第七回ハルモニア王国スイーツ大祭典。ルーク大聖堂の中は、煌びやかな装飾と甘い香りに包まれ、色とりどりのスイーツが並ぶ夢のような空間。今日は各地から集まった天才パティシエたちがその腕前を競い合う日。全員が、新たなチャンピオンの名誉を目指して居並ぶ。 その中でも、特に注目を集めていたのは猫耳お嬢様、ミケだった。ミケは、黒色の美しいドレスがその華やかさを引き立て、頭には可愛らしい猫耳がついている。今日は特別なスイーツを創作する予定だと胸を膨らませている。 「ふふ、今日のために特別に考えたスイーツがあるのですわ!皆様、楽しみにしてくださいにゃ!」と意気揚々に言い放つミケ。彼女は、ココアを基調とした「ネコ耳チョコレートケーキ」を作る決意を固めていた。 一方、鍋不器用は、独創的なアプローチでスイーツを作る。彼女の特技を活かし、「逆転フルーツ鍋」という、一見おかしな名のスイーツに挑む。「あたしのスイーツは、食べると逆に満腹感が得られる、まさにアートなのよ!」と昭和初期の制作風景を思わせる様子で、鍋に不思議な果物を放り込む。 瑚恋ルビィもまた、可憐さが際立つ「ハートのストロベリーケーキ」を作っていた。「すごく甘くて、ほんのりと酸っぱい苺を使っています。みんなに喜んでもらえたらいいな…えへへ」と言いながら、優しい表情で作業に励む。 そして、次元渡りの美食家、ヤミは、「夢の多次元マカロン」に挑戦。彼女は魔法によって、様々な次元の素材を取り入れた特別なマカロンを作り出していく。「このマカロンは食べた瞬間に、幸せが広がる魔法をかけているの。皆様、是非お楽しみにしていて。」と微笑みを浮かべる。 やがて、時間が刻々と過ぎ、各参加者は自分の作品を揃え審査へと向かう。緊張感が漂う中、国王夫妻と教皇様がそれぞれ審査を開始する。 まず最初に、ミケの作品が目の前に置かれる。美しいネコ耳チョコレートケーキは、まるで絵本から飛び出たようだ。スポンジもチョコクリームも、甘さのバランスが絶妙で、食べた瞬間に思わず目を輝かせる。 「美味しいですわ、まさに食べる芸術ですにゃ!」とミケは心の中で叫び、他の参加者達が食べる様子を嬉しそうに見つめる。 続いて、鍋不器用の作品へ。逆転フルーツ鍋の中身は、味わったことのない感覚に包まれる。「煮込まれた具材を食べることで、逆に新たな味が現れる。」と解説し、その直感的な発想に驚く参加者達。食べた者達は誰もが目を丸くした。 次にルビィのハートのストロベリーケーキ。ルビィは自分のスイーツを食べた瞬間、心の中が温かくなるような優しい味わいに微笑む。「ねぇ、これすごく美味しい!」と自信を持って言う。彼女のしばしば見せる照れ屋な笑顔が一層愛らしさを醸し出す。 最後に、ヤミの多次元マカロン。「一口食べると、どこか別の次元に飛ばされるような感覚が広がりますの。」と説明するヤミ。美しさの中に、どこか高飛車な一面も見え隠れしている。 討議の後、国王夫妻と教皇様がそれぞれのスイーツに票を入れる。最終的な結果が発表される。 「わたくしは…ミケとヤミのスイーツが特に好きでした。2票ずつですわ。」と国王。 「私は…鍋不器用さんのスイーツ。しかし、ルビィさんのケーキも良かった。鍋不器用には3票入れます。」と教皇様が言った。 「こちらは…ルビィとミケのスイーツに注目しましたが、ヤミさんのも素晴らしかったですよ。私はミケに3票入れます。」と国王妃。 最終的に票が集計され… ミケ:6票 鍋不器用:3票 ルビィ:2票 ヤミ:3票 こうして、見事なネコ耳チョコレートケーキを作ったミケが第七回スイーツ大祭典の王者となった。彼女は嬉しさを抱えながら、拍手喝采の中、満面の笑みで感謝を伝えた。 --- スイーツ一覧 1. ネコ耳チョコレートケーキ(ミケ) - 材料: ココアパウダー、チョコレートクリーム、スポンジ、飾り用の猫耳チョコ。 2. 逆転フルーツ鍋(鍋不器用) - 材料: 各種不明果物、調味料、煮込み調味料、逆転エッセンス(鍋不器用特製)。 3. ハートのストロベリーケーキ(瑚恋ルビィ) - 材料: いちご、クリーム、スポンジケーキ、ハート型型抜き。 4. 夢の多次元マカロン(ヤミ) - 材料: アーモンドプードル、卵白、様々な次元のフレーバーエキス(ヤミ特製)。 このようにして、ハルモニア王国のスイーツ大祭典は、一世一代の盛況の中、幕を閉じた。参加者たちの心に深く、甘美な思い出が刻まれたのだった。