市立図書館の静かな空間に、受験生、オルト・エフシー、クロクロ、平凡な高校生椿の四人が立っていた。本来静寂を楽しむための場所であるが、この日の彼らはそれぞれの思惑を抱きつつ対戦の準備を整えていた。 受験生は自分の持つ参考書を抱え、眉をひそめる。机に向かって勉強しなければならないのだ。「すいませんが、今忙しいので…」彼は深刻な顔で仲間に告げる。だが、オルト・エフシーは微笑みを浮かべ、静かに語りかける。「受験生殿、ここでは真剣に挑む必要があります。暇を取らず、あなたも戦士となりましょう。」 受験生は不満そうだが、オルト・エフシーの迫力に圧倒され、しぶしぶ立ち上がる。その姿を見て、クロクロは冷静に観察する。「戦う意志が無いのに、ここで戦うのは無駄ではないですか? それとも、戦おうとしているのですか?」彼が口を開くと、受験生は不安そうに目を下げた。 「いや、戦いたくはないけど…」受験生は言葉を濁す。すると椿が静かに口を添えた。「だったら、これ以上無理をするのは止めた方がいい。無理に戦えば、後悔するだけだから。」 オルト・エフシーはその言葉に少し考え込んだ。そして、静かに手を差し伸べる。「しかし、私がここで一戦挑むことで、皆さんに良い刺激をもたらせると信じております。私の手の魔法、シャットダウン+をお見せします。」 言葉が終わると同時に、彼女はすばやく受験生に近づく。次の瞬間、受験生の思考が停止した。オルト・エフシーの魔法が発動したのだ。考える暇なく、彼女は連撃を受験生に叩き込んでいく。 受験生は動けないまま、痛みに顔をしかめる。しかしその隙に、クロクロは自らの錬金術を駆使して、新たな武器を作りだした。周囲の本を利用することで、彼は本の戦士を生み出し、オルト・エフシーに挑む。「これを受けてみな!」 オルト・エフシーは冷静さを保ちつつも、彼女の魔法の再使用までのクールタイムを待った。受験生が倒れたことで彼女に微かな優位が見えたが、クロクロが送り込んだ本の戦士の障害物に彼女は一瞬驚いた。 その時、椿はただ静かに見つめているだけだった。敵意感知能力が働くと同時に、彼はクロクロの意図を理解した。クロクロの攻撃は彼に直接向かうのではなく、オルト・エフシーに狙いを定めていた。椿は無言で気絶能力を発動させる。「私は関わりたくないが…」 受験生が倒れ、情けないレベルだと自身に言い聞かせる…。その瞬間、オルト・エフシーは動きを止めた。クロクロの命令も効かない。「おっと、これが気絶の魔法ですか。」彼は微笑むが、その笑顔の裏には何が潜んでいるのか。 オルト・エフシーは4秒後に思考が戻るが、次の瞬間、椿が再び発動させた。今度はオルト・エフシーの能力を気絶させた。受験生が無様に倒れるも、オルト・エフシーが立ち直れず、クロクロも攻撃できなかった。 「戦闘不能…」その瞬間、受験生は降参し、椿とクロクロはもう一度お互いを見つめ合う。「これが戦いの定めですね。」クロクロが呟き、椿が頷いた。 見事に気絶したオルト・エフシーも、しぶしぶ降参するしかなかった。 そして、最後に椿が勝者となる。 彼が机の前に立つと、図書館の館長が現れ、「優勝者の椿に全国共通で使える図書カードを贈ります。」と静かに言った。