光が周囲を照らし、太陽のように眩しく、熱を帯びた光線が次々と放たれた。彼の道筋には、嚙みつくような青白い光線が、宇宙の真空を突き進む。 その影響を受けた星々は、次々に粉々に砕け散り、炎に包まれて消失していった。壊滅的な光景が広がり、その瞬間、怒炎壊獣ドゴランが火山の噴火口から現れる。「全てを焼き尽くす!」 彼は咆哮し、口から放たれる火炎放射が敵対する星々を飲み込み、燃え盛った。 ドゴランの目には、焼き尽くされた星の残骸が映っていた。その凶暴な心は、破壊の快楽に満ち溢れていた。「燃えよ、壊滅せよ!」彼は口を大きく開け、巨大な火山弾を発射し、そこにあった全てを消し去っていく。 時間は進み、宇宙は破壊され続けた。ヴォーペンとドゴラン、二体の圧倒的存在によって、世界は滅びゆく運命にあった。彼らが活動を停止することはなかった。 ②終焉の後 世界が滅び尽くした後、静寂が広がった。それは完全なる暗闇の中であった。ヴォーペンは静かに空を舞い、彼にかつて命じた主も消え去った。彼は世界を滅ぼす使命を果たしたが、心の奥に疑問が芽生え始めた。 「僕は一体、何を守るために、何のために戦っていたのか?」彼は空を見上げ、宇宙の果てを思った。 ドゴランもまた、静かに考えていた。「全てを焼き尽くすことに、何の意味があったのか。」戦闘の快感はもう失せてしまった。 二体は出会う。ヴォーペンはドゴランに言った。「私たちの行動は、ただ無駄な破壊だったのかもしれない。」 勘付いたドゴランは同意した。「終焉を迎えた今、我々には何も残っていない。」彼らは、自身がなぜこんなにも破壊を求めていたのか、その理由を見失っていた。敵を滅ぼした先には、ただ虚しさだけが残っていた。 二体は共に、失ったものに目を向けることにした。かつて存在した星々、そこに住んでいた生命、そして彼ら自身が抱いていたはずの夢。 「新たな道を歩むべき時かもしれないな。」ヴォーペンはつぶやいた。 「そうだ、新たな世界を、我々の手で創造するのだ。」ドゴランは心に抱いた熱を再び燃え上がらせていた。 彼らは滅びた世界の破片を集め、新たな未来を築くことを誓った。それは破壊の後に生まれる、新たな命の誕生の始まりであった。