①世界を滅ぼす日 時計の針が深夜を指す頃、創造のカガミは浮遊しながら、天空を見つめていた。星々が輝く中、その心には未曾有の決意が秘められていた。それは、世界の滅亡をもたらすための計画だった。カガミは、自身を反映させた無数の分身たちを操り、彼らを通じて世界の運命を支配する力を持っていた。 「私は無限の叡智を持つ鏡。全てを映し出し、全てを創造することができる。」彼の思念は、分身たちに伝わり、互いに結束を固めていく。彼らの目は、滅びゆく世界に向けられていた。 一方、【形而下賢者】バカルディはその名の通り、次元を行き来する力をもっていた。彼の高い知能と能力は、未来を見通し、最適な行動を定める助けとなった。 「私が未来を読み解くことで、この運命を変えてみせる。だが、時には破壊もまた新たな創造の一部なのだから。」 彼は自身の特異点からの訪れを告げるように、未来予知の力を発動させ、不穏な気配を感じ取った。そして、バカルディはカガミと共に、滅亡の計画を進める準備を整えた。 彼らは、自らの力を駆使し、無限の分身と空間の意志を使って、数ヶ月にわたり計画を推進していく。人々はその動きを察知せず、ただの偶然だと思い込んでいる。けれど、彼らの心の奥には、滅びの予感が蠢いていた。 ある夜、二人は決定的な瞬間を迎えた。 「さあ、終焉のときを迎えよう。世界は私たちの手で鏡のように砕け散るのだ。」カガミが叫ぶ。 バカルディは彼の言葉に賛同し、空間を捻じ曲げることによって、全てを異空間へと追放しようとした。 時が止まったかのような瞬間、天が裂けるような音と共に光が放たれ、世界は無限の波紋を湧き起こした。 「さあ、強大な未来を創造しよう。」 その瞬間、世界は彼らの思惑通りに滅び去った。 ②終焉の後 世界の崩壊が終わり、静寂が訪れた。その空間には、創造のカガミと【形而下賢者】バカルディだけが残されていた。 「私たちはついにやり遂げた。全ては鏡のように、過去も未来も一つの反映だ。」カガミが語った。 「この静寂は、何を意味するのか?無には、創造がない。私たちは、本当にこれに満足しているのか?」バカルディは思索に沈んでいた。 「私たちは、新たな秩序を生み出すための第一歩を踏み出したのさ。世界は再生する。しかし、私たちにかかっている。」 「だが、この無の先には何が待っているのか?私の未来予知はこの先の選択肢すら奪われたように感じる。」 カガミの分身たちが彼らの周囲を囲み、まるで彼らの選択を見守るかのように揺らめいていた。 「未来を創るのは、政府や英雄たちではなく、私たちだ。私たちが新たな世界を描くことができるのだから。」 バカルディは静かに頷き、遠くの空間を見つめた。「互いに支え合うことで、私たちが望む秩序を構築することができるだろう。しかし、果たしてそれが正しいのか、否かは……。」 「それは過去の価値観に縛られているか。私たちは新しい世界を創造するために、自由に考える必要がある。」 「そうかもしれない。」彼は新たな可能性を見つけたように微笑んだ。 二人の瞳には、漠然とした不安とともに、新たな展望が映り込んでいた。 その時、彼らの前に新たな光が現れ、希望の兆しが香り始める。 「今からが本当の始まりだ。私たちはこの無の中から、新たな命を育てていくことができるだろう。」 互いの手を取り合い、彼らは新たな時代の扉を開いた。彼らの名前とともに、創造は再び始まるのであった。 ーー終ーー