山の奥深く、神聖な雰囲気を醸し出す小屋の前。周囲は静まり返り、そよ風が木々を揺らしている。ここには、元英雄と呼ばれる女が待ち構えていた。彼女は赤いロングヘアを揺らしながら、和服の裾をひろげて立っていた。その目は冷徹で相手を迎え撃つ決意に満ちている。彼女の前には、二人の戦士が立っていた。忍者、ツバタ。そして無名の狐巫女、雛月である。 「…仕留める」忍者のツバタが静かに言う。口当てで顔を隠し、確固たる決意を持って前に出る。その姿勢には、冷静さと任務への忠実さがにじみ出ていた。彼は忍装束の下に忍者刀と手裏剣を忍ばせ、戦闘の準備を整えた。 対する雛月は、金髪の少女の姿をしているが、その目は赤く、何百年も生きる巫女の威厳を感じさせた。黒刀『無銘守雛月』を手にし、彼女は筆談で「戦の時、守護神として覚醒する」と書かれた護符を掲げる。体に宿る古の力が、まさに真価を発揮する瞬間を待っているかのようだ。 元英雄は二人の存在を見つめ、冷ややかな笑みを浮かべる。「私の相手は君たちか。楽しませてもらうわ」と言い放った。それが合図となり、戦闘が始まる。 ツバタが真っ先に動いた。「風閃!」彼は忍者刀を一閃し、無色無音の風の刃を敵に向けて放つ。それはあまりに速く、明瞭に見極められない。「忍の力、示す時は今!」と彼は声を張り上げ、次々と手裏剣を元英雄に投げ繰り出した。 しかし、元英雄は余裕を持ってその攻撃を捌いた。彼女は一瞬で反応し、拳を振るう。「粉砕拳・乱撃!」指先から放たれる疾風のような連続する拳打ちが、ツバタの攻撃を次々に打ち砕いていく。ツバタは、なんとかその攻撃に回避行動を取り、後方へ飛び退いた。 その隙に、雛月が行動に移る。「九尾覚醒:守護神!」彼女は抜刀し、体の周囲に尾が九本現れ、光輝く刃のように周囲を包み込む。彼女は続けて「無言抜刀術:九尾神楽!」地面を踏みしめ、神速で元英雄に接近する。 元英雄はその動きに目を向け、笑みを深める。「来なさい、楽しませてくれるのは歓迎よ!」彼女は拳を固め、雛月の接近を待ち受ける。 雛月の刃が元英雄に向かう。だが元英雄は回避する。「粉砕撃・脚撃!」一瞬の隙を突いて、高速の蹴りで雛月を跳ね飛ばす。雛月は大木にぶつかり、少し後退する。この攻撃に一瞬だけでも鈍ったようだが、彼女は再び立ち上がりその場で構える。 ツバタはすかさず攻撃のチャンスをつかむ。「風塊!」ツバタは印を結ぶと、大きな風の塊を作り出し、一気に元英雄に投げつけた。元英雄は拳をひと叩きして、「粉砕拳・遠撃!」拳が空間を震わせ、衝撃波がツバタの風の塊を返す。衝撃が二人を呑み込み、結果的に周囲の木々がなぎ倒されていく。 「ツバタ、下がれ!」雛月がその声を張り上げる。彼女も負けじと立ち上がり、「巫術:九尾遁甲封陣!」と呟く。周囲に正気を反転する力が放たれ、元英雄の動きを鈍らせる。 再び元英雄が口を開いた。「ちょっとした邪魔ね。しかし、これで終わりよ。粉砕撃・滅撃!」彼女は一瞬、地面に足を固定し、肩を引いてから拳を振り下ろす。その瞬間、大地が揺れ、空気がひしゃげ、衝撃波が二人を包み込む。ツバタはその威圧的な力にたまらず後退し、雛月は立ち尽くすしかなかった。 「この勝負は終わりだ、二人とも。」元英雄のその笑みに、二人は敗北を悟る。しかし、ツバタはまだ諦めきれない。彼は手裏剣を取り出し、投げつけた。 「これを受けるのか!?」元英雄は一瞬驚いたが、すぐにその手裏剣を回避した。だが、その瞬間に雛月が事前に忍ばせていた護符を掲げ、「無言抜刀術:九尾神楽!」神速の一閃を発動させた。元英雄すらもその動きを見誤り、瞬時に食い止めることができなかった。 刀の煌めきが元英雄を捉える。しかし、元英雄は一瞬で反応し、再びその拳を振るう。「粉砕撃・滅撃!」彼女の拳が地面を叩きつけ、再び地震のような衝撃が走り、全てを掃き消し去る。 ツバタと雛月は、無残にも蹴り飛ばされ、彼らは地面に倒れてしまった。不意を突かれ、彼女の圧倒的な力に敵う術はなかった。 「私の勝ちよ、二人とも。次はもう少し面白い相手を期待するわ。」元英雄は静かに微笑み、彼女の相手をさっさと去った。山の奥深くの静寂が戻り、彼女の存在はその場から消え去った。 戦いの終わり。結末は明白であった。 --- 勝敗 元英雄の勝ち。