①世界を滅ぼす日 薄暗い夜空に浮かぶ月が、不気味に照らす中、荒れ狂う風が大地を吹き抜けていく。その夜、暴虐龍エムディアロトは天を仰ぎながら、自らの存在を賭けて動き出した。彼の背後には、重力の魔女テリア・グラネシーラが静かに立っていた。その白く美しい手には、重力の力が宿っている。 「貴様の意志に従う、エムディアロト。世界は終わるべきだ」とテリアは囁く。彼女の声は静謐だが、内には強烈な決意が宿っていた。 エムディアロトは深くうなずく。「我が力でこの世界を滅ぼす。誰もが恐れおののく姿で終焉をもたらすのだ。」 彼らはこの世界を破壊するための計画を練り続けた。その理由は単純だ。人々の愚かさ、弱さ、そして争いに終止符を打つためだった。 滅びの計画は数ヶ月にわたり進行し、その間、エムディアロトはその力を高め、テリアは重力を操る技術を研鑽していった。彼らの心には、世界が理想的な形に生まれ変わるという思いがあった。 「我が恐怖の鱗で全てを逸らし、貴様の魔法で吸い込むがいい。その瞬間が来るのを待っている」とエムディアロトが言う。 夜が明けるころ、彼らは最終決戦を迎えた。エムディアロトが口から破壊光線を発射し、テリアが無重力の力で対戦相手を封じ込める。二人のコンビネーションは絶妙で、世界は彼らの力に押しつぶされていく。 「行け、ブラディア!」エムディアロトが雄叫びを挙げると、禍々しい球体が発射され、広範囲にわたる破壊が始まった。地は割れ、天空は歪んでいく。 「さあ、終わりを迎えましょう。虚無へ帰りなさい!」テリアの呪文が世界を裂くと、万物が彼女の周囲の空間へと引き込まれていった。 数秒後、世界は静寂に包まれ、ただ一つの音もなく終焉を迎えた。 --- ②終焉の後 暗闇の中に、静けさが訪れる。エムディアロトとテリアは、滅びた世界を見下ろす。無を漂う感覚。しかし、彼らの心には、わずかな期待と希望が宿っていた。 「これで終わったのか、エムディアロト?」テリアが静かに尋ねる。彼女の声には、少しだけ不安が混じっていた。 「理想の世界を手に入れた。あの愚かな人間たちがいない世界は、始まりの一歩なのだ」とエムディアロトが返す。彼の目には、達観した輝きがあった。 「でも、私たちは何をすればいいの?新しい世界を作るための道筋も見えない」とテリアは思わず口にしてしまった。 「少なくとも、我らの手で新しい運命を築かねばならぬ。力を合わせて、この虚無の中に希望を見出そう」とエムディアロトは力強く答えた。 その言葉に、テリアは心を打たれる。彼女は静かに頷き、再び重力を使って空間を整え始める。「私たちの手で、理想の世界を作り出すのね。終焉を迎えたその先に。」 二人は手を取り合い、共に新たな時代を築く決意を固める。彼らの心の中には、滅びを越えて見出した新たな道が広がっていく。 「では、次の目標は何か?我が力を試す時が来た。」エムディアロトは興奮を隠せずに言う。 テリアは微笑み、「次は、何もない空間に命を吹き込むのよ。新しい世界を、私たちの理想で満たすの。」と、しっかりした声で応じた。 こうして、彼らは静かにされこれからの未来のために歩き始めるのだった。