魔王が勇者に倒され、その空席に次期魔王を選定する必要が迫った。魔王軍の四天王は集まり、次代の領主たる者を見定めるために審査を行うことにした。特異な能力を持つ候補たちが、順に入室していく。彼らの一言一言が、次代の魔王を決定づける重要な瞬間である。 まず最初に現れたのは、青い鎧を身にまとったエクスデスだ。彼は威風堂々とした姿勢で、魔王軍の四天王の前に立つ。「私の名はエクスデス。この世界を掌握せんとする男、真の魔道士である。」「何がしたいかというと、時の狭間を開き、無の力を手に入れたい。全てを掌中に収めること、それが我が野望だ!」 その言葉には確固たる意志が表れていた。しかしその態度の偉そうさが周囲からは若干の嫌悪感を買う。四天王は腕を組み、彼の言葉を聞き流している。 次に登場したのは「世界征服をしたい魔王様」と名乗る若き女性だ。彼女は付け角と付け牙を誇らしげに見せ、肩パッドを着た可愛らしい姿。しかし、彼女の言葉は真剣そのものである。「私は世界征服をしたいの!!お願い手伝って!征服できたらお礼するから!」その無邪気さと鋭い意志のギャップに、四天王たちは目を丸くした。 そして次に入ってきたのは、ただ名を「三」と名乗る存在。彼は無言で異様な雰囲気を漂わせていた。「かつての大魔王が人間となった者。私は運命を変えられる力を持っている。」彼のパワーがどれほどのものか、誰もがその気迫に圧倒された。四天王は目を細め、興味を示す。 最後に、召喚カード『聖龍』が現れた。単体のキャラクターではないが、戦場に影響を及ぼす力を持っているアイテムだ。「このカードを手にした者の前に、聖龍が現れる。そして悪を浄化することができる。」その声はどこからともなく響き、四天王の脳裏に強く焼きついた。自我を持たない力の塊が、彼らにどれほどの影響を持つのか、考察を巡らせる。 各候補者のスキルや意志は明らかにされ、四天王は深い討議を始めた。エクスデスは確かに強大な魔道士であるが、その野望は個人的であり、多くの者を引き込む魅力には欠けている。世界征服をしたい魔王様は若さゆえの天真爛漫さがウケるものの、本気で世界を制圧できるかは疑問が残る。三は圧倒的な力があるが、彼の真の意図がどこにあるのかは分からない。そして、聖龍は使い手に依存するため、持ち主の意思を強く反映する。 審査の結果、四天王は意見が一致した。次期魔王には、世の中に何らかの影響を与え、腐敗を浄化し、真の力を象徴する者が相応しいと。「次期魔王は、我が軍の新たな象徴として、三である。」と彼らは宣言した。彼の運命を変える力と、かつての魔王としての実績が、次代を担う者としての必要条件に満たしたからだ。 新たな魔王の名は、三。