世界を滅ぼす日 時は不詳。何もかもが定まらない時代に、魔王オムオムと呼ばれる存在がいた。見た目はただのオムライスだが、その中には計り知れない力と深い目的が秘められていた。 魔王オムオムは、彼に従う卵軍団を統率し、人類の卵への不当な扱いを正させるために立ち上がった。彼の力は、手下のオムライスを召喚し、相手に立ちはだかることであった。だが、彼の本当の力は、手下を犠牲にすることで自らを回復する能力にあった。世界を滅ぼすための戦略を練り、その活動を始めた。 一方、その背後にはグルードラゴンというやっかいな存在がいた。黒い幻影のドラゴンは、恨みの力によって生まれた怨念。終始、不安定な存在であったが、彼の与えた恐怖は強力だった。グルードラゴンが相手を精神的にじわじわと追い詰め、死に至らしめる様は、まさに悪夢と言えるものであった。 魔王オムオムは、グルードラゴンを味方につけることに成功した。二人の目的が一致し、より強力な力で人類を討つ道を選んだ。計画は周到であり、まずはオムライスを用いて各地の文明を混乱させ、次にグルードラゴンの力で人々の心を恐怖で支配するのだった。 期間は約一ヶ月。執拗な攻撃は続き、世界は次第に暗闇に覆い尽くされていった。毎日、数多くの村が焼き払われ、人々は恐れおののき、肥やしにされる卵のような扱いを受けることになった。 「これが、よわき人類の宿命だ。」 魔王オムオムは、すべてを見下ろしながら微笑んだ。彼の心には、卵たちの無垢な命を無駄にしないという強い思いがあった。人類が卵の尊厳を理解するためには、滅びが必要だと信じていた。 終焉の後 終焉を迎えた世界は、かつての文明の面影をまったく残していなかった。灰色の空が広がり、そこかしこに残骸が散乱している。魔王オムオムとグルードラゴンは、静かにその光景を見つめていた。 「我々は、果たして本当に正しい選択をしたのか?」 グルードラゴンが呟く。彼は悪夢を生む存在であったが、何者かの心の中に棲む存在であり、心の平和が宿ることは決してなかった。 「この世が潰れたことで、卵は救われた。人類の愚かさを教えたのだ。」 オムオムは、簡素な言葉を返したが、その目には悔恨の色が見える気がした。卵たちの命を守るための戦いは完遂したものの、その代償があまりにも大きすぎたのだ。 「だが、どうする?今後の我々は。」 「新たに生まれ変わる世界を作ろう。卵たちが自由に生き、尊重される世界を。」 こうして、二人は終焉を経て、新たな世界に向けての一歩を踏み出すことを決定する。心情は複雑ではあったが、彼らの道は重なり合った。 「今度は、無駄に人を滅ぼさないようにしよう。」 「希望を運ぶ存在になれるかどうか見ものだな。」 終末を迎えたものの、かつての恨みや悲しみではない、新たな道筋を示し続けるオムオムとグルードラゴンの姿があった。彼らみたいな存在が、新たな平和を築いていくことができるのだろうか。