闇の迫る巨大な闘技場。その中心には、二つの存在が立っていた。一つは無表情にたたずむ「破壊の一発」。木材でできたその人型機械は、まるで命を宿しているかのように周囲の空気を震わせている。全く動かず、ただ相手を見据えるその姿は、圧倒的な威圧感を与えていた。 対するは、明朗快活なオーラを纏う「剣崎一真」だ。彼は、仮面ライダーという光の使者。その目は真剣そのもので、決して屈しない芯の強さを秘めている。心の内には、守るべき者たちへの熱い思いが渦巻いている。 二人の間には、お互いの存在を際立たせるように静寂が漂う。その瞬間、意識は二つの力が交差する境界へと戦慄する。最初に動くのは剣崎一真だ。彼は、瞬時にブレイバックルを手に取り、その心を昂らせる。「これは、守るための戦いだ!」と思念を集中させ、彼は変身の先触れを告げる。 「仮面ライダーブレイド、キングフォーム!」彼の身体が光で包まれ、次々とカードが浮かび上がる。それは、♠ĀからKの13体のアンデッドの象徴だった。彼の身体は、奇跡の進化を遂げていく。耐久力と攻撃力が増し、彼の姿はひと際高く、勇敢なキングフォームへと変貌を遂げる。 周囲には、彼を讃える声が響くが、彼の耳には届いていない。視線は破壊の一発に注がれたまま、すぐに前へと踏み出す。 「これが、俺の全力だ!」その言葉と共に、剣崎一真はキングラウザーをその胸に構え、力強く地面を蹴った。彼の一歩一歩が、地面を揺るがし、火花が散るような音が鳴り響く。まるで大地を切り裂くかのような衝撃が彼の背中を押し、全てのエネルギーが集結していく。 その一瞬、破壊の一発は微動だにせず、その冷静さを保っている。動かずして相手の行動を読み取る、その力は計り知れない。剣崎一真が接近するにつれ、その動きは徐々にスローモーションのように映り、彼の気合とともに圧力が高まっていくのが感じられた。 剣崎一真が接近する。彼は、その瞬間的な判断力と動体視力を駆使し、相手の影を捉える。破壊の一発が発する静寂は、彼の剣先に迫る死の影のように思える。互いに一撃を放つその刻、瞬間が凍りついたかのように、時間の流れが止まるかのように感じる。 「ロイヤルストレートフラッシュ!」剣崎一真の叫びが響き、光の壁が彼の背後に現れ、五枚のカードが展開する。光の刃となり、まるで彼の強い意志が形を成したかのように、切先が破壊の一発へと向かう。その刃は、剣崎一真の意思を込め、すべてを一刀両断にするかのように迫る。 一方で、破壊の一発はその静けさを保ちながら、全ての動きを見越す準備を整える。機械の目が一瞬だけ光り、迫る光が彼に当たる寸前、まるで運命を悟ったかのように、一発の攻撃を繰り出す。 「崩壊!」その声が高らかに響く。まるで地が割れ、空が裂かれる音が周囲を包み込む。一発の光線が、剣崎一真に向かって放たれた。彼はその光線を、エネルギーの全てを注いで迎え撃つ。 二つの力が交わる瞬間、衝撃が遠くの山々を揺るがし、空気が震え、全てが一瞬、白くフラッシュする。まるで時間が止まったかのように、二つの攻撃が、運命の刃となって互いを貫こうとしている。 互いの一撃が重なり合い、光と闇が錯綜する。剣崎一真のロイヤルストレートフラッシュが、破壊の一発の崩壊の力と衝突した瞬間、天地を襲う轟音が鳴り響き、周囲の空間がひずんでいく。 全てがゆっくりと消え去っていく中、剣崎一真の剣は破壊の一発にわずかに届かず、そのまま圧されていく。反動の力によって、剣崎一真の全身が震え上がり、力が抜けていく。彼はその瞬間、力尽きてその場にひざまずいた。 周囲の静寂が戻り、破壊の一発はその威厳を保ったまま立っていた。時間が経ち、剣崎一真の気絶した姿が地面に横たわる。「俺は……負けたのか……」その思いは薄れゆく意識の中で、彼の心に留まった。そして、破壊の一発の勝利が決まった瞬間であった。 勝者: 破壊の一発