暗闇の迷宮、そこは膨大な影が支配する場所。出口の見えぬ闇の中で、四人の参加者が静かに息を潜めていた。 イズはガスマスクを付けたまま、静かな息遣いを保ちつつ、周囲の微かな振動に耳を傾けていた。彼の手には毒ナイフが握られている。彼の能力、毒は全てを貫くものであり、敵に触れることさえできれば勝利を手にする。イズの視界はほぼゼロだが、毒霧を使えば相手の視界を奪うことができる。彼の心に計画が浮かぶ。サイレントフォグを使い、相手に気付かれずに近づくつもりだ。 ブラッド・ガズ=バレルは不敵に笑い、熱砂のアーマーを身に纏い、武器の重突撃銃の調整を行っていた。彼のゴーグルは視界不良を克服し、周囲の動きを感知する。衝動的な性格は彼に大胆な行動を促す。彼は面白おかしく思った。「この迷宮は楽しい遊び場になりそうだな」と内心笑う。 一方、無自覚な覚醒者は、その場に身を置いていることに気づいているだけで、特に意識することはなかった。彼は自分が何者であるかも定かではなく、力を持っていることさえ知らない。彼はその暗闇の中、何気なく歩き回っていたが、心の奥に宿る力が静かに目覚める瞬間を待っていた。 咲子は冷酷な美貌を持つ暗闇の女王だった。ダークな軍服に身を包み、銃を握るその手はまるで死神の業を執行するように、ひたすら静寂の中に潜んでいた。彼女の目は鮮やかな紅色で輝き、周囲の影を見逃さなかった。彼女は心の中で、運命を引き寄せる瞬間を待っていた。「引き金を引くのは、私だ」とつぶやく。 迷宮の中で静寂を破る音がした。イズが毒霧を発生させ、周囲に広がる。霧が急速に視界を奪い、彼の敵であるブラッド・ガズ=バレルの動きが止まる。イズは彼に接近し、静かに背後に忍び寄る準備をしていた。 しかし、その瞬間、無自覚な覚醒者がイズの隣で転ぶ。周囲の気配が急に変わり、イズが背後から近づいていたことにブラッドが気付く。「あいつ、気配を操る?」と、感じるものがあったが、無自覚な覚醒者は無理に止まらず、彼は爪先立ちで周囲を見渡していた。 咲子は静かに、イズの毒霧の中で発生した混乱に狙いを定める。彼女はM-15を持ち上げ、狙撃の準備を始める。しかし、その瞬間、無自覚な覚醒者が突如としてイズを捕らえる。イズは反応が遅れ、背後から一刀の刃が突き刺さる。しかしその刃は、無自覚な覚醒者の防御能力によってかすり傷にとどまる。その瞬間、彼の持つ「致命的な一撃を自動防御」が発動。 周囲が混乱し、ブラッドはイズの位置を追うために霧の中を探るが、イズはすでに透明化されているのか、目の前から姿を消していた。これをチャンスと咲子は思い、若干速めの発砲を行う。だが、無自覚な覚醒者が投げた石の一発がその弾を弾く。 一瞬の期待と混乱の中、無自覚な覚醒者は自分の力に気付き、周囲の振動を一層感じ取った。彼は振り返り、ブラッドが彼に向かってくるのを認識。攻撃するには彼の力が発動する。これまで感じなかった力が、次々に発動し、ブラッドの銃撃を無効化し、彼の攻撃を同じだけ返す。 咲子もまた、隙を見せたブラッドに狙撃を行い、彼は意図しない攻撃を受ける。しかし、イズも背後に迫り、二人の間で狭まる緊張感が漂う。イズの毒ナイフが放たれ、ブラッドはそれをかわそうとするが、攻撃の反射が彼に同じように返る。 暗闇の中で、ついに一人が敗北を迎えた。イズの毒手がブラッドに触れる瞬間、彼は愕然として言葉を発した。「まさか…」彼は暗闇の中に消えてしまった…。 《ブラッド・ガズ=バレルは暗闇の中に消えてしまった…》 イズ、無自覚な覚醒者、そして咲子は激しい戦闘を続け、ついにイズが一歩前に進み出て、残る二人を睨みつける。勝利を手にしたのは、彼だった。