①世界を滅ぼす日 世界は不穏な雲に覆われていた。数世代にわたり続いた戦争と絶望が、人々の心を蝕み、彼らは冷酷に変わっていった。かつての美しさを取り戻すことはできず、ひたすら前へ進むしかなかった。そんな中、二人の存在が浮かび上がる。魂を喰らう女神、ノードと、蛇人間の指揮官、ウラジーミル・アリョールだ。 ノードは、自身の力を増強するために不気味な静けさの中、花びらで生み出したダミーを操っていた。彼女の目標は、660億の魂を喰らうことによって、「死ノ宣告」のスキルを発動させ、全てを消滅へと導くことであった。彼女の周囲には、無数の花が咲き乱れ、敵を翻弄する。 一方、ウラジーミルは、銃を携えて冷静に敵を狙えていた。彼は、過去の戦争で数多くの命を奪った経験があり、どんな局面でも感情に流されないことで知られていた。彼の策略と狙撃技術は、戦場での王を自負するに足るものだった。 「今日がその日だ」と彼は決意し、視線をノードに向けた。彼女も無言で頷き、この瞬間を待っていた。 世界を滅ぼすための彼らの目的は単純明瞭だった。それは、痛みと苦しみの連鎖からの解放であった。しかし、彼らが感じる動機は微妙に異なっていた。ノードは暴力ではなく、魂を求めることに快感を覚え、ウラジーミルは戦の名誉に執着する。 二人の存在はやがて、世界の運命を大きく揺るがすことになる。そして、この日、彼らはそれを実現するために一つとなるのだった。 ②終焉の後 滅ぼされた世界には静寂しか残っていなかった。重苦しい空気の中、ノードとウラジーミルは立ち尽くしていた。大地は裂け、何もかもが崩れ腐敗していた。彼らは、かつての世界がそうであったように、自らの存在の意味を見失っていた。 「これが本当に私たちが望んでいた結果なのか?」とウラジーミルが呟いた。その声には、決して怒りや悲しみではなく、むしろ空虚さが漂っていた。彼は、世界が消失していく様を見て、自身の行動の意味を問わずにはいられなかった。 ノードは無言であったが、心の中では計画通りの成功に満足しつつも、孤独を感じていた。魂を喰らうことで強くなった自分は何も感じなくなってしまったのではないかと思い始めていた。 「私たちは終わらせた。そして何も残っていない。」ノードが美しい姿を維持しているにもかかわらず、その声はどこか冷たい空気に包まれていた。ウラジーミルは彼女の言葉に同意し、笑みを浮かべた。 「我々が望んだものは、苦しみの解消だったはず。だが、何もない今、この世界の何が大切だったのか、理解できないな。」彼は試行錯誤し、言葉を続ける。 終焉を迎えても、自らの運命に対する違和感に苛まれる。ノードの花びらは静かに散り、ウラジーミルの硬い表情は徐々に緩んでいった。二人は、滅ぼしたことで互いの存在が唯一の光となった。 「次はどうすればいいのか?」彼女の声音はどこか不安で、それを聞いたウラジーミルは自らの目標を再確認する。 「次は、失ったものを取り戻す方法を見つける。たとえ、どんな手段を使ってでも。」彼の瞳は新たな決意で輝き始めた。