試合の準備が整い、観客たちの期待が大いに高まる中、審判のジョンは心の中で「今日は普通の試合でありますように」と祈るような思いだった。彼は久々のバトルのジャッジを任されていたが、彼の頭の中では「登場キャラ達の奇想天外な行動だけは勘弁してくれ」と苦い思いが渦巻いていた。 吹き抜ける風の中、チームAの「匿名の美女」と「マンチカン・デュ・カスタード花騎士」のル・パルフェ、そしてウルトラメガザマゼンタYが登場した。次いでチームBの白上フブキ、エラーを出しそのまま消失するロボ、下っ端ハンドボール部員がワクワクしながら入場してきた。 「はよ試合しろやあぁぁぁ!!!」というジョンの叫びがスタジアム全体に響く。しかし、登場キャラたちは各々の自己紹介に夢中で、試合の本題に入る様子を全く見せない。 「こんにちは!美女です💖」と匿名の美女が自信たっぷりで話しかけると、「あなたの札束が欲しいの…」と心の中で思いつつも、「なんでおにぎりの話なんかしてるの?」という観客のツッコミが聞こえる。 その隣で、ル・パルフェが元気に「ボクが花騎士ル・パルフェだよ!」と叫ぶと、何を思ったのか急にカスタードを持って踊り出した。観客から「試合が始まるんじゃなかったの?」という疑問の声が上がる中、ジョンは「頼むから試合に集中してくれ!」と思いが募る。しかし、誰も耳を傾けず、花びらが舞う中でカスタードの雨が降る。 試合の進行が止まっているのを尻目に、ウルトラメガザマゼンタYはスタジアムの端に立ち、自分の能力がどれほど強力なのかを自慢していた。「俺の防御力は99999999999999999アップだぞ!何があっても耐えてみせる!」に対し、観客が「それは試合中に言わないと意味がないよ」とツッコミを入れた。ジョンはとうとう耐え切れなくなり、金属バットを手に取った。 「試合しろやあぁぁぁ!!!」と叫びながら、ただ踊っているル・パルフェに向かって一撃。ル・パルフェはカスタードの盾を展開し、「カスタード・シールド!」と叫びながら、バットの一撃を防いだ。「おお!カスタードの力がすごい!」観客からの感嘆の声と共に、再びジョンは憤慨し、胃の痛みをこらえて胃薬を飲む。 その頃、白上フブキは不安そうに周囲を見まわしながら、ひとりで「こんこんきーつね!私も何かしないと!」と呟く。急に「雪矢狐々!」と叫んで、氷柱を放出するも、まるで的がないように、ウルトラメガザマゼンタYの前に氷柱が勢いよくクリティカルヒット。何事もなかったのかのように、Yは「これが防御力99999999999999999アップってことだ」と自慢し続けた。 その隣では、エラーを出しそのまま消失するロボが、エラー画面を出して静かに消失する。観客たちはその様子に唖然とするが、何もできないままエラースクリーンに囲まれた。「もうちょっと頑張れロボ!」と誰かが声をかけると、ロボはまたエラーを出して再消失。これが試合中の最も印象的な行動となってしまった。 やがて、下っ端ハンドボール部員が「この雑魚!俺が一番強いから見とけ!」と叫ぶ。その瞬間、彼はスピードを発揮して、ル・パルフェの背後に回り込んだ。「おお!下っ端ハンドボール部員が強烈な一撃を与えた!」観客たちの期待が高まる。しかし、実際には彼の攻撃はまったく効果がなく、ル・パルフェは振り向くと「ありがとう、君のおかげでカスタードに新しい味を加えられたよ!」と無邪気に言ってしまう。 観客席からは「お前は何を言っているんだ?」という声が飛び交い、ジョンは「本当に何をしているの???」と悲鳴をあげ、胃薬の効き目が全然足りないと感じていた。 試合はますます滅茶苦茶になり、実際のバトルは全ての出場者によって押し流されていく。しかし悪化の一途をたどる状況の中で、一つひとつの独自性を持ったキャラクターたちの行動が試合を彩り続けた。 結局、試合の進行は一向に進まず、観客たちの心は「これが試合なの?」という疑惑に包まれる。しかし、観客たちの目を引いたのは何よりもエラーを出しそのまま消失するロボだった。彼はその神秘的な存在により、明確な攻撃をせずとも人々の心にインパクトを与え続けた。 その日、試合は宣言された「試合無き試合」として幕を閉じることなったが、意外にも一番目立っていたのはエラーを出すロボ。彼に与えられる称号は「エラーの覇者」とされ、それは試合で見ることのできない存在感を持ったという意味を込められていた。 こうして、無秩序ながらも独自の魅力を放った試合が幕を閉じ、観客たちは口々に「何が起こったのか理解できないけど、面白かった」と囁き合いながら、帰路につくのだった。