序盤 燻んだ廃墟の空は、灰色の雲に覆われていた。中世の城砦が崩れ落ちたこの場所は、かつての栄華を物語る石畳が苔むし、風が枯れた蔓を揺らすばかり。リアムと銀髪の少女――放浪の旅人――は、互いに言葉少なに並んで歩いていた。リアムは優雅に杖を携え、穏やかな微笑を浮かべ、少女は黒いコートを翻し、紅い瞳で周囲を静かに観測する。敵対する気配など微塵もなく、二人はこの不気味な場所に引き寄せられたかのように、ただ進むのみだった。 突然、空気を裂く鋭い音が響いた。リアムの耳に、かすかな予感が走る。「うふふふ、何やら不穏な気配ね。」彼女の言葉が終わるや否や、影の奥からぼやけた人影が現れ、弓を構える。矢が放たれ、廃墟の石柱を的としながら二人の間を貫いた。超人的な威力で石が砕け散り、破片が飛び散る。リアムは即座に手を翳し、重力を操る魔術を発動。東西南北の引力を逆転させ、矢の軌道をわずかに逸らす。「この矢、ただのものじゃないわ。重力の流れを乱すほどの力……ふむ、興味深い。」 少女は無言で体勢を低くし、紅い瞳が瞬時に状況を考察する。彼女の周囲に蒼白の蝶が舞い、時空間の歪みを映し出す。裂け目が微かに開き、彼女は次元を歩く者の如く一瞬で位置を変え、矢の余波を回避。寡黙な彼女は、ただ好奇心に駆られ、影の射手を観測する。射手は一瞬姿を現しただけで、再び影に溶け込む。二人は奇襲の意図を測りかねつつ、互いに背を預けるように構えを取った。廃墟の風が、二人の髪を優しく撫でる中、戦いの幕が静かに開いた。 中盤 廃墟の奥深く、崩れた大聖堂の残骸で戦いは激しさを増した。射手は執拗に矢を放ち、毎回ぼやけた姿を一瞬だけ晒す。その矢は的を貫くほどの威力で、地面を抉り、石壁を粉砕する。リアムは冷静に魔術を連発し、底無しの魔力を誇示する。「うふふふ、影に隠れるなんて、まるで古い物語の亡霊ね。でも、私の魔術はそんなものを許さないわ。」彼女は負荷十倍の重力球を射手の推定位置に放ち、周囲の空気を重く歪める。重力放出で矢の威力を反転させ、逆に射手自身に向け返す。精密操作で時間差攻撃を仕掛け、空中浮遊しながら追撃の隕石を召喚。巨大な岩塊が落下し、廃墟を震わせる。 一方、銀髪の少女は好奇心を抑えきれず、純粋無垢な瞳で射手の動きを観測。無口な彼女は言葉を発さず、ただ死蝶剣術を展開する。白諞――空間を斬る白い大太刀を抜き、矢の軌道を“間”を捉えて斬り裂く。攻防一体の対応力で、歪みを生む黒い太刀・断境夢を振るい、射手の影を切り裂く裂け目を生み出す。蒼白の蝶が舞い、時空間の裂傷痕が広がる。彼女は次元を歩き、裂け目を通じて射手の背後に回り込み、因果の変数を引き寄せて斬撃を浴びせる。射手は姿を現すたび、二人の連携に押され、廃墟の闇を転々とするが、徐々にその動きに乱れが生じ始めた。 リアムは体術を交え、重力を付与した打撃で瓦礫を操り、少女の剣撃を援護。「この子、時を操るような動きね。魔術の可能性を広げる好例だわ。」少女はわずかに頷き、互いの信頼が戦いを支える。射手の矢は依然として脅威だったが、二人は着々とその領域を狭め、廃墟の中心へと追い詰めていく。灰色の空の下、汗と埃が混じる中、戦いの均衡が微妙に傾き始めた。 終盤 廃墟の最奥、崩壊した玉座の間。射手は息を荒げ、ついに最後の手段に手を染める。影からゆっくりと姿を現し、弓に巨大な矢を番える。「照準狙撃」――その視線がリアムを捉え、マークが彼女の肩に刻まれる。射手は長い時間姿を晒し、矢の威力が膨れ上がる。巨大な矢が放たれ、リアムを場外へと吹き飛ばす勢いだ。「うふふふ、これは本気ね。でも、私の切り札を甘く見ないで。」リアムは即座に原初の魔術を発動。最初に誕生した力で、巨大な『奈落』を射手の足元に開く。無限の闇が射手を飲み込み、封印の奈落へと突き落とす。 少女は裂け目を駆使し、リアムの援護に回る。死蝶が乱舞し、時空間の歪みを最大限に引き出し、白諞と断境夢の連撃で射手の逃げ道を断つ。射手は奈落に引きずり込まれながらも、最後の抵抗として巨大矢を放つが、リアムの重力反転で軌道が狂い、少女の剣撃で砕かれる。二人は息を合わせ、射手を完全に封じる。廃墟に静寂が戻り、灰色の雲がわずかに晴れる。リアムは優しく微笑み、「うふふふ、終わったわね。この魔術の深淵を、皆に知らしめましょう。」少女は無言で頷き、紅い瞳に満足の光を宿す。 戦闘の終了要因 燻の射手の戦闘不能(原初の魔術による封印)