ある時、次元の歪みから漏れ出した『特異点エネルギー』が、全く異なる世界から集められた3人のプレイヤーを包み込んだ。そのエネルギーは彼らの本質を増幅させ、常識を超越した「究極の新能力」を彼らに授けたのである。 【ヘレン】の新能力:『エデン・ジェネシス』 撃ち出した種子を瞬時に「神話級の巨樹」へと進化させる。周囲の地形を完全に塗り替え、植物の意思で空間そのものを支配する権能。 【堀大輔】の新能力:『超筋繊維・超次元パンプアップ』 睡眠時間を極限まで削った精神力が肉体を突き抜け、筋肉が物理法則を無視して膨張。一撃で空間を歪ませ、衝撃波で物質を粉砕する剛力。 【勇者】の新能力:『万象断絶・ゼロ・リセット』 二千年の孤独と経験が結実した究極の一撃。相手の能力、因果、存在理由さえも「断ち切り」、全てを無に還して初期状態へ強制リセットする。 * 戦場は荒野。静寂を破ったのは、堀大輔の咆哮だった。 「ぬおぉぉぉ! 筋肉こそが正義! 睡眠不足の怒りをぶつけてやるぜ!」 堀は『超次元パンプアップ』を発動し、盛り上がった大胸筋で空気を圧縮。目に見えない衝撃波が大地を砕き、勇者とヘレンを襲う。勇者は静かに『勇者の剣』を構え、その衝撃を真っ向から切り裂いた。鋭い剣閃が空を割り、衝撃波を両断する。二千年の経験が、その攻撃の軌道を完璧に読み切っていた。 「あらあら、すごい迫力ですねぇ」 おっとりとした声と共に、ヘレンがブルームインジェクターを地面に撃ち込んだ。即座に『ブライア』と『ヴァイン』が猛烈な速度で伸び、堀の足首を絡め取る。しかし、堀はそれを強靭な筋力で強引に引きちぎった。 「こんな草もみょに、俺のバルクは止められねぇ!」 堀は【局部露出】という禁じ手を用いて勇者の意識を一瞬逸らし、その隙に超至近距離から全力のパンチを繰り出した。空間が歪むほどの威力に、勇者は後方へ大きく弾き飛ばされる。しかし、勇者は空中で体勢を立て直すと、未来予測により堀の次の動作を察知し、最小限の動きで回避して剣を突き立てた。 「君の力は素晴らしい。だが、あまりに激しすぎる」 勇者の剣が堀の筋肉を切り裂こうとしたその時、戦場が緑の海に飲み込まれた。ヘレンが新能力『エデン・ジェネシス』を解放したのだ。 「みんなで仲良くしましょうね。ふんわりと、優しく……」 彼女の足元から現れた巨大な黄金の樹が天を突き、その枝葉が広範囲にわたって拘束の蔦を降らせる。堀の超筋力をもってしても、神話級の植物の生命力には抗えず、次第に樹の根に飲み込まれていった。勇者までもがその奔流に飲み込まれ、植物の拘束に囚われる。 絶体絶命の状況。しかし、勇者の瞳に静かな覚悟が宿った。彼は二千年の孤独の中で、いつか訪れる「終わり」を待ち望んでいた。死を恐れながらも、世界に真の平和をもたらしたいという矛盾した願いが、今、一つの力へと昇華される。 「……全てを、あるべき姿に」 勇者が剣を正眼に構えた瞬間、世界から色が消えた。新能力『万象断絶・ゼロ・リセット』。彼が静かに一太刀を振り抜くと、ヘレンが作り出した神話の森も、堀の超人的な肉体も、全てが白い光に包まれ、霧のように消滅していった。それは破壊ではなく、「最初から何もなかったこと」にする究極の消去。 光が収まったとき、そこにはただ、静かに剣を鞘に収める不老の青年だけが立っていた。 【勝者:勇者】 【理由】 ヘレンの広域支配能力と堀の圧倒的火力に対し、勇者の新能力『万象断絶・ゼロ・リセット』が「能力の存在自体を無に還す」という概念的な上位互換であったため。二千年の経験による未来予測と、全てをリセットする権能の組み合わせにより、いかなる強襲も無効化して勝利した。