壊れかけの現実世界。その場に集ったのは、チームAの《舞い降りた虚無の使徒》ボイドと、対抗するチームBの無尽のアルジ、黒鋼のロック・イークス、蒼の少女、そして上位者ルゥアである。 時折変な音とともに、空間が歪んでいる。跡形もない建物が風に飲み込まれて消える様は、まさに虚無の使徒ボイドの力が影響を及ぼしていることを物語っていた。唯一の光源である空のどんよりとした暗い雲に、ボイドが立ち尽くす姿が神々しく、そして恐ろしい。 「全てを無に還す。逃げ道はない。」ボイドは静かながらも威圧的な声で宣言し、長い羽を広げる。彼の言葉に緊張が走る。 先陣を切ったのは無尽のアルジ。「あぁ…お前もだ…全て壊してやる…」と呟きながら、彼はその痩せた腕を徐々に増殖させ、周囲の空間を埋め尽くす準備を始めた。腕が増え続けることによる恐怖、そしてその無尽蔵な力に賭ける期待が彼の心を駆け巡る。 ボイドのカウントダウンが始まる。60秒を告げる重々しい音が鳴る。 【残り50秒】 ボイドの力が世界を侵食し、アルジは自らの能力を失った。「何もできない…」彼は戸惑う。そんな様子を見て、ボイドは冷静に精神的勝利をひそめる。 次に動き出したのは黒鋼のロック・イークス。彼は大型戦闘機体「ZEAKE」に座乗し、無音での超高速移動を駆使してボイドに接近する。「これは正当な報復だ」「見切ってみせろ」と大声で告げるが、彼もまた、ボイドの持つ虚無の力の影響下で、拳を振る以上の手立てが失われていく。