戦の後の荒野、無数の戦士たちの魂が漂い、その悲しみと怒りが醸し出す空気は重苦しい。空は灰色に染まり、戦いの舞台となったこの場所には、一切の生気が失われていた。その中で、蛍京は無表情のまま立ち尽くしている。彼の周囲には禁忌の技を操る者たち、ボーサんとリリック・アダチオンが集結していた。彼らは今、蛍京と対峙する運命にあった。 「我の目には全てが見える。お前たちの魂もまた、我に捕らえられる運命にある。」蛍京は冷たい声で呟いた。彼の視線はどこにも向いていなかったが、その言葉は霊的な視覚で彼らを捉えているかの如く、的確に響いた。 対するボーサんは、穏やかな笑顔を浮かべている。だがその形は気持ちの良さとは対照的だ。彼は分裂創造の能力を駆使し、周囲に自身の分身を生み出す。泥沼を形成し、自らの存在を拡大し続け、敵を包囲する。「さて、どこから行こうかな?」彼の口元は皮肉とも愛嬌とも取れる微笑みを浮かべ、戦う意志を燃やしていた。 リリック・アダチオンは、赤髪青眼の小柄な姿からは想像できないほどの魔力を抱えていた。彼女は神秘の神杖を掲げ、遠くからサポートを行う準備に入る。「さあ、アブホース!みんなを助けるよ!」彼女は自らの能力を活かし、大きな水溜まりを形成する。水溜まりは絶えず動き、相手すらも飲み込む準備を整えている。 すると、蛍京は一瞬目を閉じ、深呼吸をした。彼の手があがる。「来るがよい!」彼の技が発動し、『天嶽』が発生する。ぼんやりと視界に現れた針山は、目には見えぬ力でボーサんの足元を狙った。 しかし、ボーサんは巧妙に泥沼を形成して応じる。「食らえ、泥沼の力!」泥沼の中に埋もれながらも、彼は分身を生み出し続けた。その無定形の姿が彼の周囲を覆い、泥に引きずり込む力を強化する。 踏み込む力を失った蛍京は、あらゆる技を駆使しながらボーサんに対抗しようと奮闘する。その姿は無駄な努力に見えたが、彼は不屈の魂で立ち向かう。 リリックはすかさず『業火』を発動させました。彼女の魔法が炎となって蛍京を包み、彼の身体を焼き尽くさんとした。しかし、蛍京はその時、反応を示した。「無駄だ、我の身体はお前たちの火の前では消えぬ。」立ち上がる蛍京は『心凱』でリリックを狙う。一瞬の隙をつき、彼女の魂を召喚し取り込もうとした。 リリックはこの危機に飛び込み、同時に『プラスの魔法』を発動した。彼女は受けたダメージを即座に回復させ、蛍京に立ち向かう。「私のマジックアイテムをあなどらないで!」 だが、ボーサんは間髪いれず自らの分身でカウンターを敢行。錯綜した肉体の中から、彼は彼女を護るために延々と分身した。「お前の魂は我が物だ!」 それでも蛍京は耐え、正確な動きで一つ一つの分身を捉え、彼らを穿つ針山で生命力を奪おうとした。しかしボーサんの泥沼と分身は彼をも翻弄し、劣勢を保ち続けながらも自己を崩さず存在し続ける。 そうするうち、ボーサんの力は弱まる。泥沼に足を取られた者たちが次々と吸収されていく中、ボーサんもまたその影響を受け始めた。彼は詰め寄られ、泥沼の力を形成できなくなりつつあった。 「もう一撃、全てをひっくり返すために!」リリックも狙うが、蛍京は技をいったん留め、力を引き寄せる。「天心!」彼は吸収した魂の力を蓄え、ここに来た魂を消し去り、彼女たちの技を吸収しようと試みた。 驚愕の視線。リリックはその瞬間を読み取れなかった。「私の体…」自らの技を無効化され、彼女の心が崩壊するような感覚が襲った。「そんな…!」泡立つ魔力は身体を震わせたが、彼女には力が残っていなかった。 その時、ボーサんもまた泥の海に沈む。「何故、こんなものに…!」深く吸収されていく彼に、蛍京は気配を感じる。「お前たちの力は我が物。お前たちの全てを我に捧げよ。」 戦場に響く言葉。蛍京は勝利の笑みを浮かべていた。 数分後、蛍京は改めて戦力を甦らせた。華々しい勝利の余韻が漂う中、魂の無数の戦士たちは彼によって、漸く浄化されていった。すべての戦が終わり、再び次の世代へと希望を遺すために。 「この地に栄光を取り戻すのだ。」彼は静かに言った。 勝者: 蛍京 MVP: 蛍京